盗聴ノススメ
本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。
「なぜです?!」
咲夜はレミリアに憤りながら尋ねた。
「護衛はいらないって…首脳会議ですよ!幻想郷の最強戦力が一同に会するんです!そのことがどういうことかわかっているんですか?!」
「今回の議題は博麗の巫女の離反についてだけ…恐らく問題ないでしょう」
「だからこそです!」
咲夜は反駁する。
「私は霊夢に力を貸している!そのことで追求されるかも…下手したら消されるかもしれないんですよ!」
「私は消されるほど弱くない。それに他にやることがあるだろう」
「他にやることなんて…!」
レミリアは椅子から立ち上がり、咲夜の前まで歩いていった。
「とにかく、会議には私一人で行く。これは命令よ、咲夜。支度しなさい」
「…はい」
しぶしぶ従う咲夜。
「あ、そうそう」
レミリアがそのまま部屋を出ようとしたのを止めて言った。
「会議は大官邸でやるらしいが、運命を見ると一番西の会議室を使うようよ」
「え?」
咲夜がレミリアの方を振り向く。
「私はただ伝えただけよ?これをどう使うかはあなた次第。さて、早く支度を…」
レミリアが咲夜に微笑みかけようとしたのだがー
机の上には必要な物が全て入っている豪華なレミリアのバック、床には洒落た靴、化粧台には化粧具一式、開け放たれたクローゼットには華奢な服が用意されていた。そして、咲夜はいなくなっていた。
「やれやれ…今からシャワーを浴びるんだからここまで急がなくていいのに…」
レミリアはゆっくりとドアを閉じた。
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「うん…理由はわかったわよ…でも…」
霊夢がぼやく。
「ここまでしてやることなの?!」
霊夢達は今大官邸の一番西の部屋、その通風管の中に3人仲良くいる。ちょうど十字路になったところに部屋の中が見える通風口があったのでそこに頭を突き合わせている。
「こうでもしないとこれから紫様が何をするかなんてわからないでしょ?」
「そりゃそうかもしれないけど!こんな人一人入れるかどうかってとこにわざわざ入りに行く?物陰とかもっといいとこあったでしょ!」
「首脳会議ってお嬢様に何回かついて行って結構知ってるから言えるのだけど、警備は厳重よ。ここぐらいしか警備の薄いところはないの」
霊夢達は警備の薄い東の部屋についてある換気扇を外し、そこから迷路のようなダクトを通ってここまでやってきたというわけだ。もうすぐ首脳会議が始まるようで下の様子が賑やかになっているのがわかる。
「そうだぞ、霊夢…うーん、にしてもわからない…」
「あんた、テキトーにしか人の話聞いてないでしょ、今」
「いやー、なんか引っかかるんだよなあ…このにとりの暗号文…」
魔理沙が持っているのはにとりから渡されたという謎のカードだ。(「博麗の巫女の離反」参照)
「そんなの、後でいいでしょ。しまいなさいよ」
「そうだな、今は目の前のことに集中するとするか!」
魔理沙がポケットにカードをしまったその時だった。
「おーい!ここで何してんだー?」
霊夢の後ろから声が聞こえた。
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