表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

三話『顔ナシ』

申し訳ございません、今回は短めとなっております。

毎日投稿を心がけようとは思っているのですがこれから何日かは難しいかもしれません。

 街に着くまでの間、何度かモンスターとの戦闘が合ったが適正レベルを大きく越えているブラムドにとっては何の障害にもならなかった。

 首都ソーンロミオは数あるAOの街の中でも屈指の広さを誇り、時間が昼間であるにもかかわらず、様々な施設を利用するため膨大な数の人々で溢れかえっている。


 ブラムドとアストラの2人はNPCの店が立ち並んでいる市場の間を抜けて行く、中でもここは高級品を取り扱っている店が多く、広げられた商品の中には目玉が飛び出るほど高いものもある。


 切れていた来客用のコーヒーとクッキーを買っていると、青ざめた顔でアストラが注意してくる。


「ブ、ブラムドさんそれすごく高いですよ! それだけで私の装備全部買えちゃいますもん!」

「まあ調理スキルが要らない食品で美味いのだとこれくらいはするよな。心配するな、金なら腐るほど持ってる」

「腐るほどって…… そんなにお金を持ってるってことは、もしかしてブラムドさんてトップ組の方なんですか?」


 アストラの言うトップ組とは高レベルランカーの中の更にトップに位置する人間達を指す呼称だ、明確な線組みが無いため自称、と言うことになってしまうがブラムドもその中の1人だ。


「まあ一応な。ほら、そんなことより早く鍛冶屋に向かうぞ」

「やっぱりそうなんですね!」


 アストラは足こそ動かしているが、視線をブラムドに固定して動かさない。

 その目からは純粋な憧れや尊敬がヒシヒシと伝わってきて、どこかこそばゆい。


 視線から逃げるように早足で路地を歩いていく、複雑に入り組んでいるこの通りは歩き慣れている者でないとすぐに迷ってしまう。

 ブラムドにとっては庭みたいなもので、迷うことなく目的の場所にたどりついた。

 建物は一見ただの小さな小屋だが、実は地下が存在していて、ブラムドがここを購入した際には当時の所持金の半分以上を持っていかれた。


 扉の上には『ヘイルメリー』とだけ書かれた看板があり、何の店なのかはまったく書かれていない。

 運よくここにたどり着いた客がブラムドの気にいらない者だった場合のための処置だ、鍛冶道具は全て地下にあるためシラさえきればばれる事はない。


「『ヘイルメリー』……ここに『顔ナシ』さんがいるんですか?」


 ノックをした後、恐る恐る扉を開けて入っていくアストラに返事をするものはいない、後ろにいるブラムドが『顔ナシ』の正体なのだがら当然なのだが。


「誰もいらっしゃらないみたいですよ……」


 ここまでおもしろそうからと何となく誤魔化してきたが、このままでは話が進まない。

 仕方ないのでアストラに真実を話すことにした。


「すまない、実は顔ナシって俺の事なんだ」


 辺りを見回していたアストラは、突然のセリフに頭がついていかないようで硬直している。

 その姿は表現し難いが、とにかく女の子がしてはいけないような表情を顔に浮かべている。


「隠していたことに特に理由はないんだがその方がおもしろいかなあって。信じられないならほら、証拠に俺のステータス。鍛冶屋レベルが91……っておい!」


 完全に固まってしまったアストラとの間に微妙な雰囲気が流れる、ブラムドは逃げるように厨房に向かった。




 ※※※※※※




「それじゃあ本当にブラムドさんは鍛冶屋さんなんですね」

「やっと信じてくれたか……」


 コーヒーを飲んでやっと落ち着いたアストラは、段々と状況を認識し始める。

 今はお菓子を食べながら質問に答えているところだ。


「ブラムドさんは何で私達みたいな人を助けてくれるんですか?」

「俺も昔はトップ目指して必死こいてやってたんだが、なったらなったで急激にアホらしくなってな。俺が気に入った奴のために素材集めて装備作ってた方が楽しいんだわ。アストラだって友達とやるのが楽しいって言ってたしわかるだろ」

「はい!」


 嬉しそうなその顔を見て自分の判断はまちがっていなかったとブラムドは再確認する、アストラの笑顔を見て嬉しくなる程度には普通の男の感覚を持っている。


「でも……鍛冶屋さんっていうわりにはブラムドさん戦い慣れていませんか? モンスターと戦うときも冷静でしたし」

「最近は依頼者と一緒に素材取りにいくことも多いからな、それにトップの奴らの依頼受けていたときには報酬に経験地が美味い狩場での戦闘とかもあったからな。意外と戦闘経験はあるんだよ。まあ武器スキルは低いけどな」


 へえーと何処か人事のような返事をするようなアストラは自分がこれから取りに行くことになると理解しているのだろうか。


「それに俺の戦い方は相手に合った武器に入れ替えながら性能でゴリ押すだけだからな、まともな戦闘職業の奴らには敵わないさ」


 残り少ないコーヒーを一口に飲み干して、いよいよ話を本題に切り替えていく。







ちょっと内容に不満なところが……

手直しする場合はあらすじにて告知させていただきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ