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覚醒。クリアな意識に残るのは昨晩の計画。彼はまだ死んだように眠っている。やつが起きるまで僕はひたすらぼーっとしていた。無気力なわけではない。ただ、ネジがはずれてしまったような。彼は、寝起きのやや惚けた頭で僕にとうとうと何かを語る。だが、なんて言っているのやら全く不明で意味を成して居らず、僕は苦笑してしまった。突然、覚醒剤でハイになった浪人生が部屋に入ってきた。その浪人生は幾度か見たことがある。その度に髪型や服装が変わっていて、忙しいと思う。それが薬に起因するのか否かは僕には断じ得ないが。
浪人生を後目に彼は僕を部屋から連れ出しコンビニへ向かった。そこで公衆電話から何処かにかける。しかも2から始まる11桁の番号。あり得ない、接続。しばらくの会話の後彼は歩きだした。今のは、と尋ねてみる。企業秘密だと教えてもらえない。まあいいさ。歩く、先には駅前の巨大なモニュメント。艶やかな振り袖姿である。そして昨日の少女。彼は軽く手を振る。少女はずいぶん前から僕らに気付いていたらしくにこやかに表情一つ変えない。ご機嫌いかがと昨日とは打って変わった古風で雅な口調。いでたちに合わせ演じ変えて居るのだろう。]
こんにちわ、と僕は軽く会釈する。彼は僕に言う。こいつは宵闇人形と呼ばれてる仕事やさ。押し売り紛いに違法な仕事を宵闇に紛れてこなしてゆく。宵闇人形と呼ばれた少女は微笑み、上品に口を開く。そして貴方は死刀と呼ばれておりますわね。死の刀。周囲を死に招き御当人すらほぼ死んでいる。一切合切を破壊し破滅させ崩壊する抜き身の刀。そこで彼女は口を閉じ、美しい仕草で会釈する。御初に御目にかかります、宵闇人形と呼ばれておりますれば。死刀と呼ばれた彼はただただ笑っている。僕は呆然としていた。通称がまかり通る世界。




