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熊問題について、考えてみたよ。  作者: バッシー0822


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1.はじめに

深刻化するクマ被害と現場の課題


1. クマの被害増加と出没地域の拡大

被害の深刻化: クマによる人身被害が過去最悪のペースで推移しており、「もはや災害級」とも言われています(例:2025年度の死者数が過去最悪だった2023年度を大きく上回るペース)。


要因: クマの個体数増加や分布域の拡大に加え、餌となるドングリなどの凶作により、クマが人の生活圏にまで広く出没するようになっています。


対策の転換: こうした状況を受け、環境省はクマを「指定管理鳥獣」に指定し、保護重視から個体数管理・減少へ政策を転換しています。また、市街地での発砲を可能にする「緊急銃猟」制度も導入されました。


2. ハンターの高齢化と報酬・待遇の問題

ハンター不足: クマの駆除を担う地元猟友会のメンバーは高齢化が進み、人手不足が深刻です。全国の狩猟者の約6割が60歳以上という状況です。


低い報酬と危険性: クマ駆除は命がけの危険な仕事ですが、その報酬額は自治体によって大きく異なり、非常に低いケースも多く見られます。この報酬と、仕事のリスクが見合っていないことが、ハンター不足の大きな要因となっています。


リスペクトの欠如: 低い報酬や、駆除後の手続き、発砲に対する厳しい規制(銃刀法関連など)が、命がけで対応するハンターへの「リスペクトが欠けている」と感じさせ、一部で駆除辞退の動きにも繋がっています。


3. 新たなハンター確保の動き

ガバメントハンター: ハンター不足への対策として、自治体の専門職員として安定した身分でクマ対策に従事する「ガバメントハンター(公務員ハンター)」の確保・育成が進められています。


課題: しかし、この制度導入には財源の確保、危険手当などの雇用条件の整備、そして安全かつ確実にクマを仕留めるための高度な射撃技能(動的射撃など)を担保する訓練体系の整備など、多くの課題が残っています。


問題の本質は、「人命と生活を守るために必要な危険な業務を、高齢化が進むボランティア的な民間に低待遇で依存しすぎている」という点にあると言えそうです。クマ対策は、単なる野生動物の問題ではなく、地域社会の安全保障と、それに関わる人々の待遇の問題が絡み合った、非常に複雑な課題となっています。



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