運命の歯車は止まらない
本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。
あれから一週間後ー
博麗神社は完成し、霊夢は神社に戻っていた。
「邪魔するぜ」
「邪魔させてもらうわ」
魔理沙と咲夜が入ってきた。
「いらっしゃい。茶は用意してるわ」
「珍しいな。明日は大雨が降りそうだ」
「横殴りの札の雨を今降らせてやろうか?」
「明日は晴れよ、パチュリー様がそう言ってたわ」
「「そういう意味じゃないんだよ!」」
咲夜は案外天然なところがあるらしい。不思議そうに霊夢と魔理沙の方を見ている。
「…さて、今日集まってもらったのは何でか分かってるわよね」
「ああ、例の陽炎とかいうやつをぶっ倒すためだろ」
「そう、そこで今回の異変には咲夜に協力してもらいたいの。いいかしら?」
「呼ばれた以上、わかってるわ」
「とはいえ咲夜。いくら時を止めても、相手は霊夢が太刀打ち出来ないレベルの瞬間移動の使い手だ。気は抜くなよ」
「お嬢様からも忠告は既にいただいているわ。…ところで何か目星のようなものは掴んでるの?」
「あまりないけどわかったこともあるわ」
「どんなことなんだぜ?」
「一つ目は陽炎を頭とする謎の集団…あいつら博麗神社に恨みを抱いていたみたい。少なくとも神社の『鏡』に関することでね」
「どうして?」
「ただ盗むだけなら鏡より高価なものなら祠にいっぱいある。それを度外視して部下は鏡を探しに行った。おそらく陽炎が私達と戦ったのはただの時間稼ぎね。殺すつもりならトドメを刺したでしょう」
「なるほどな…二つ目は?」
「あいつらは相当長く生きてる。少なくとも人間じゃない」
「何で?」
「あの瞬間移動は『亡き部下の術式』って言ったわ。死んだ部下がいるってことは相当長く組織が存在したってことよ。」
「うーん…『亡き部下の術式』ねえ…」
魔理沙が唸る。
「ともかく、陽炎は幻想郷を支配するつもりよ。絶対に認められない。首脳会議が開催されたら反逆者レベル5〈レブル〉に認定されるのは間違いないわね」
「おう!ぶっ飛ばしてやろうぜ!」
「お嬢様のご期待に応えるためにも精一杯やらせてもらうわ。情報収集なら任せて。…ところで茶菓子は?お茶ばっかりじゃ飽きたのだけど…」
「メイドなんだから辛抱しなさい!当分の間わたしゃ雑草生活なのよ!」
「私はキノコ生活だぜ…」
「…やれやれ。今から紅魔館に来ない?簡単な食事なら作れるわよ」
「「やった!!」」
勢いよく飛び出す霊夢と魔理沙。やれやれという感じで追いかける咲夜。それを後ろで眺めている奴がいた。
ー紫だ。スキマという空間の境目から霊夢を覗いていた。
(レミリアがもう博麗神社襲撃事件の真相を掴んでいたとは…)
紫は頭を抱える。
(奴らー『天空派』の情報をこれ以上出させてはならない。霊夢ーいや、幻想郷を守るためにも、この件は私1人で処理しなければならない…)
スキマがゆっくりと閉じる。
(全ては幻想郷のために…!)
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「どうやら博麗の巫女にあの時止めのメイドが付いたようだ」
薄暗い部屋の中、長細い机を前にして玉座に座る陽炎がそう言った。
「あの時止めですか…少し厄介になりましたね」
鬼の面を被った部下が言った。
「冥土に送ってやろう、メイドだけに…ククッ」
ピエロの面を被った部下が面白くもないダジャレを言う。
「面白くないぞ、お前が先に冥土に行くが良い」
天狗の仮面を被った奴が言う。よく言った。
「安心しろ、お前達」
天空派のシンボルマークである大方位陣をバックに陽炎が言う。
「奴は所詮、下位互換だ」
霊夢 「ニャーゴ、ついに作品にいいねを押してくれた人が出てきたわ」
ニャーゴ「やったー!ついに報われる時が…」
霊夢 「あんたの愚痴エッセーの方だけどね」
ニャーゴ「なあんですと!」シューン
霊夢 「あ、拗ねちゃった…やれやれ。これを読んで興味を持って頂けたらブックマーク、いいねを押してくださるとニャーゴの機嫌が直ります。エッセーの方も読んで頂けると嬉しいです。それではまた明日!」
第2章「紅魔の陰謀」完!