プロローグ2
目を覚ましたら周り一面真っ白な世界で俺は横たわっていた。
どうしてこんなとこにいるのか頭が働いていないため思い出せない。
ぼーっとあたりを見回しながら徐々に思い出していく。
そうか。俺は確かハチの巣にされて死んだんだったな。
あれ。それならどうしてこんなとこにいるんだろう。
「こんにちは。雑賀一哉さん。」
いきなり目の前にすごい美人で金髪スタイル抜群の女性が現れて挨拶してきた。
「いきなりこんなとこに呼び出して申し訳ありません。実はあなたを呼んだのはこれからあなたには別の世界に行ってもらいたいからです。」
わけのわからないことを言ってくる美人のお姉さん。
この世界といい、ありえない状況についていけない。
「あの、今ってどういう状況なんですか。ちょっと俺の頭じゃついていけなくて。」
そう聞くとお姉さんはアッとした顔になった後説明を始める。
「ごめんなさい。うっかりしていたわ。あなたのような脳筋君にいきなり状況が理解できるわけないもんね。ごめんごめん。」
こいつさらっと俺をディスってきやがった。
確かに脳筋だけど。高校中退で毎日筋トレに1時間かけるような奴だけど。
その言い方はないだろ。
「じゃあ説明するわね。」
そこからお姉さんの説明をまとめるとこんな感じだ。
・俺は銃で撃たれて死んだ。
・ここは神界と呼ばれる場所で死んだ者の管理をしている。
・このお姉さんは俗にいう天使というやつで今回神の命令で俺の前に現れた。
・俺が神様チャーンスという神様の遊びで当選したため生き返らせてもらえるらしい。
・しかし今生き返ってもまだ撃たれ続けているところに生き返されるため結局死ぬ。
・そのため俺を異世界に転生させる。
・その異世界は、魔法あり魔物ありのファンタジーの世界で人間、亜人、エルフ、ドワーフ、摩人など多くの種族が存在している。
「っていう感じですかね。あとあなたにいくつか神様の贈り物としてスキルをつけてあげることができますよ。」
「スキル?」
「はい。スキルっていうのは人が生まれつき持っているいわば能力のようなものです。もちろん何か物事を極めたりしても手に入れることができますよ。」
「どんなスキルが手に入れられるんだ」
「そうですね。無条件でだと鑑定・言語自動解釈・ステータス変更ですね。条件ありだとスキル強奪、全魔術使用可能、ステータス大幅上昇ですかね。」
「条件ありっていうのはどういうことだ」
「条件というのは自分の寿命をいくらか犠牲にして手に入れるということです。私たちからしたら寿命の短い人を転生させる方が楽なので。」
なるほど。つまり自分の年齢分を売ってあのスキルを買うってことか。
「わかった。どれくらいの年月を犠牲にすればいいんだ。」
「40年ですね。」
「なら俺を20歳の状態で転生させてくれ。その20年とあとは後ろの方から20年分とれば40年分の犠牲になるだろう。」
天使は予想外のことだったのだろうか少し考える素振りを見せる。
「それで大丈夫ですけどいいんですか。美人のお母さんのおっぱいを吸えるチャンスだったのに…。」
「俺にそんなマニアックな趣味ないわ。」
全力でツッコミを入れる。
「わかりました。ではそのように設定しときますね。あと他に要望とかありませんか。これが最後のチャンスですよ。」
「それなら最初はどっか町の近くで人気の少ない森とかに飛ばしてくれ。ああ、できれば食糧とか生活品をもらえたらうれしいかな。サバイバルナイフだけはどうしてもほしいかな。」
「ではこちらでいくつかアイテムを選んで送らせてもらいますね。
ではそろそろ行きましょうか。」
すると俺の体が急に透け始めた。
「異世界の旅を楽しんできてください。ステータスの確認はステータスって念じれば出ますから。ではいってらっしゃい。」
彼女の言葉が終わると同時に俺は消えてしまった。
そして気付くと俺は森の中にいた。