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第4話 見える

「お前等あぁっ!!!」


まず殴って、倒れたところに思いっきり、お前が投げた釘を突き刺してやる。

悠斗の痛みを、苦しみを、お前に解らせてやる。

晃が俺の肩を掴んでる。

放せ…!


「涼落ち着け!大丈夫だ!」

「なにが大丈夫なんだよ!」


晃アホか?

悠斗、釘刺さりまくって、倒れてるじゃねぇか。


「悠斗は生きてる!!」


今、なんて言った?


「生きてる…?」

「この程度で、悠斗は死なない」


カラン。


鉄を打ち付ける音。

悠斗が、自分で自分の体から、五寸釘を抜いてる。

しかも普通に立ち上がってだ。

ありえねぇだろ、これ。


「悠斗、大丈夫か?」

「んー、ちょっとびっくりしただけ」

「悠斗!!!」


駆け寄って、穴だらけのシャツを捲った。


「え…」

「きゃぁー、えっちー」


シャツは穴だらけなのに、悠斗の体には穴はおろか、傷なんてひとつもない。

更に、冗談を言えるぐらい悠斗はピンピンしてやがる。

見間違い…なわけねぇよ。

さっきまで倒れてたんだから。


「悠斗…傷は…?」

「ん?ないよ〜そんなの」

「だってさっき、めっちゃ刺さりまくって…!」


あぁ、なんだこれ。

俺が可笑しいのか?

それとも、悠斗が可笑しいのか?

いかん。混乱してきた。


「まぁ、細かい説明は後だぁ」


ぐっ、と足元の五寸釘を握り締める悠斗。

晃もバズーカを構え直す。


「硬化する体か」

「わぁ。すごい当たりぃ」


オカルトマニア三人の目がつり上がっている。

そうだよなぁ、仕止めたと思ってたんだから。


「こんな釘じゃ…殺せるものも殺せないよ」


そう言って、悠斗は五寸釘を折り曲げた。

って、お前のその細い体のドコにそんなミラクルな力があるんだよ。


「…死ねよ」

「やぁだ」


今、見たことないぐらい清々しい顔で悠斗が笑ってる。

敵に回すとヤバいタイプだな、覚えとこう。


「お前等全員生け捕りにして、全部吐かせる」


晃は晃で、いつもの営業スマイルはどこへやら、ものすごい顔で睨み付けている


「不利か」

「不利だね」

「ここは一度」

「引き上げようか」


その直後、ものすごい光が俺達を襲った。


「まぶし…!」


充分にギラギラ輝いたそれが消えると、オカルトマニア三人も消えていた。


「…気配がない」

「逃がした…!」


余程悔しいのか、晃は壁を殴り付けた。

バズーカはまだ持ったままで。


「…晃、悠斗」


このままにできない。

このままにしたくない。


「全部教えてくれ」

「あーーーー!!!!」


この声…理緒か。


「晃!悠斗!また壊したの!?」

部活の途中だったのか、理緒はクラリネットを持ったままだ。

ちなみに、須王姉妹はブラバンをやっている。

って、なにを呑気に説明してるんだ俺。

この状況、明らかに可笑しいだろ。


「「ごめんなさーい」」

「直すほうの身にもなりなさいよねー!」


直す…?

ってか、三人共よくある事みたいな口振りだな。


「ほい」

「あ?」

「クラリネット持ってて」

「あ、うん…」


とりあえず受けとる。

あ、思ったより軽いんだなクラリネットって。


「……」


理緒が、ぶち抜かれたドアに手をかざす。

もう、血とバズーカを見た俺だ。

今更なにが出てこようが、バカみたいに驚いたりはしない。


「よっ…」


ドアの破片が、床から持ち上がった。

ふわふわと浮かびながら、もとの形に戻っていく。

さっきのとは違う、暖かい光に乗せられて。


「…ズレはないね…うん、完璧」


えー…今なにが起きた?

ハンドパワーか?

くそ、日本語がこんがらがって説明できねぇ。

英語でもできねぇけど。


「あれ、なんで涼がいるの?」

「……」


さっきから居ましたよ俺。


「私、晃にクラリネット渡した気になってた〜」


あ、なんか傷ついた。

理緒ちゃんひっどーい。


「それより、また上手くなったね。物直すの」

「毎日のように壊されちゃえば嫌でもこうなるよー」


また…。

ってことは、やっぱりこいつらの中で、何かが原型を止めてない状態になるまで

破壊されるのは、そう珍しくないってか…?


「涼ー?」

「んあ!?」

「クラリネット。ありがとね」


いつのまにか、釘が刺さってた壁まで綺麗に直してある。

本当にいつ直したんだか…。


「涼」

「え?」

「今の…見えた?」


いつになく理緒の目が真剣だ。

正直に答えたほうがいいだろう。


「みえ…た」

「正直でよろしぃー」


理緒がこっちに近づいてきた。

なんだろ。


「ほっぺた、切れてる」


あー…たぶん釘が飛んできたときのか。


「あ、平気だよ別に。全然痛くないし…」

「だーめ。血でてるしっ」


余談だが、俺の身長は175センチ。

それに対し、理緒の身長は155センチ。

単純計算で、20センチほどの差がある。

そして今、そんな理緒が俺のほっぺたに手を添えている。

これはこれで………「萌え」?


「ちょっと熱いかもー」

「…ッ!?」


なんだろう。

傷口に熱湯がかかったみたいな感じだ。

まぁ、簡単に言うと、「ちょっとじゃねぇよ、すげー熱いんすけど!!!!」ってことだ。


「ほれ治ったー」

「へ・・・?」


あれ…。

ほっぺたにもう痛みが無い。

ってか傷がねぇ。


「・・・なにしたんだ?」

「治したんだよぉ?」

「どうやって?」

「壁と同じ要領だよー。足りないところに足りないものをくっつけて、穴埋めしてくの」


えー…。

すまん、理緒。

まるで2次元なその説明にとても付いていけない俺がいます。


「しょうがないなー」

「俺の武器のことも含めて説明しちゃうか?」

「そのほうが早いね」


ちょ…お前ら・・・、俺は蚊帳の外かっ!

俺が1番ついていけてないのにっ!

なんというか・・・どんどん授業が先に進んでって、最後まで付いていけない生徒の気持ちがわかる気がする…。

一応、できる子なのになー。悔しいぜまったく。

うっかり、携帯で書いた下書きを消してしまい自己嫌悪中のなたこですorz

うぅ…なんて情けない…

携帯にザオリクをかけたいです。・゜(゜´Д`゜)゜・

復活してくれ第5話さんっ!!

半分まで書いたのにっ(´;ω;`)

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