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奴隷を買ってみました。

翌日俺はベントの店の前に来ていた。

お店はかなり大きくどれくらい儲けているか容易に想像できる。


お店の中に入るとベントがやってきた。

俺の顔を見ると一瞬嫌そうな顔をしたがすぐに笑顔になる。

この辺はさすが商人だ。


「これはこれは、カズヤ様。ようこそいらっしゃいました。今日はどのようなご用件ですか。」


単刀直入に聞くのも何だったのでとりあえず奴隷を見せてもらうことにした。

ベントが連れてきたのは全員女性だった。

みんな目が死んでいる。

とりあえず鑑定をかけながら全員を見ていく。

すると一人の女性に目に入った。


ルミア 20歳 女

レベル10

HP 100

MP 300

STR 80

VIT 60

INT 100

AGI 130

スキル エルフの呪い 水魔法 回復魔法 弓術


「この子は?」


「おお、お目が高いですな。この子はエルフなのですがどうやら呪われておりまして、戦闘には使えないですが、しかし容姿は非常にいいです。しかも処女なのでかなりお値段の方がしますね。」


「いくらなんだ。」

「金貨10枚です。」


日本円で約100万だ。

むしろ安いんじゃないかと思うがもちろん言わない。


「なぁ、あんた俺に借りがあったよな。少しは安くならないのか。」


ベントが露骨に嫌そうな顔をした。


なるほど。これが嫌で俺を殺そうとしてきたのか。


「わかりました。では金貨8枚でどうでしょう。これ以上はさすがに無理です。」

「わかった。ならそれで頼む。」


カバンの中から金貨8枚を取り出しベントに渡す。

応接室に連れていかれ事務的なことを済ます。

するとベントがルミアを連れてきた。

ルミアは金髪でストレートのロング、胸はないがすらっとしていて美人である。


「ルミアと言います。よろしくお願いします。」


ルミアが棒読みで挨拶する。

その場で奴隷契約してもらう。


「終わりました。これでルミアはあなたの物です。あなたに何か害するようなことをすると契約が発動して体に痛みが発動するようになっているのでご安心下さい。」


その後ルミアを連れて店を出る。

今日は冒険者ギルドに行くことなく宿に戻る。


「あら、今日はずいぶん早かったわね。」


おかみさんが出迎えてくれる。


「ああ、今日は奴隷を買ったんで連れてきたんだ。これ追加のお金。」

「はいよ。それにしてもずいぶんいい奴隷を買ったねぇ。高かったんじゃないかい。」

「まぁそこそこしたよ。部屋は一緒でいいからあとでベッドを持ってきてくれるか。」

「当たり前じゃないか。すぐに持っていくよ。」


俺の部屋につくとルミアをベッドに座らせる。

最初は抵抗したが命令だと言ったら言うことを聞いた。


「さて、とりあえず自己紹介から始めるかな。俺はカズヤだ。一応冒険者をしている。よろしくな。」

「よろしくお願いします。」


言葉に覇気がない。


「なぁ、いきなりこんなこと聞くのはどうかと思うんだが、どうしてルミアは奴隷になったんだ。」


するとルミアが少し動揺したように眼が動いた。

そして少しした後、目から涙を流し始めた。


「私は最初エルフの村で普通に生活していました。もともと体は弱く魔法も使えなかったので生きていくのは大変でしたが毎日楽しく生きていたのですが、ある日、盗賊たちが私の村を襲ってきて、それで村のみんなは逃げたのですが私は村の人たちに囮にされ捕まってしまい…。捕まった私は犯されることはなったのですが拷問されて奴隷として売られました。私は生きていく価値なんてないんです。もしご主人様が望むならこの体を差し出します。好きにしてくれてかまいません。」


それは心からの声だった。

俺はルミアの頭に手を置いて、ルミアの目線まで腰を下げると目を見てやさしく語り掛ける。


「俺のことはカズヤでいいよ。俺はルミアに何かしてほしいなんて思ってないから安心していいよ。つらい人生だったんだろ。今日は泣いていいんだよ。」


そういうとルミアは声を出して泣き始めた。

相当いろんなことをため込んでいたんだろうな。


それにしても盗賊か。

こいつらみたいなのが世の中を悪くするんだろうな。


「なぁ、ルミア。盗賊どもに復讐したいか。」


俺の問いにぽかんとするルミア。

しかし俺の目を見て本気だと悟ると大きくうなずいた。

ルミアがうなずいたのを見て俺はにこっと笑うとルミアの前に手を差し出す。


「なら俺がお前の復讐を手伝ってやる。世の中の汚物どもを殺してやるぞ。」


恐らく状況を知らない人がこの状況をみたら俺は悪魔の使いとでも言われただろう。

それくらい今の俺の顔は悪に満ちていた。

しかしルミアはその手を握り返し神の使いでも来たかのような視線を俺に向けた。

そのタイミングでスキル強奪を発動させる。

奪い取ったのはエルフの呪いだ。

俺は人間なのでエルフの呪いを奪ったところで特に変化はなかった。


ルミア 20歳 女

レベル10

HP 1000

MP 2400

STR 800

VIT 650

INT 300

AGI 2600

スキル エルフの祝福 水魔法 回復魔法 弓術


エルフの呪いのせいで打ち消されていた祝福が発動してようでステータスが一気に上昇した。

ちなみに後から聞いたことだが一般の人のステータスは大体100くらいだそうだ。

そう考えるとこのステータスは異常だな。




その後二人で日用品を買いに出かけた。


やっぱり女性が毎日同じ服を着るのはだめだからな。


最初は遠慮していたルミアも後半には普通の女の子のように買い物を楽しんでいた。

その時盗賊について何か知らないか町できいてみたがこれといった情報は得られなかった。

ついでに買い物をしているとき昨日よりも多くの視線を感じた。

恐らくベントだろう。

こっちも早めにどうにかしないとな。


特に情報が得られなかったため再び宿に戻って休むことにした。

もちろん別々のベッドで寝た。

俺は約束はしっかり守る男だ。

部屋に充満した女性の匂いに少し反応しかけたがなんとか耐えきった。




翌朝、ギルドにルミアを連れていった。

ギルドは朝だったため人が多くとてもじゃないが話ができる状況じゃなかった。

仕方なく酒場のテーブルで人が減るのを待つ。

ちらちらとこっちを見てくるやつがいる。

ルミアを見ているのだろうが気分のいいものではない。

大体1時間たったら人も少なくなった。

ミリスさんの列が開いていたので情報を聞きに行く。


「こんにちは、ミリスさん。」

「こんにちは、カズヤさん。そちらの方は。」

「私はカズヤ様の奴隷のルミアと言います。よろしくお願いします。」

「あらそう。よろしくね。それで今日はどうしたの。恐らく今日が初仕事でしょ。」

「そうなんだけどその前にちょっと聞きたいことがあって。盗賊について情報があったら教えてほしいんですけど。」

「盗賊ですか。有名な盗賊団だとシルバーフォックス・赤い閃光・トライアルシーフなどありますが・・・。」


そこでルミアが喰い付いた。


「それです。そのトライアルシーフです。」


ルシアをさらった盗賊団はトライアルシーフのようだ。


「えーと、トライアルシーフは最近までこの近くで盗賊をしていましたが、今は迷宮都市の方で出現情報がありますね。」

「その迷宮都市とはここからどのくらい離れているのですか。」

「大体馬車で10日くらいですかね。ただ迷宮都市の周りのモンスターはかなり強いですからもし行かれるならもっと強くなってからでないと…。Dランクは最低ほしいですね。」


ルシアには悪いがまだこの町を出るつもりはない。

ルシアを見ると少し落ち込んでいる。


いったんカウンターを離れどうするか話し合う。


「俺はまだこの町を出る予定はない。ただルシアに行った復讐させてやるという気持ちに嘘はない。提案なんだが、復讐はこの町で少し力をつけてからにしないか。」


ルシアは少し考えた後、了承してくれた。


その後ルシアも冒険者登録してもらい依頼を受けることにした。


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