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番外編 IF 野猿な囚人 31-2.(セリウス外ルート)失ったもの

注意)セリウス外ルートと言いながら、すみません!セリウスが登場します。

 リーリアは、リアレース教会のトップで、様々な事件の元凶と思われたユリアリーシアをさっさと捕縛して、無力化した。

 ついでに、リアレース教会本部中に張り巡らせた拘束から逃れた雑魚も目につく範囲で次々と捕縛しながら、リアレース教会の本部中を、セリウスがいないか探すリーリアであった。

 

 捕えたリアレース教会の本部の関係者から聞きだして、やっと、リーリアは、セリウスの元に辿り着いた。

 セリウスは捕らえられたと聞いていたので、リーリアはてっきり地下室や地下牢などに閉じ込められていると思っていたが、セリウスがいたのはゲスト向けの豪華な部屋で、貴賓のような扱いをされているようであった。

 そっとそのセリウスがいると思われる部屋をリーリアが覗いてみると、セリウスは、捕縛されたリアレース教会の人達と同じようにリーリアの拘束を外せていなかった。


(あれ?あのセリウス様が!?)


 セリウスは、リーリアと婚約すると同時に、リーリア対策と呼ばれるリーリアの魔法を無効化する技術をずっと子供の頃から訓練させられて、魔力から分析すればリーリアの術とわかり、すぐに解けるはずである。

 しかも、あのセリウスは、今まで大人しく、リアレース教会に軟禁されていたようである。

 いくら洗脳したとしても、ここまでセリウスが大人しくしていることは、ある意味、異常事態だった。

 この時、まだリーリアは、ユリアリーシアがセリウスのことを「私色に染めるつもりよ」と言っていた意味をよくわかっていなかった。

 リーリアは、セリウス自身を確認するまで、セリウスは眠らされているか、人心操作術のせいで自我を失っているものだと思い込んでいた。

 ところが、そのどちらでもなさそうであった。

 リーリアは、どういうことかわからず、とりあえず、セリウスに助けにきた体で話しかけた。


「セリウス様!ご無事ですか?

 助けに参りました!」

「……僕がセリウスだとわかるのか?王宮の者か?」


 拘束しておいて、しらっと救助宣言するリーリアであったが、セリウスは警戒心もあらわに、リーリアを見ている。


「え?わかりますよ。本物のセリウス様ですよね?

 セリウス様こそ、私のことわかりませんか?

 やっぱり、いつものセリウス様じゃないですね……。

 もしかして、まだ操られていますか?」

「……お前と会うのは初めてだ。

 それなのに、いつもの僕を知っているような口ぶりだな。

 あと、操られているとは、何のことだ?」

「い、いえ、操られてはいないようですよね。

 その、いつも、お会いした時との反応とは違い過ぎるので、どうかなさったのかと……」

「だから、お前と会うのは初めてだと思う。

 お前は、何者だ?

 そもそも、お前、本当に王宮の者か?

 どこの所属の者だ?」


 セリウスは、じろじろとリーリアを眺め、やはり心当たりはないなと首を振る。

 一方、リーリアは、セリウスの目をじっと見て、アリーシアに操られていた時とは違い、薬も使われていない正気な目をしており、操られていなさそうだと判断する。

 むしろ、正気以上に、何だか澄んだ瞳で見つめ返されて、全く嘘をついていないとも思われた。


(でも、私のことがわからないって、どういうこと?

 私に関する記憶だけを消されたのかな?)


「……私の上司は、王妃殿下の直属の部下です」

「ああ、母上の部下なのか。

 なるほど……。

 では、早く、この拘束をさっさと外してくれ」

「あ、はい。すぐに!」


 リーリアは、セリウスの拘束を解きながら、セリウスの様子がリーリアの記憶が喪失しただけにしては、やけに違和感があり、その確認をするべきかと悩んだ。


「えっと、セリウス様?

 記憶があやふやなところとかございますか?」

「……正直、何故、ここにいるのか記憶があやふやだ。

 僕は事故にあって、ここの者に助けられたらしいが、記憶を一部、失っているそうだ。

 ここに僕が何故いるのかを説明に来た男が言っていた」

「え?その男性って?」

「ここの副責任者だと名乗る男だ」


(ユリアリーシアの部下かな?

 とりあえず、ユリアリーシアがセリウス様の私に関する記憶を奪った後に、その男に言いくるめさせたのかな?

 でも、何でユリアリーシアが直接、言わずに、代理に言わせたの?

 もしかして、若返るまでは、セリウス様と会わないつもりだった?)


「セリウス様は、その男性からここの施設がどんなところかお聞きになっておりますか?」

「……アレース地方のようなまだ未開の地を開拓して豊かにする非営利団体と聞いている。

 でも、それが本当かはわからないがな。

 ところで、僕は今、18歳だそうだな?」

「ええ、そうですね。

 確かに18歳です」

「体は18歳だと自覚できるのだが……。

 実は、僕は18歳になるまでの記憶が抜けているんだ」 

「?えーっと……。

 セリウス様の中で、今、おいくつになられましたか?」

「……8歳だ」

「は?は、ははは……」


(8歳って、どういうことなのーーーーー!?

 え?どっからどう見ても、18歳のセリウス様ですよ。

 あ、でも、中身が子供だからこそ、あの違和感に納得。

 セリウス様なのに、あの澄んだ瞳は、子供の瞳だからか~。

 昔のそこまで腹黒くなかった頃の雰囲気に近いかも?

 ……ああ、彼女の言ってた「私色に染める」というのは、子供時代にまでさかのぼらせてから育てるという意味だったのか)


 困惑しながらも、昔からのセリウスを知っているリーリアだからこそ、セリウスの記憶喪失というか、精神的な若返りに納得した。

 セリウスは、ユリアリーシアによって、8歳まで精神年齢を退行させれていた。

 正確に言うと、18歳から9歳までの、おそらくリーリアと知り合う直前まで、記憶を消去されているようであった。

 

(私に嫉妬したユリアリーシアが、セリウス様に私を忘れさせるために、あのアリーシアと同じ人心操作術をかけてみたけど、効かなかったから、いっそのこと私と出会う前までの記憶を全て消去したのかな?

 もしそうなら、ユリアリーシアは何て危険な人物なの……。

 どうしよう……。

 王宮に行けば、セリウス様の記憶、取り戻せるのかな?)


 困惑するリーリアに、セリウスはその記憶喪失の時の話をしてくれた。

 記憶がなくなったセリウスは、自分は8歳のはずだが、身体は18歳なのは、何故だ!とパニックになったそうだが、リアレース教会の副責任者から、事故による記憶喪失と教えられて、落ち着こうと努力したそうである。

 もちろん、セリウスは、すぐに王宮に戻りたいと訴えたが、近いうちに王宮の者が迎えに来るから、それまでは、事故の処理の関係とこの国の王子としての身の安全のため、ここにしばらく滞在するように国王陛下らに託されたと副責任者にいわれ、それを信じてしまい、大人しくこのリアレース教会にお世話なっていたのであった。

 しょせん、中身が8歳のせいか、簡単に言いくるめられたらしい。


(これは一刻も早く、レイスリーア王妃殿下のところへ、この8歳らしいセリウス様を連れて行かないと!

 とりあえず、ルクレナ様やルイスさん達と合流しなければ。

 ああ、みんな無事かな……)


 リーリアは、記憶を失くしたというセリウスを前に、途方に暮れてしまい、しばらく、(本当にどうすればいいかな?何が優先?)と悩んでいた。

 本来ならユリアリーシアをはじめとする捕まえた一味をすぐに王宮へ突き出すべきであるが、通報しようにも、この街にこのリアレース教会がどこまで影響力を持っているか不明で、容易に通報もできなかった。

 とりあえず、リーリアが拘束してあっても、このリアレース教会の者達でも魔力が強い者なら拘束を外される可能性があり、拘束を逃れた仲間がまたリーリアを襲撃してくるかも知れないから、リーリアは、一刻も早くセリウスと二人でこの本部から離れることを優先にした。

 リーリアに大人しくついてくるセリウスに違和感を感じながらも、急いで脱出しようと、本部の建物の出口に向かうリーリアとセリウス。 

 リアレース教会の本部のある街は、王都から近く、その本部建物の入り口近くには馬小屋があり、リーリアは、そこから馬を拝借して王都に向かおうかと物色をしているところだった。


「リア!無事か!?」

「あ!ルイスさん!!」


 バーナルの元相棒フェスを脅して、リアレース教会の本拠地に一番に乗り込んできたルイスに、リーリアは、本部の入口近くにいたおかげで、すれ違うことなく無事に出会えた。

 その時、不安でいっぱいになっていたリーリアにとって、ルイスに出会えて、心底、ほっとする。

 

「殿下もご一緒か……。

 とりあえず、二人とも無事そうでよかった。

 リア、怪我はないか?」

「はい。一応、私達に怪我はないです」


 無事にリーリアと会えて、ルイスも心からほっとする。

 そして、リーリアと一緒にいるセリウスに話しかける。


「セリウス殿下も、こちらにいらしたのですね……。

 でも、ご無事で何よりです」

「……ああ」


 ルイスに話しかけられても、セリウスはリーリアの時と同じように警戒心も露わに、じろじろとルイスを見るが、ふと、ルイスの顔が今の自分の顔と瓜二つであることに気がつく。


「お前とも、初めて会ったと思う……。

 母上の部下というより、顔を見ると、母上の親戚のようだが?

 どこの所属だ?」と首を傾げてルイスに尋ねるセリウス。

「セリウス殿下!?

 ……あなたのお仕事の補佐をしているルイスです。

 もしかして、私がお分かりにならないのですか、殿下?」


 驚き、セリウスに色々と確認するルイスに、リーリアは、セリウスの記憶喪失を一番に報告しないといけないことに気づく。


「そうでした!ルイスさん、大変です!

 セリウス様は一部の記憶を失っています。

 セリウス様、今、8歳までの記憶しかないのです」とリーリアは、急いで、ユリアリーシアのことを含めてわかる範囲の内容をルイスに報告する。

「は、8歳!?

 そ、そうだったのか……。

 しかも、隣国の元王女が首謀者で術者とは厄介だな」

「はい……。

 あの、王宮にいけば、セリウス様の記憶って戻りますか?」

「どうかな。

 まずは、その術者に確認するしかないな。

 ただ、こういう精神系の術は戻らないことも多いのだが……」

「そうですか……」


 リーリアから報告を受けたルイスは、すぐに王宮にセリウスを送り届けるべきだと考え、もうすぐ着くルクレナとバーナル達がくる前に、周囲の状況確認や準備をしようとする。

 そんなルイスをじいっと見ていたセリウスは、突然、考えがつながったように、「わかったぞ!」と言ってきた。


「セリウス殿下?いかがされましたか?」

「お前のことがわかったぞ、ルイス!

 お前、あのルイスなんだな!

 ルクレナの弟で、母親が母上の側近の……。

 いや、お前も僕のように大きくなっているから、本当にわからなかった、悪かったな」

「……いえ、思い出していただき、安心いたしました。

 ルクレナともすぐに合流予定です。

 このまますぐに殿下を王宮にお連れいたします。

 セリウス殿下、馬の移動でも問題ないですよね?」

「ああ、乗馬は得意だ。

 でも、ルクレナもここにくるのか~。

 あいつ、この前、僕に意地悪してきてな。

 あんまり会いたくないんだよな~」と口をとがらせてルクレナの文句を言い、ルイスには無邪気に心を許すセリウス。


 そんなセリウスとルイスの会話を横で聞いていたリーリアは、ルイスと一緒のセリウスに、記憶を失っただけではない違和感ありまくりの様子にさらに驚く。


(ええ!?セリウス様、本当に中身が子供みたいだ……。

 ルイスさんと一緒のセリウス様って、私が見ていたセリウス様の他の友人の方達への態度とも違うのね。

 しかも、ルクレナ様とも子供の頃から交流があったの?

 そういえば、8歳の時は、こんな感じだったっけ?)

 

 その後、やっとリアレース教会の本部に着いたルクレナやバーナル達とも、無事にリーリア達は合流できた。


「野猿~!無事でよかった~」

「野猿ちゃ~ん、本当にごめんね~」

「ルクレナ様もご無事で!

 バーナルもしびれ薬、解毒できたみたいで本当に良かった!」


 リーリアは、二人に会うなり、まずルクレナにぎゅっと抱きしめられ、バーナルからはルクレナごとはぐされて、(く、くるしいぃ~!でも、お互い無事で良かった!)と思いながらも安心した。

 そんな3人の姿を見てルイスはイラっとしたらしく、問答無用でまずバーナルを力いっぱい引き剥がして遠くにぶん投げ、ルクレナもべりっとはがし、リーリアから引き離した。


「何だよ、ルイス~。

 ちょっとくらいいいだろう~、このけちんぼ!」

「そうよ、ルイスったら!

 男の嫉妬なんていやーね、心狭いわよ!!」


 ルクレナとバーナルにぶーぶー言われるが、無視して、「今は緊急事態だ!」とすぐにルイスがルイス自身が確認した状況も含めてルクレナ達に説明した。

 結局、捕らえたリアレース教会の一味を王宮へ引き渡すのは、バーナル達にお願いして、セリウス、リーリア、ルイス、ルクレナの4人はすぐに王宮に向かうことになった。

 馬ですぐに向かう予定であったが、要領のいいバーナルが、リーリアが意識を失っているなどの状況を想定して、既に2人乗りの小さな馬車を用意してくれていた。

 セリウスの馬での移動も中身が8歳ということでまだ心配なので止めて、セリウスとリーリアの二人がその馬車に乗り、ルクレナが御者となり、ルイスはその横を護衛として馬で並走し、王宮に向かうことになった。

 

 王宮に向かう馬車の中で、二人っきりになるセリウスとリーリア。

 いつものセリウスとは違って、大人しく、リーリアにちょっかいをかけないのが、何だか不思議な感じがするリーリアは、これが普通のことだったと、しみじみと今までのセリウスに毒されていたことを実感する。

 そして、リーリアは、気になることを今のうちにセリウスへ聞いておこうと考えた。

 

「あの、セリウス様、ひとつ、お聞きしてもよろしいでしょうか?」

「なんだ?」

「セリウス様は、元婚約者……じゃなかった、婚約者について、どのように覚えていらっしゃいますか?」

「婚約者?まず、婚約した相手はまだいないが?

 まあ、僕は近いうちに、メナード公爵家の娘で、友人のアーサーの妹と婚約する予定だ。

 アーサーみたいに仲良くできると良いのだけどな」

「え?そのメナード公爵家の娘って……」

「ああ。我が国の騎士団総統括であるメナード公爵の長女で、名前は『リーリア嬢』だ」

「そうですか……」

「そういえば、お前の名は?

 ルイスは『リア』と呼んでいたな」

「あ、はい、『リア』と申します」と答えて、思わず本名を名乗るのを躊躇してしまうリーリア。

「では、何故、ルクレナ達からは『野猿』と呼ばれているんだ?

 まさか野猿を飼っているのか!?」と一瞬、興味を持つセリウス。

「いえ、野猿は飼っておりません」

「何だ、そうなのか……」とやや残念そうにするセリウスは「じゃあ、髪が野猿みたいに茶色だからか?」と聞いてくる。 

「えっと、その、野猿みたいにお転婆したからかも知れません。私もよくわからないのですが……」と言って、首を傾げるリーリア。


(そういえば、ルクレナ様は会って割とすぐの頃から、私を『野猿』って呼びだしていたな。

 前から私のあだ名を知っていた?)


 ルクレナがリーリアのあだ名を知っていたというよりも、あの時のリーリアがいかにも野猿的な動きを見せたせいであったが、その自覚があるような、ないようなリーリアであった。


 その後も馬車の中で、セリウスと少し話し合ったリーリアであったが、今のセリウスは中身が8歳のせいか、今までと違って真直ぐな性格で、しかも、8歳とは思えない程、賢く、とてもしっかりしていて、まともだということがわかった。

 普通に会話もできて、何故、あんな威圧的で腹黒な王子になったのだろうと疑問に思う位に、今のセリウスは純粋で、澄んだ瞳でリーリアを見るので、なかなか慣れなかった。

 しかし、その差異のおかげで、ようやくリーリアは、いくつかの事に気がついた。

 子供の頃、リーリアは、遊びのようにセリウスと魔法で攻防していたおかげで、防御魔法や結界などの能力がやけに上達したのであった。

 セリウスも、リーリアのおかげで、リーリア以上に捕縛能力や結界の作成・帳消しなどの技術は、ランダード王国でも有数の上級者となっていた。

 その技術の全てが、セリウスの記憶の喪失と共に、現在、失われてしまい、中には記録もなく、セリウスの記憶内のみの技術もあったという深刻な損失であった。

 

 そして、今までセリウスが、リーリアに対して募らせていた愛情や執着なども含めて失われていた……。


 リーリアは、その事に気がついて、やや喪失感はあったが、セリウスがこれで自分と違ってセリウスに相応しい女性を選べるのではないのかという安堵感もあった。

 ただ、リーリアにとって、婚約破棄しても、セリウスは小さい頃から一緒に過ごした大事な幼馴染であり、その幼馴染がいなくなったも同然と気づいた。

 セリウスの婚約者としてリーリアは、野猿のようだったせいだけではなく、魔力が強く、悪い組織に狙われたりすることもあり、王子妃予定でありながら、きちんと貴族令嬢としての社交をせずに、ここまできていた。

 リーリアを独占したがるセリウスの強い希望もあり、社交を意図的に回避していたことで、リーリアには幼い頃から親しい友人がほとんどいなかった。

 もちろん、リーリアも、アルーテ王国の王女パメラや兄の婚約者スージー・マスケット伯爵令嬢とは仲が良かったが、友人というよりも姉妹のようで、上下関係があり、今のところ、リーリアにとって対等な女友達といえるのはミランダくらいであった。

 だから、リーリアには、婚約者であった以上に、唯一の幼い頃からの友人みたいな存在がセリウスであった。


(もし、このままセリウス様の記憶が戻らなかったのなら……。

 10年も一緒に過ごした唯一の幼馴染を、私は失ってしまうということなんだ……)


 それは幼馴染の死にも近い状態であり、そのことの方が、リーリアの心を喪失感でいっぱいにした。

 リーリア自身もこれまで気がつかなかったが、リーリアは、セリウスに対して、恋愛感情よりも、「唯一の幼馴染」として大事に想っていたことに、この事態で気がついてしまった。

 

(……いや、まだ望みがないわけじゃない。

 ユリアリーシアならバックアップ技術も持っていて、取り戻せるかも知れない)


 リーリアは、現状をぐるぐると考えると、様々な感情が押し寄せてきてしまい、今の段階ではまだうまく処理しきれなかった。

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