殺し屋
それから二、三日少女は悟を襲ってきた。もちろん、悟は反撃などはせず、殺され続け回復し続けた。
「お前も飽きないなぁ・・・」
この日も悟の元に現れた少女に呆れた様子で悟は言った。
「諦めないと・・・言った」
「そうは言っても・・・俺が死なないってことは、お前が一番分かるだろ?」
「・・・でも・・・」
諦めきれない様子で悔しがり下唇を噛んだ。
「なにか訳があるのか?お前が俺を殺し続ける理由が」
悟の言葉に少女はビクッと反応を示した。が、すぐにそれを隠すように無表情に戻った。
「・・・そんなものは無い。・・・ただ任務を熟せないのが悔しいだけ」
「任務?」
「私は殺し屋。依頼されたからあなたを殺すだけ」
無表情で少女はそう言った。
「殺し屋・・・なるほどな」
これまでの少女の言動や身体能力の高さに合点がいった。
「お前は・・・それでいいのか?」
「なにが・・・?」
「お前は人を殺したいのか?それとも生きるためにしょうがなく殺してるのか?」
悟の問いに少女は再びビクッとした。悟のセリフは少女の中で何か的を射ていたのかもしれない。
「・・・・・」
少しの間が空く。少女は少し俯きそのまま動かない。
そして、しばらくして口を開いた。
「どっちも・・・私は生きるために殺しているけど、殺すのは大好き」
少女はキッパリと言った。なにか吹っ切れたように。
だが、悟は何と無く気づいていた。
・・・・嘘が下手な奴だ・・・