表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/58

第15話 相談、そして解決案

「それで、相談ってなんだよ?」


一瞬でいつもの生意気な態度に戻った彼。

そんな彼に、配信でリスナーさんたちから、

ストレス発散先としてモンスター退治をすすめられたことを話した。

そのためにギルドで冒険者登録したいけれど、どうしたらいいのか知りたい。

という話を矢継ぎ早に伝えた。


「俺に相談してどうするつもりだ?

だいたい令嬢という立場で冒険者登録する必要性はないし、

そんな理由で戦うなんて無謀だ。やめとけ。」


冒険者登録の方法くらいすんなり教えてもらえると思っていましたが

まさかダメ出しされるなんて予想外ですわ。


「あなたはそうおっしゃりますが、わたくし本気ですのよ?

この家でイライラして縮こまっているよりも、冒険やクエストを伸び伸びとしてみたいの。

それがどんなにつらくても、こことは違う環境で頑張ってみたいのよ。」


というのは建前。

あなたと一緒に冒険したいとか、配信の企画にしたいとか

本心をここで打ち明けられるわけがないじゃない。


「それは本音か?本当は配信目的じゃないのか?」


図星を突かれあたふたする私。

でも、配信目的と思ってくれて助かった。


「まぁ、そ、それもあるかしら。でもそれだけじゃないのよ?」


「単なる気まぐれで冒険者登録なんてするな」


ここで、私お得意の切り札を使いますわ。


「せっかくマリアと一緒にクッキーを焼いてまでお願いしに来たのに、無駄でしたわ。

その辺の野良犬にでもあげようかしら。

わたくしが本気で冒険者登録したいと思っていても、

その願いが叶えられないなんて残念ですわ」


ここぞとばかりに、ポシェットからお手製クッキーを出して見せる。

クッキーの甘い香りがふんわりと漂った。


ちなみに、切り札は食べ物を与え

最終兵器では没収する、そういう使い分けですわ。


「……本当に困ったお嬢様だ。」


彼には効果抜群なのよね。

まぁ誠意が伝わった……ということにしておこうかしら。

餌で釣ってるって、

バレてるような気はしますが。

よし、ここでもう一押し。


私は青い瞳をウルッとさせ、目いっぱい輝かせて

ねだる様に手を合わせた後。


「お・ね・が・い♡」


リスナーさんに教えてもらった秘密兵器も投入。

最終兵器に切り札、まさか秘密兵器まで使うことになるなんて、甘く見てましたわ。

……ここっていつから戦場になったのかしら?


しかし、こんなことは初めてやりました……

予想以上に恥ずかしい。

顔から火が噴き出ているかのように熱くなり、

もう本当に穴があったら入りたくなりましたわ。


こんなことあなたにしかやらないんですのよ?

ほ、ほら、頼みごとをしたのは私ですし?

それ相応の対価と言いますか……


私が心の中で言い訳をしていると

彼は大きなため息をつく。


「登録の仕方だけだぞ。クエストは手伝わないからな。

だからクッキーはください」


……彼にプライドはないのかしら?

まぁ教えてくれるのならそれでいいですわ。


「ありがとうございます!助かります。」


頑張ってよかったですわ。

これで企画も出来て

クエストデーt…じゃなくて!クエストにも一緒に行けますわ!


「で、ちょっと確認なんだが……」


彼は真剣な表情で聞いてくる。


「まさか、そのヒラヒラしたドレスでギルドに行くつもりじゃないだろうな。」


その言葉の意味がよくわからなかった私は


「いけませんか?このドレスお気に入りですの。」


とスカートの裾をつまみ上げて回って見せる。


「その格好で行ったら君が伯爵令嬢だとバレるだろ?

噂が広まってしまったら君の家族にも話が聞こえていくんじゃないか?」


彼の言い分はもっともだった。


「あら、わたくしドレス以外持ってませんわ、どうしましょう。」


確かにここまで来てお父様やテーゼに邪魔されたくはない。


「嫌じゃなかったら、俺の前の装備を貸してやる。

それで変装してギルドへ行くといい。」


それって、お古ってこと?

汗臭いということはないのかしら。

臭いのは嫌ですけど、あなたの匂いに包まれるって素敵かも。

あっ…私ってもしかして変た……違いますわ!


「嫌ですけど、仕方ありませんわね。

 本当に嫌なんですけど、仕方なく、

そう!し・か・た・な・く、借りるしかありませんわね!」


仕方なくですもの、これで私は無実ですわ!


「はいはい」


彼は呆れたように返してくる。


「……ちなみにこの縦ロールもいけないかしら?

 わたくしこの髪が自慢なのですが」


服のことを言われたので一応聞いてみる。

しかし当然……


「ダメに決まってるだろ?

そんな髪型じゃ目立って仕方ない。」


ですわよね。

それに街中で縦ロールにしてる人なんて

貴族だって言ってるようなものですしね。


「そうですわよね。

 残念です」


彼は二度目の大きなため息をつく。

そんな彼を尻目に冒険者として活動するならどんな髪型にしようかと考える私。

そしてふと思った。


「ちなみに一応参考までに聞いておきたいんですが……」


ちょっと気になったことを聞くだけですの。

何も深い意味はないんですのよ?


「なんだよ」


しかしいざ聞くとなると

恥ずかしく、なかなか言い出せない。


「どうでもいいことなんですけどね……?」


えーと…うーんと、と時間だけが過ぎていく。


「早く言えよ」


なかなか言えずにいる私に痺れを切らし急かすように彼は言う。

私の気持ちなんかなーんにもわかってくれないんだから。

べ、別に何でもないことですのよ?

ふと気になっただけで……

いいですわ!

この(自称)冒険者ビビアン・ロッソ逃げも隠れもしませんわ。

聞きたいことくらいサッと聞いてさしあげましょう!


「か、かかか、髪型を変えるとして、あなたはどんな髪型がお好みかしりゃ?」


思い切り噛んだし、思い切り恥ずかしかった。

もう私は貝になりたい。

海の底で静かに暮らすの。


「はぁ?しょうもないこと聞くなよ。」


しょうもないですって?

こんなに頑張ったのにしょうもないってどういうことですの!?

彼の言葉を受けて少し冷静になったからか

アイコンのことを思い出す。


「そういえば、あなたが設定した私のアイコンは、

好きなゲームキャラクターだと言ってましたわね?

それを参考にさせていただきますわ。

それくらいならよろしいでしょ?」


「ツインテールにするってことか?……好きにしろよ」


そう言って横を向いた彼。

月明かりで照らされたその顔はほんのり赤くなっているように見えた。


お読みいただきありがとうございます。


「面白いなっ」


「このあとが気になる」


と思いましたら、ブックマークか

ページ下部の[☆☆☆☆☆]をタップして評価をしていただけると大変うれしいです。


どうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ