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金色大陸  作者: 尾張乃詩福
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夢のるもの

ひとりの少年は待ちわびた。1950年のある日の出来事を。やがてその出来事は全世界を揺るがす事件となる。そんな少年の話をしよう。

1950年世界にとって衝撃となる事件が起こった。世界初の人工衛星の開発。夢にまで見た地球という‘姿’を見る。遥か昔からの研究者達の中での最大の議題【地球】という謎。特に研究者達の中では【型】について議論する者が多かった。平面型だの楕円型だの球型だのと言い争い3つの派閥が存在し、夜間を問わず議論し続ける日もあった。そうした中での人工衛星の開発成功。研究者達の‘答え’がでる世界中で盛大な盛り上がりようになっていた。

そして、テレビでの世界一斉放送。 世界に同時で映像を流し、1つの歴史が刻みこまれようとしていた。


人工衛星打上げ当日。髪をオールバックで決め込んだ小太りで似合わない緑のメガネをかけた男「伊集院さん」のアナウンスで発車のカウントダウンをまっていた。「さぁーーーーーーーーっ!!やってきたぁぁ!!世界がどれほど待ちわびたのか?どれほど議論し調査し夢見てきたことかぁを!そして世界三大謎の1つが解決されるのだぁあ!平面か楕円、はたまた球型か!?その‘答え’が今日はっきりするのだ!お前らぁ!はりきってこぅぜぇぇ!」この掛け声で集まったマニア達がはたまた騒ぎ出す。「よく言ったぁ!ピンク!」うざったらしいピンクのジャケットが彼のトレードマークでもある。ピンクといえば伊集院、豚にもピンクジャケットという言葉も生まれた(深い意味はない)。伊集院は発車直前までこの日のために駆けつけた人達を前に懸命に叫び続けた。


打ち上げ10秒前世界がこの放送に釘付けとなった。伊集院の声が響きわたる。

「今、この時こそ世界の節目だ!!時代の流れの中心!心に刻みこめ!夢見る時代に生きることたぁこういうことなんだよぉ!!!」

発車直前の騒ぎは頂点を期した。

「10.9.8.7.6.5.4.3.2.1.〜」...

「発車!!!」


空に向け、天に向け、宇宙に向け人工衛星が飛んでいく。1秒、2秒と経っていくにつれ上に上に。鷲より素早く、蛇より一直線に。人々がすこしづつ小さくそして、海が広がって行き、下からでは見えなくなった。


もう少しで‘人類’としての答えがでる。

地球の謎の解明。

そう’人類’として‘人間’としての...



打上げに成功し、誰もが歓喜に沸いた。舞い上がり裸になる者、歌いだす者、抱き合うもの、泣く者。世界にこれほどまでと言わんばかりに感情がひしめき合った。


が、しかしこの打上げ後こそ事件が起こったのだ!

人工衛星が爆発した。何のまいぶれも無い爆発。夢を乗せたこの人工衛星は全人類をあざ笑うかのようにコナゴナに散りいった。



この瞬間世界中から音の消えた世界となった。まさに青天の霹靂とはこの事だ。

歓喜の声も無となり、風にかき消された。

ただ、呆然としたまま時が過ぎた

心には不思議な謎の気持ちと衝撃、信じられない気持ちで満タンになるにはほとんど時間はかからなかった


第一声に伊集院が声をあげた。

「な..な.ななな.何が起こったのだ。」


「ば.ば.ばぼば爆発!?これは一体なんなのだぁ!?事故かっ!?事故なのか!」

ざわざわと少しづつ皆の不安な気持ちが交差していこうとする節目のタイミングで、少年が立ち上がった。皆は助けを求めるかのように少年を見た。


静かになるのを確認してから、少年はそっと口を開き言った。

「攻撃されたんだ。」

「何かわからない‘者’に」


「!?」

会場にいた者全てが首を傾げた。


「だれだそりゃぁぁ!?攻撃するにもできるわけがねぇ!人類の最高傑作が初めて宇宙に行ったんだぞ!そんなことできる人間いるわけねぇだろ!!」

会場全員が慌てふためきあった。


少年は冷静にゆっくりな口調で付け加えた。

「いや、間違いない。人工衛星は破壊された。‘何者’かに。簡単に言うと【人間】ではない者に。」


この少年の言葉に周りの大人達も言葉を飲んだ。誰がそんな考えを予想できたか、いや考えても信じる事ができない。今この世界でそんな事できる者はいない。夢でも見ない。馬鹿げてる。そう考えるほか時を待つには頭がまわらないのである。


そして、少年がもう1つ付け加えるかのようにさりげなく言った。


「が、しかし‘答え’は出た。」



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