自己紹介と状況把握
みんなが落ち着いたあたりで1度全員集まって自己紹介も兼ねて状況確認をすることにした。
「とりあえず簡単に自己紹介するか。俺はアガレス。ゲーム実況者だ」
「僕はアポロン。歌い手だよ」
「…ワタシはボティス。ゲーム実況者よ。こんな状況だろうが馴れ合うつもりはないね」
「はい!私は夢花です!一応配信者ですがわかりますかね?」
夢花…?夢花?なんか引っかかるような…あ!
「VTuberグループドリーミンのメンバーの夢花さん?あってますか?」
と聞けば知ってるんですか!嬉しいです〜!とぴょんぴょんしている。知ってるも何もこの間そのグループ炎上してたからなとは口が裂けてもいえなかった。トレンドに入るくらいには炎上していたらしい。興味はなかったから内容は知らないけど。
「私はメリーです。ただのオタクです」
「わ、私は朱里です。あの、アポロンさんのファンです…!メ、メリーちゃんはアガレスさんのリスナーさんです!よろしくお願いします!」
とんでもない紹介をした朱里の口を慌てて塞いだ。いや、もうさっき口走ったから知られてるけど。改めて言われると恥ずかしい。
「僕のファンだったんだね!嬉しいよ!いつも応援してくれてありがとう!」
アポロンは優しい顔で笑いかけてくれた。朱里はキャパオーバーになりかけていたので背中を叩き現実に戻した。
「とりあえず状況説明だが俺とアポロンと夢花は同じ部屋で倒れてて黒板に図書館に行け的な事が書いてあったからここを探しながら歩いてたら化け物に襲われそうになって撃退したらメリー達に会ったな」
アガレスは説明しながらこちらを見た。次は私が説明すればいいのかと思い口を開いた。
「私と朱里は2人で違う部屋に倒れていたようです。地図を確認したところおそらく2階だったと思います。私たちは何故かペンライトとフォークを持っていました。そして先程襲われてバラバラになりアガレスさんと一緒に探索していた所に人体模型の化け物と出くわして戦いました。よく分かりませんがその時に私が持っていたフォークが光って大きくなり武器化しました。あと地図がここにありました!」
緊張しながらも起きたことを話せばアガレスは武器として最強だったぜと笑う。
「僕達はバラバラになってから図書館を探して歩いて居たら開かない部屋をいくつか見つけたんだ。その中の1部屋を覗き込んで見たら人が倒れていてドアを叩いて起こしたのがボティスさんだったよ。そこのドアは開かなかったはずなのに目が覚めた途端鍵が開いて中に入れるようになったんだよね」
ボティスは嫌そうな顔をしながら
「普通危険だと思ってる場所のドアを大きい音で叩くか?ありえないね。そのせいで音に反応した気持ち悪い奴が降りてきたよ」
アポロンが申し訳なさそうな顔をしていると朱里が
「多分起きるまでドアは開かないみたいなので倒れてる時には襲われないと思います。そこから考えるに起きてからゲームに参加させられているようなので恐らくこの状況を楽しんでいる人が居るんじゃないでしょうか」
と話を逸らした。メリーもさっき見つけたラノベみたいなタイトルの本を出してみんなに見せた。
「あと本を探していたらこれも出てきました」
と先程のチェキを見せた。朱里と夢花も不思議そうな顔をしながらなんだか見たことあるような無いようなと呟いた。
「とりあえず本を見る限りまだ少し空欄があるので巻き込まれた人か巻き込まれる人がいるかもしれないです。地図を見たら3階は塗りつぶされていましたし危険かもしれないので注意して進んだ方が良さそうです」
と言えばアポロンが
「この校舎3階建てなのかな?別棟とか屋上はあるのかな...」
と呟いた。確かに3階までの地図だったがここだけが校舎とは限らない。もし他の校舎もあるならそちらも確認しなくてはいけないだろう。最初に見たように外は赤い月だけがあるようにしか見えないがそれどころではなかったためそこしか見ていないが見て回る必要がありそうだ。
「まぁ、とりあえずここは安全圏って書いてあったし何かあれば一応ここに集まるようにするか。ただここが本当に安全なのかの保証は出来ねぇから気は抜くなよ」
アガレスの言葉にみんな頷き今後の話をすることにした。