第一次報告書
この文書は、「地球外生命体(Extraterrestrial Entity)」通称“E2”、並びにE2と接触した一〇歳(当時)の少年の日記、内閣情報調査室による調査記録などに基づくE2の第一次調査報告書である。
1.少年の日記(一部を抜粋・改編)
2012年12月23日
今日は公園で██君と遊んだ。昼間なのに流れ星が見えた。不思議だったけどきれいだった。
2012年12月25日
今日はクリスマスだ。なのに学校で残念。それと、学校の裏庭に大きな穴があいていた。びっくりした。穴の近くに見たことない動物もいた。一瞬目が合った。少し怖かった。
2012年12月26日
明日から冬休みだ。そういえば、学校の裏庭にあった大きな穴がなくなっていた。不思議だな。
2013年1月28日
そうじ中に██ちゃんがいなくなった。先生たちが探していたけど見つからなかったみたい。
2013年1月30日
今度は██くんがいなくなった。帰り道に茶色く汚れた██くんの上履きが落ちていたから先生に届けに行った。
2013年2月1日
今日は学校があるはずなのに先生たちがいなかった。友達と一緒に門の前で待っていたけど誰も来なかった。その時に███さんがいなくなった。
2013年2月28日
なぜか家のドアが勝手に開いた。誰もいなかったのにおかしいな。
2013年3月1日
一緒に住んでいたおじいちゃんがいなくなった。パパとママが探しに行った。
2013年3月2日
パパもママも帰ってこない。早く帰ってきてほしい。ちょっと怖い。
2013年3月3日
さっきから何かが家のなかにいる気がする。何も見えないけど絶対にいる。何かを探しているみたいだけどとにかく早く家からにげたい。怖い。怖い。音が近づいてくる。逃げたい。怖い。怖い。助け
(日記はここで途切れている。)
備考
この少年は2013年3月3日から行方が分からなくなっている。また、この街では行方不明者が続出していた。
2.日記からの推測
①2012年12月21日の“流れ星”を我々はUFO、もしくはE2そのものなのではないかと推測している。
②2012年12月5日に出てくる“大きな穴”は、UFO、もしくはE2が着地した際のクレーターではないかと推測した。また、“見たことない人”がE2だったのではないかと思われる。
③2013年1月28日の少女失踪事件、30日の少年行方不明事件、2月の█████小学校職員連続失踪事件、3月に███県██市で発生した一家襲撃事件(2名が死亡、2名が行方不明)にはすべてE2が関与していると考えられる。
3.その他の情報
・少年の日記から、E2は当初、有色可視であり、観察が可能であったが、ファーストコンタクトから次年の2月28日までの計66日間でE2の表面が透明化したと考える。
・近年もE2による犯行であると思われる事件は発生している。
4.結論
・以上のことから詳細はまだ判明していないものの、“地球外生命体”であると判断した。また、E2が地球へ到来した要因は、現在調査中である。
5.備考
・本件にはあまり関係がないが、自然愛好家としても知られている少年の祖父はよく「ヘックス」と口にしていたという。




