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ギルド登録してみました。

次の日の朝俺はクリスと冒険者ギルドに来ていた。

冒険者ギルドは一回が酒場と併設されていて中に入ると酒臭かった。

とりあえず登録するために受付へ行く。

受付には美人の女性が仕事していた。


「すみません。冒険者登録したいのですが…。」


「はい。ではこちらの用紙に記入をお願いします。」


感じのいい笑顔で受け答えする受付嬢。

渡された用紙には名前と年齢、出身地、アピールポイントの記入欄があった。


「このアピールポイントとは?」


「そこは依頼主に自分の長所を伝えるために設けている項目です。特に書く必要はございませんがそこに書いておくと指名依頼が来やすくなったりします。」


受付嬢のお姉さんが教えてくれる。


結局アピールポイントは書かないでおいた。

自分の手の内を見せることには抵抗がある。


「書けました。」


「はい。ではこれからギルドの説明をさせていただこうかと思いますがお聞きになられますか。」


「お願いします。」


受付のお姉さんからギルドについて教えてもらった。

・冒険者は基本的にランクがありそれに見合った依頼を受ける。

・ランクはG~SSSまである。

・自分より二つ以上ランクが上の依頼は受けてはいけない。

・依頼が失敗した場合契約金の50%払わないといけない。

・失敗が続いた場合ランクの降格が通達される。

大体聞いた話はこんなところだ。


「以上がギルドの説明となります。あと基本的にギルド内ではケンカ禁止なのでご了承ください。」


丁寧な説明だったためしっかり理解できた。

ギルドカードを発行してもらい登録手続きが終わった。


手続きが終わるのを確認したクリスは見張りの仕事に戻っていった。


俺はギルドに残って森で倒したモンスターの買取りについて聞いてみる。


「すみません。ここに来るまでにいくつかモンスターを倒したんですけど買取りってこちらでできますか。」


受付のお姉さんに質問する。


「はい、大丈夫ですよ。あちらのカウンターで買取りしてます。」


お姉さんに教えてもらったカウンターに行き買取りできるか聞いてみる。


「すみません。こちらでモンスターの買取りをしていると聞いたのですけど。」


「はい。こちらで受け付けておりますよ。」


カウンターにいたお姉さんの前に森で狩ったモンスターを取り出しておく。

お姉さんは普通のカバンからありえない量のモンスターが出てきたので驚く。


「はい。ではこれから鑑定しますので、ギルドカードをお預かりします。少々時間がかかると思いますのであちらの席でお待ちください。結果が出ましたらお呼びしますので早めにお越しください。」


そう言われギルドカードを預けた後、酒場の方の席に座る。

改めてあたりを見回すとそこそこの人がいた。

安っぽい装備の人から高価そうな装備を付けた人まで様々だ。


これが冒険者ギルドか。

思った以上に人がいるな。


するとひげを生やし、重そうな鎧を身に着けた男たち3人組がこっちにやってきた。


「おいおい、にーちゃん。ここはお前みたいな弱そうなやつが来るところじゃないぜ。さっさと家に帰って手伝いでもしてな。」


そう言って挑発してくる。


これはオタク自衛官の言っていたテンプレというやつだな。


その男たちの顔を眺めながらこれから起こるであろうことにため息が出る。

するとそのため息が気に触れたのか男たちが俺を睨めつけてきた。


「カズヤさん買取りの結果が出ましたのでカウンターまでお願いします。」


ちょうどいいタイミングで買取りが終わったようだ。

俺は逃げるようにカウンターに向かう。

なんとかからまれるのを回避しお金を受け取る。


「今回の買取りの結果は金貨10枚と銀貨40枚です。」


予想以上の結果に驚く。


「ほとんどのモンスターがしっかり解体されており保存状態も良かったためこの値段とさせていただきました。」


買取りのお姉さんが俺を見て補足してくれる。

俺はお金を受け取るといろいろ買い物をしたかったためどこかおすすめの場所がないか聞いてみた。


「武器や防具でしたらハンスさんのところがおすすめです。それ以外の物は大体同じようなのでどこで買っても変わりわないと思います。」


買取りのお姉さんは丁寧に教えてくれた。


「丁寧にありがとうございます。俺はカズヤって言います。今後ともよろしくお願いします。」


丁寧に挨拶をする。


「私はミリアと言います。こちらこそよろしくお願いします。」


その後ギルドを出てさっき勧められた店に行く。

その途中後ろに殺気を感じだ。


誰かにつけられているな。

まためんどくさいことになりそうだ。


俺が裏路地に差し掛かった時、目の前に2人の男が現れた。

さっき絡んできた3人組の二人だ。

後ろには残りの1人が待機していた。


「さっきはよくも無視してくれたな。新人のくせに調子に乗ってんじゃねーぞ。」


わけのわからん理由で絡んでくるなよ。


そう思いながらめんどくそうな顔をしていると男たちが殴り掛かってきた。

俺は二人に向かって行きそれぞれの腹に蹴りを入れる。

そして振り返り背後にいた男の腕をつかみ後ろに回す。

男は腕を固められ地面に押し倒される。

首筋に手刀で殴り、気絶させる。

さっき腹を蹴った男たちが回復したようで殴ってくる。

それを躱しながら隙を見つけ横腹に攻撃する。


「グハッ」


うまく攻撃が入り一人が腹を押さえてうずくまる。

その間にもう一人を気絶させる。

そしてナイフを取り出しうずくまっている男の首筋にナイフを突きつける。


「なぜ俺を襲ってきた。」


男の首筋のナイフに少し力を入れる。

血が流れて地面に落ちる。


「命令されたんだ。ベントっていう奴隷商にだ。」


男の口から出てきた言葉はまさかのことであった。


どうしてあいつが俺を殺そうとするんだ。


動機が見つからない。

すると男が語り始めた。


「なぁ、頼む、殺さないでくれ。俺はただベントに借りを作ってしまった奴がいるから始末してくれって依頼されただけなんだ。決してあんたに恨みがあったわけじゃない。もうあんたに付きまとわないからここは逃がしてくれないか。」


なるほど。

あいつは俺に借りを作ったというだけで俺を殺そうとしたのか。

俺はその時裏切られた加藤の顔を思い出した。

これが人間の醜くさか。


男に向けていたナイフをおろし、その男を気絶させる。

そして目的の場所に向けて歩き出した。




ミリスさんに紹介してもらった装備屋についた。

中にはちっちゃいおっさんが鉄を加工していた。


「何の用だ。ここは冷やかしで来るところじゃねーぞ。」


「すみません。ミリスさんにここを勧められまして。」


「ほう、ミリスの勧めか。どうやら骨のあるやつが来たようだな。俺はドワーフのハンスだ。どれちょっと見てやろう。」


これがドワーフか。


ハンスさんは俺に近づいてサイズを測っていく。

そして一通り終わると奥に入って行って防具を一式入った箱を持ってきた。


「これがお前のサイズに合った防具だ。この中から選ぶといい。決まったら奥にいるから声をかけてくれ。」


そう言って奥に入っていく。

俺は箱の中を探していく。

すると迷彩柄のズボンが入っていた。


「これは…。」


「それはプロトコルの皮で作られたズボンだな。布も頑丈で動きやすい。なかなかの品だぞ。」


「うおっ。」


いきなりあらわれたハンスに驚く。

ズボンを手に取ってみる。

非常に軽く、しかし丈夫である。


これはいい品だな。これにするか。


ハンスさんにこれをほしいという伝える。

するとハンスさんは少し驚いた顔になり奥に入っていく。

そして戻ってきたとき、その手には黒いコートを持っていた。


「まさかそれを惜しいというやつがいやがるとはな。柄が気に食わないらしく全然売れなかったんだよな。これはおまけだ。さすがにそれ来て街中を歩くと目立つからな。」


黒のコートを俺に渡す。

さっそく店内で着替えさせてもらう。

下だけだが軍にいたころを思い出す。

その後上の装備もハンスさんのおすすめの奴を選んだ。

全部で合計銀貨60枚だったが非常に有益な買い物になった。


次からもここで買おう。


お金を払って店を出る。

するといくつか視線が気になる。


こっちを監視している奴がいるな。

恐らくベントに依頼された奴らだろう。


いちいち倒していたらきりがないため今日は宿に戻ることにした。


宿に戻るとおかみさんが出迎えてくれた。


「あら、おかえり。」


「ただいま。今日収入があったからお金払っておくよ。いくら?」


「それはよかったわ。1日で大銅貨1枚だから今日の分と合わせて大銅貨2枚ね。」


「そうか。なら今日の分と合わせて銀貨2枚出しておくよ。」


そう言いカバンから銀貨2枚を取り出して渡す。

おかみさんは嬉しそうに奥に入っていった。


俺は部屋に戻るとベントをどうするか考えた。

とりあえず明日店に行ってみるかな。


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