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全ては幻想郷のために  作者: ニャーゴ
沈黙の白玉楼
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博麗の巫女の離反

本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。

「結局、倉庫の中はわからずじまいだったな…」


魔理沙が縁側で足をぶらぶらさせていた。


あの後、障子紙を持ってかれた霊夢達は西行妖の封印を解くことが出来ずに諦めて博麗神社に戻って来ていた。


「流石に西行妖の封印解除法なんて人には教えられないし、陽炎とも関係ないしね…」


咲夜はちゃぶ台に頬杖をつく。霊夢は茶を入れる。まるでさっきの構図だ。


「霊夢、本当によかったのか?紫と手を切ることになって…」


「紫とはいつか赤の他人として…敵として接しなければ分からないことがあると思ってた」


「敵として…また敵を作るのか?陽炎っていう敵がいるのに…」


「ま、私だけじゃとてもやってられないでしょうね」


「じゃあ…」


「でも」


霊夢は咲夜と魔理沙の肩をガッと抱き寄せる。


「今はあんた達がいるからね」


「急になんだよ…照れるなあ」


「咲夜の言ってた仲間ってやつよ」


「仲間ねえ…そういう言われるのも悪くないわね」


「言った側が何言ってんのよ」


「仲睦まじいところ恐れ入るのだけど…もう少し静かにしてくれない?」


奥の方で寝ているアリス。怪我の手当ては文とアリスの人形がやっている。


「災難だったわね、アリス」


「とばっちりもいいとこよ、ほんとに…白玉楼の問題なのに近くに住んでるってだけでなんで紫に操られなきゃならないのよ…」


アリスは家にいたところを紫に襲われて結界の番人にされたらしい。


「引きこもってばっかりだからだぜ。ちっとは文みたいに動いたらどうだ?」


「お、私を見習ってくれるのですか?文屋冥利につきますねえ」


「誰も見習うなんて言ってないわよ」


「アリスさん、辛口ですねえ」


新聞屋の文が話に割って入ってきた。


「いやー、まさか白玉楼まで襲撃されるとは思いませんでしたよ!てっきりまた異変を起こすのかと思って半分くらい記事を書いていたのに」


「憶測と捏造で名高い文文丸新聞だもんな。さすがだ、文」


「それほどでも…って褒めてませんよね?!」


「多分褒めてるわよ。新聞は紅魔館でもありがたく使わせてもらってるわ」


「あ、ご購読頂きありがとうございま…使う?!」


「靴が雨で濡れた時とか」


「読んでくださいよお!」


「にしても、河童の頼みで来るって…天狗のプライドとかが許さないんじゃないの?河童と天狗ってあんまり仲良くないんでしょ?」


「霊夢さん関係ならプライドは関係ないですよ…なんせネタの宝庫ですもん!」


「文屋魂炸裂中ってとこだな」


「ああ、それとこれも渡しといてくれってにとりの研究所の玄関に置いてました」


「門前払いくらってるじゃねーか」


文がカードのようなものを霊夢に渡す。


「何何?『ト8Uコ』…何コレ?」


「控えめに言って私にもわかりません」


「どこが控えめだよ」


「イタズラかしら?」


「さあ…」


「あの…むしろさっきよりうるさいんだけど…イテテ」


「あ、ゴメン」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「例の物の完成は?」


「あと3日と聞いておりますが…」


「ゆめゆめ監視を怠るなよ」


「わかっております。部下にはもう重々言い聞かせておりますゆえ」


陽炎と部下の鬼の面が机のところで話をしている。


他の部下も集結しているようだ。


「さて…今日伝えたいことというのはな」


陽炎は咳払いを一つする。


「今日白玉楼で襲撃があった」


陽炎が重々しく言った。部下達がざわめく。


「我々のうち誰かに命令を?」


鬼の面が尋ねた。


「我は命令は下しておらん。お前たちの抜け駆けかと思ったのだが…どうもそうでもないようだな」


部下の面の様子を見ながら陽炎はため息をついた。


「一体だれが…」


「門前にこんなものがあったのですが…」


天狗の面が手紙のようなものを差し出した。


「差し出し人は?」


「それが『白玉楼襲撃者』とだけ…」


「何だと?!ふむ…」


手紙を開ける。


「…ふん。なるほど…ハハハ」


手紙を閉じる。


「どんな内容だったので?」


ピエロの面が尋ねる。


「この我に命令しよったわ。なかなか骨のあるやつよのう」


「なんと…」


「我が天空派に入ってやらんこともないから自ら動いて欲しい?…ハハハ。身の程知らずが!」


机を思いっきり叩く。


「どうします?探して消しましょうか?」


鬼の面が言う。


「いや、いい。計画もこのまま続行だ。結果としてはむしろやりやすくはなっていくだろう。ただ…」


「ただ…?」


「この手紙通り差し出し人と会った暁には身の振り方を教育してやる…フッフッ…」


陽炎のガスマスクが黒く光った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『博麗の巫女が我々首脳から離反した。そのことに関して至急首脳会議を開催したいため、明日、私の居城、大官邸に集まって頂きたい。 八雲紫』


八雲紫の九尾の狐の式神の八雲藍がそのことが書かれてある招待状を作っていた。


「まさかこんなことになるなんてなあ…霊夢」


藍がため息混じりにそう呟いた。

来週、第1〜3章の改稿を行う予定です。よろしくお願いします。

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