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情報を集めてみました。

朝起きて森を出る準備を始める。

ここで一つ大きな問題が発生した。

それはどっちに行けば町があるかわからないことだ。

三日間森の中を歩き回ったが町は見つからなかった。

唯一見つけたのはどこかに続いている小道一本のみだった。

ただ手がかりはそこしかないためとりあえずその小道まで出ることにする。

テントをカバンにしまい小道目指して森を駆け抜ける。


1時間ほど森を駆け抜けた。

途中で何匹かモンスターに遭遇したため少し時間がかかった。

「バレット」という魔法は弾を小さくして威力を上げているので振動には弱く手が少しでも動くと標準がずれてしまう。

そのため手を固定する必要があり、接近戦にはあまり向いていなかった。

そのためモンスターの攻撃をかわしながらの戦いなり、時間がかかってしまった。


どうにかこの弱点を補いたいところだ。

どっかにスナイパーライフルでも落ちてないかな。

なんてありえない願望を考え始める。


もう少しで小道に到着するころだった。

突然小道がある方から悲鳴が聞こえた。

走る速度を上げて悲鳴の聞こえたほうに走っていく。

小道につくと馬車がゴブリンに襲われていた。

近くに人が倒れている。

装備からして護衛のようだ。

ゴブリンどもはまだ生きている男に攻撃を仕掛けようとしていた。

すぐさま「スナイパー」を発動して男に群がろうとしているゴブリンを瞬殺する。

ここのゴブリンはどうやら森のゴブリンではないようで一発で頭が全部吹き飛んだ。

ゴブリンに群がられていた男はゴブリンの血を浴びて真っ赤になっている。

その男に近づいていこうか考えていると先に向こうからこってにやってきた。


「いや~、危ないところを助けていただきありがとうございます。わたくし商人をしております、ベントと申します。失礼でなければあなたの名前を教えていただけないでしょうか?」


自分のことをベントと言った小太りで少し剥げたおっさんは俺の名前を聞いてきた。


どうやらこの世界は日本の名前は珍しいのかもしれないな。

ここは一応名前だけにしておくか。


「いえいえ、気にしないでください。私はカズヤといいます。」


満面の作り笑顔で答える。


「そうですか。実はわたくしこの先にあるリストという都市を目指しているのですが、カズヤさんの力を見込んでお願いがあります。どうか道中の護衛を頼めないでしょうか。」


これは願ってもいないことだった。

どこに町があるかわからないためこの後の計画が決まってなかった。

なのでこの男と一緒に町まで行くことにする。


「もちろんいいですよ。実は私もそのリストという町に予定があったのでちょうどよかったです。」


快くその頼みを引き受ける。

するとベントは安堵の表情になる。


「本当ですか。いや~、助かりました。ではいきましょう。ここで留まっているととまた襲われかねないですからね。ではよろしくお願いします。」


笑顔で手を差し出してくるベント。


これは握手をしようという意味だろうか。

こいつ血まみれなのに気づいてないのか。


頭をかきながら少しいやそうな顔をしたらベントは自分の状況に気付いたようですぐに手をひっこめると馬車の荷台に入っていった。


俺もその後に続いて荷台に入る。

すると中にいたのは手枷・足枷をした人々が死んだような目をしながら座っていた。

その目は戦争中に見た捕虜たちの目と同じだった。

その状況に胸糞悪くなり外に出る。


ベントは血をふいて、服を着替えると中から出てきた。


「さぁ、ではいきましょうか。おや?いかがされましたかな。カズヤ様。」


どうやら表情に出ていたようだ。

これぐらいのことで動揺するとはぬるくなったな。


「いやとくに。それよりも馬車の中にいた人たちは…。」


「あぁ、あいつらですか。あいつらは奴隷ですよ。わたくし商人をやってると申しましたが奴隷を扱う商人です。」


この世界には奴隷が普通にいるのか。

ベントは罪悪感もなく言ってるからこれが常識なんだろうな。

まぁだからと言ってそれを許せるかと言ったら、おれにはむりだがな。


「そうか。まぁさっさとその町に行くとするか。」


「そうですね。町はこの道をずっとまっすぐ行くだけですのでもしモンスターが出たらよろしくお願いします。」


「わかった。」


俺が不機嫌になったせいでベントも話しかけづらくなったのかその後は特に会話もなくリスト目指して黙々と歩くだけだった。






リストの町に着いたのは夕方だった。

道中何度か戦闘になりかけたが俺がすぐに殺した。

リストという町は周りを壁で囲まれている。

俺たちはいま町の出入り口である門の前で検査を受けるために並んでいた。

するとベントがいきなり話しかけてきた。


「ところでカズヤさんは何か身分証明できるものをお持ちですか。わたくしはこの商人ギルドのギルドカードがありますけど…。」


身分証明できるものなどもちろん持ち合わせていない。


「いや、俺はずっと小さな山奥の村で生活していて何も持ってないんだ。」


とりあえず適当なことを言ってごまかそうとする。


もし村にもギルドというやつがあったらすぐばれるな。


「そうですか。では入国料は私が払うと致しましょう。」


どうやらばれなかったようだ。

そして俺たちの順番がやってきた。


「何か身分の証明となるものを持っているか。」


鎧を着た爽やかそうな男が聞いてくる。


「私はこれを。こちらのお方は村から出てこられたらしく何も持っていないそうです。」


ベントがその男に説明する。


「そうか。しかし簡単に通すわけにもいかないな。どこでもいいからギルドに登録してくれたらありがたいんだが。」


そう言って困った顔をする男。


「あの、ギルドってどんなのがあるんですか。私がいたところは何もなかったのでできれば教えてほしいのですが…。」


そう聞くとベントが説明してくれた。


どうやらギルドにはいくつか種類があるらしい。

まず冒険者ギルド。

これは基本的に何でも屋みたいなもので雑用から護衛、戦闘まで幅広く扱っているギルド。

次に商業ギルドと農業ギルド。

これらは名前の通り商業や農業をしている人が入るギルド。

最後に職人ギルド。

これは武器や装備、装飾品などを作ったりしている人が入るギルド。

基本的に普通の人はこれらのどれかには所属しているらしい。


戦いにも慣れているしまずは冒険者ギルドに入ってみるかな。


「あの、じゃあこれから冒険者ギルドにでも入ろうと思うんですけど・・・。」


そこまで言うとさっきの男が食いつくように話しかけてきた。


「本当かい。それならこれから私が案内しよう。とおもったけどこんな時間だしよかったら私のうちに来ないかい。私の実家は宿屋をやっているからぜひ泊って行ってくれよ。」


実にありがたい提案だ。

ここはお言葉に甘えよう。


「わかりました。自分はカズヤって言います。よろしく。」


「私はクリスだ。この町で騎士をやっている。よろしくね。」


その後、ベントと別れてクリスさんの家へ向かう。

別れ際にベントがぜひ自分のお店に来てほしいと言っていた。


クリスさんのうちに向かっている間、俺はいろいろと質問していた。


まずお金について。

村ではお金はなく物々交換だったと言ったら教えてくれた。

お金は次のような感じだ。

銅貨1000枚=大銅貨100枚=銀貨10枚=金貨1枚

さらに金貨100枚=白金貨1枚

パン一個が銅貨1枚らしい。

つまり銅貨1枚=100円という感覚でいいだろう。


次に時間だ。

こっちは日本と基本的には同じようで1日24時間で6時間ごとに鐘がなるらしい。

30日で1か月、12か月で1年だ。


この町には王様や貴族がいるようで名前にセカンドネームがある人がそれにあたるようだ。

他にもいろんな常識を教えてもらった。


宿に着くと少しふくよかなおばちゃんが出てきた。


「おかえりなさい、クリス。あら、そちらさんは?」


「ただいま。こちらはカズヤと言ってお客さんだよ。」


クリスに紹介されて頭を下げる。

するとおかみさんはすぐに接客スマイルになって挨拶してくれた。


「あらあら。いらっしゃいませ。ようこそ、せせらぎの宿へ。」


その後、部屋へ案内してもらう。


「こちらの部屋を使ってね。ご飯は下の食堂で言えば出すから。あともし湯浴みのお湯がほしかったら言ってくれれば持っていくわ。ただ追加で大銅貨1枚かかるけどね。」


そう言われお金を持っていないことに気付いた。


「すみません。俺今お金持っていなくて・・・。」


するとおかみさんは笑顔で


「大丈夫よ。クリスから聞いてるわ。明日冒険者になるんでしょ。だったらお金は後で大丈夫よ。もし逃げようって考えているなら話は別だけどね…」


と言ってくる。


笑顔が逆に怖いな。

これはちゃんとお金を稼いで払おう。


「でお湯はどうする?」


おかみさんが聞いてきたのでほしいと答えて部屋に入る。

部屋の中はベット一つと窓がついているだけでいたってシンプルなものだった。

1日中歩いていたせいか急に眠気が襲ってきたのでベットに横になる。

その後おかみさんがお湯を持ってくるまでずっと寝ていた。

お湯で体をふいた後ご飯を食べに食堂に行くとクリスがいたので一緒に食べることにした。

味はかなり薄い方だったがこの世界ではこの味付けが普通らしい。

慣れるまで一苦労しそうだ。

クリスと明日9時に待ち合わせをする約束をして部屋に帰るとその日は再び夢の中に旅立った。


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