第2話 『ポムポム』
第2話 『ポムポム』
午後7時を少し過ぎた頃、涼の最新型のBTOパソコンにはCB5が起動していた。
【アップデート完了のお知らせ】
涼はアップデートに伴う、運営からのアイテムプレゼントの受け取りBOXを開いた。
涼『革命ライフル…?』
涼『こんなアイテムどこの攻略サイトにも無かったよなあ』
涼は聞き慣れない武器を装備Aに選択した。
涼のステータスを表すゲージが一気に上昇する。
【HP】150
【AP】125
【威力】950
【精度】740
【機動】400
涼『威力950???』
CB5において標準装備のMP5が威力110、課金で手に入るAK47が威力135である。
コトンッ
その時パソコンデスクから本が落ちた。
涼『これは…』
先ほどの本である。
涼はパラパラと中をめくる。
その本はゲーム攻略本にしては古い紙で出来ており、古術書の様だ。
めくっていくとあの武器に関する記述が目に止まった。
【革命ライフルについての章】
革命ライフルは1210年、ギリシャの革命家によって開発された古代式のライフルである。
涼『古い武器…ってことか?』
謎の声『そうでございます』
涼はびっくりして椅子から転げ落ちた。
涼『誰だ!』
謎の声『ここでございます。涼様。』
涼は声のする方を見ると、20センチくらいの浮遊する卵の様な形の生き物がいた。
謎の声『私はCB7の管理人、ポムポムでございます。』
謎の声『管理人と言っても雇われ店長みたいなものですが』
涼『なんかきみわるい…』
謎の声『無理もありません…』
謎の声『しかし、涼様の前に現れたのはほかでもありません。お願いがあるんです!』
謎の声『実は、CBシリーズは過激的だと言うことで取り締まりの対象となり、2017年にネットゲーム界から姿を消しました。』
涼『消しました? 今は2015年だぞ?』
謎の声『はい。私は2070年から来ました。』
涼『……』
謎の声『それで、2017年の取り締まり以降2058年までCBシリーズは封印されていたのですが、私の雇い主である大手ゲームメーカーの会長がCB6を発売すると発表しました。』
謎の声『議員を雇い、法律を変え、なんとかバーチャルゲームとして発表しました。それがCB6でした。』
涼『ちょっとまて、全然理解できないんだけど、とりあえずバーチャルゲームってなに?』
謎の声『体験型ゲームでございます。五感すべてがゲーム世界のキャラクターに依存します。』
涼『なるほど。よくアニメとかであるやつか』
謎の声『左様でございます。』
謎の声『そして、私の雇い主はCB7を発売いたしました。』
謎の声『議員を雇い法律を変えてまで発売した理由…』
涼『たかがゲームだろ?』
ポムポムは真剣な顔になった。
謎の声『それが…。世界に異変が起き始めたのでございます。』
謎の声『ゲーム世界のマップが地球上の街に類似していたり、現実に人が死んだりしました。』
涼『どういうことだ?』
謎の声『それは説明するより実際にゲームをやって頂いた方がわかると思います。』
涼『……』
謎の声『この時代のCB5が全ての始まりなのです。ですから涼様のパソコンからCB5へバーチャルアクセスし、涼様の目で確かめて欲しいのです。』
涼『なにを確かめろって言うんだ』
謎の声『一人の少女の残したアイテムに関する情報でございます。』
謎の声『黒猫というクランのマスター、通称レミこそがCB5の根源を知っています。』
謎の声『この時代のCB5における重要なアイテムの情報を見つけて来てください!』
涼『ちょ…まっ……』
涼は画面の中に吸い込まれる様な感覚を覚えた。
気づくとそこは…
初心者サーバーのマップだった。
第2話 『ポムポム』完
第3話へ続く