地下は暗闇につき
本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。
「あれ?咲夜〜まだお昼には早いよーって…なんだ、咲夜じゃないのか」
「久しぶりね、フラン」
霊夢と話をしているのは、フランドール・スカーレット。レミリアの妹である。今霊夢はフランの部屋である地下室にいる。
「何その格好w霊夢そういう趣味あったっけ?」
「ないわよ。仕方なくやってるだけよ」(今霊夢はメイド服を着ている。「紅魔の陰謀『一生に一度のお願い』参照))
「こんなところに何か用があるの?」
「…レミリアが久しぶりだから話でもしてきなさいって」
「嘘が下手ねえ。姉様がそんなこと言うわけないじゃない」
「…」
「どうせ咲夜の指示が厳しすぎていやになっちゃったとかじゃない?」
「それもあるわね…」
「でしょう?まあ確かに最近なんにもなくて退屈してたから丁度いいわ。あなたは最近色々大変だったのでしょう?聞かせて、霊夢」
「わかったわ」
霊夢は話し始めた。魔理沙との喧嘩の(作り)話。永遠亭に担ぎこまれたこと。神社の消滅。莫大な修理費の請求。レミリアとの交渉。話しながら改めて霊夢はここ最近の自身の大変さをしみじみ感じた。(ちなみに魔理沙が神社の破壊の犯人だったと聞いた時、フランは目を輝かせながら神社は壊していいものなのかと聞いたので全力で否定した)
「さて、そろそろ戻らないと咲夜に見つかって怒られそうだから戻るわ」
「えー、もっと聞きたいー。霊夢のケチー」
「そうは言ってもねえ…私は美鈴ほどは頑丈じゃないし…」
「そっかあ…じゃあまたね…」
「またね…ってあ、一つ聞きたいことがあったんだけどいい?」
「何?」
「パチュリーが最近開発したとかいう泥棒対策の魔道具って監視しかできないカスって魔理沙が言ってたんだけどあれほんと?」
「んーまあ確かにそうだけど…その代わり紅魔館のどんなところでも見られるし、全部記録してるって言ってたよ。プライバシーは配慮してるらしいけど」
「やっぱり…あのパチュリーが作ったものだもんね。ありがとう」
「?…どういたしまして」
霊夢はフランの部屋を後にした。
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「ふっふっふ。この霧雨魔理沙様をこき使おうなんざ百年早いぜ。むしろ災い転じて福となす!魔法研究が進むってもんだ!」
魔理沙がいるのは紅魔館地下の大図書館。ここには魔法に関する本がたくさんあり、魔理沙はしょっちゅう借りに来ていた。ちなみに返したことはない。本人曰く「死ぬまで借りるだけ」だそうである。
(あの陽炎とかいうやつに勝つためにも頑張らないとな!)
闘志いっぱいである。いいことではある。ただそのベクトル方向が倫理的に多少ずれている。
「えーっと…これとこれと…あーこれも欲しいな…よし、一旦これを私の家に…
「何してるのかしら?」
「うわあ!パチュリー!」
現れたのはパチュリー。図書館の館長である。
「こんなやつをメイドに雇うなんてレミィは何考えてるのかしら!全くいつも以上に気を遣うことになったじゃない!」
「雇うって言っても無給だぜ!無給!ちょっとぐらいお小遣いがほしいんだから魔導書の1冊や2冊、見逃してくれよな!」
「ムッキュー!大体あんたは日頃から魔導書を盗みすぎなのよ!今まで盗んでいった本全部返しなさい!あ、逃げるな!」
逃げる魔理沙、追いかけるパチュリー。図書館を出ても追いかけっこは続くようだ。
「やれやれ…魔理沙さんいつになったら返してくれるんでしょうか…」
そうぼやくのはパチュリーの使い魔のこあ。
「けれど、パチュリー様が一番生き生きしてるのって魔理沙さんを追いかけてる時なんですよね…うーん、難しいところです」
本の整理をしながら独り言を言う。
急にゴトッと音が聞こえた。
「んー?もう魔理沙さんが戻って来たのかな?」
音のする方へ近づくこあ。
「あ、なーんだ、霊夢さんですか。そういえばさっきパチュリー様が紅茶が欲しいと
「ごめん」
次の瞬間、こあは首筋に重く痛い感触を感じた後、意識を失った。
【フランドール・スカーレット】種族:吸血鬼 能力:ありとあらゆるものを破壊する程度の能力
レミリアの妹。地下に引きこもっている。上品さと幼さと破壊衝動を兼ね備えている少女である。
東方Project人気投票2022優勝おめでとう。
【パチュリー・ノーレッジ】種族:魔法使い 能力:魔法を使う程度の能力
紅魔館地下の大図書館の館長。レミリアの親友。本を読んで引きこもっている。
【こあ】種族:妖怪 能力:魔法を使う程度の能力
図書館の司書。パチュリーの使い魔。パチュリーを真面目に慕っている。
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