現在赤ん坊
目覚めたところは家の中だった。
俺の側で話声が聞こえる。
しかし何を言っているかわからない。
日本語ではない。
母がよってきた。
父も寄ってきて、母が私を抱き上げる。
母のおんぶ紐に結ばれて移動。
ごはんを作るらしい。
そこで驚くべき物を見る。
火、水はは魔法で出し、
包丁はない。目に見えない刀で斬られてる。
おそらく風魔法だろう。
出てきた料理は至ってシンプルなはずのシチューと思しきもの。
残念ながら離乳食という概念は存在しないらしいが、普通に美味かった。
赤ん坊ともあってか、言語は習得できてきた。
調理中の母親の魔術を間近で見て、詠唱は記憶した。
一応今の年齢が3歳である。
3歳だとようやく?赤ん坊扱いは薄れた。
遅いのか、早いのかわからないが。
母の見よう見真似で詠唱のみ唱えても何も起きない。
何故だと私は焦りが生じ初めていたこの頃にイベントが生じた。
父親が母親と深く話をしていた。
どうやら俺のことについてらしい。
なんでもその会話には「あの部屋」
とか「今からの方が」とか不穏な言葉が聞こえてくるが、2人の顔が妙に期待に満ちていた。
その答えは直ぐに分かるものだった。
ある朝に父親が私を連れて村の中を移動。
なぜか2、3kmほど歩いた。
「いいか。悪いがおまえをここに置いておくことが決まった。
3日だけ今から連れて行くところに我慢していろ。食べ物はそこにあるからそれで凌ぐように。いいね。死ぬなよ。」
そう言い、父親に連れられたのはある地下室だった。