作戦失敗?!
本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。
「魔操『グランギニョル座の怪人』」
アリスが放射状に弾幕を放ちつつ霊夢達に集中砲火を加える。
「夢境『二重大結界』!」
霊夢が結界で魔理沙達を守ろうとしたがー
「…しまった!」
咲夜が結界の外に出てしまっていた。
「咲夜ーっ!」
アリスが結界の外にいる咲夜を確認し、集中砲火を加えようとする。
(今この集中砲火を避けてもこの恐らく次の集中砲火で決めにくる…)
咲夜はそう感じた。
(そこで私は倒れる。…はは、まだこれからだというのにまさか紫様の能力で強化されたアリスが出てくるなんてね…)
周りの景色がゆっくりに、そして暗く見える。死の直前は注意力が研ぎ澄まされるのだろうか。
(そうだ、まだこれからだ)
霊夢達の方を見る。霊夢と魔理沙が必死に何かを叫んでいる。咲夜はそれに少し微笑んだ。
(ここで倒れても、先に進んでくれる仲間がいる。きっと霊夢達なら白玉楼の秘密を明かしてくれる!)
アリスの方を凝視する。
(そのためにせめて私ができることをしよう!)
ナイフを握り締める。
「傷魂『ソウルスカルプチュア』!」
咲夜が自身の時を加速させて一気に近づく。そしてアリスを切りまくった。
「キャッ…」
いいダメージが入ったらしく弾幕を打つのをやめて下がるアリス。
「ナイス、咲夜!」
結界から霊夢が飛び出す。
「偶然かもしれないけど、今ので突破方法がわかった!」
「え?」
「接近戦よ!元からそうだったけどアリスは接近戦に弱い!」
(そうか!)
魔理沙も気づいた。
(アリスは人形術師である以上人形操作で手いっぱい…だから本体そのものが弱点なんだ。しかも紫の能力で強化されてスキマを使えるようになっているといってもあの小ささじゃあとても攻撃を凌ぎきれない…さらに今のアリスは操られているから避けようともしない!)
「よーし!じゃあ私も行かせてもらうぜ!彗星『ブレイジングスター…
「神技『天覇風神脚』!」
霊夢が連続でアリスに蹴りを入れる。地面に一気に叩きつけられるアリス。
「夢符『封魔陣』!」
アリスの周りが青い結界に包まれる。
「終わりよ、アリス」
霊夢が札を掲げる。
「霊夢…」
「何?」
「…ありがとう」
アリスがまた悲しく微笑む。
「…どうも」
次の瞬間、結界が光に包まれた。
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「霊夢ー、せっかく私が撃とうとしたのに邪魔しないでくれよ」
「あー?先に撃たないのが悪いんでしょ」
「まあまあ、結局倒せたんだしいいでしょ…」
「…咲夜、あの突撃はとてもいい判断だったぜ。あれがなきゃ多分ここで3人枕並べて討死してた」
「ん?ここで夜営するつもりだったの?」
「ちげーよ。比喩だよ、比喩!もう!」
まだ意識はもうないが微かに息のあるアリスを横にならせて、霊夢達は休憩している。
「にしても…紫のやつここまでするとはなあ…」
「幻想郷のためっておっしゃってたけど、ねえ…」
「紫は幻想郷のためなら平気で神社を取り壊すようなやつだけど…また後で考えさせてもらうわ」
「後でって?」
「今はやるべきことがあるでしょ」
霊夢が空を指差す。
「白玉楼に向かいましょ」
「そうだな」
霊夢達が空へと飛んでいく。
その時アリスが薄く目を開いた。
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「こ、これは…」
霊夢達の前に大きな扉のようなものがあった。
「結界ね、冥界と現世を分ける幽明結界。前の春雪異変で弱体化してたはずだったのだけど…前よりも強化されてるわね」
咲夜が扉に近づく。するとー
バチバチッ!
「痛ーっ!何これ?!」
「生者の侵入を完全に拒否してるわね。道理で文屋があんまり情報を持ってないわけね…恐らくここで引き上げたのでしょう」
「じゃあ、どうするのさ!」
「私はこの結界を緩めることはできない。管理者じゃないからね。無理にやったら完全に壊してしまう。つまり…どうしようもない…」
霊夢はため息をついた。
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