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全ては幻想郷のために  作者: ニャーゴ
紅魔の陰謀
11/32

あの時の笑顔はどこへ

本作品は『東方project』の二次創作です。原作に作者の発想、解釈を加えたものになります。その点ご了承ください。

「奇術『エターナルミーク』!」


咲夜が一斉にナイフをばら撒く。


巧みにかわす霊夢。


避けきったと同時に右手に持っていた札を高く掲げ、床に下ろす。そしてー


「夢符『封魔陣』!」


台所が色々破壊されながら青い結界に包まれる。


「クソがっ!」


攻撃を喰らいながらなんとか脱出する咲夜。


「ねえ、霊夢!あなた本当に私がやったと思ってるの?!そもそもあれは魔理沙との喧嘩じゃなかったの?!」


「しらばっくれても無駄よ!宝符『陰陽宝玉』!」


陰陽玉が膨張しながら咲夜の方に迫ってくる。


「霊夢…あまりあなた相手には使いたくなかったけど…いくわよ!幻世『ザ・ワールド』!」


その時、時が止まった。


(私は金髪じゃなくて銀髪だから、生物に4メートルより近づくと時が動き出してしまう。だけど…)


咲夜がナイフを構える。


(ナイフならもっと近づいてくれる!)


止まった霊夢にナイフを投げ込み、その周りにもナイフをばら撒く。霊夢の前で動かなくなる。


(そして時は動き出す!)


すると、止まっていたナイフが霊夢めがけて動き出した。


「うわっ!」


大幣ではたき落とす霊夢。


「マジかよ…」


咲夜は驚く。霊夢は当たるはずだった全てのナイフをはたき落としてしまったのだ。


「やっぱり瞬間移動してるじゃない」


そっけなく言う霊夢。


「一層容疑が濃厚になったわね」


霊夢が次のスペルカードを発動させようとした瞬間…


「大丈夫ですか!咲夜さん!」


門番の美鈴が突っ込んできた。


「美鈴…!」


「全然昼食の呼び出しが来ないので心配して来てみたらこんなことになっていたとは…霊夢さん!今あなたが何やってるのか分かってますか!」


(来た理由、昼食なのね…)


咲夜は少しがっかりしたが、来てくれたことには嬉しく思う。


「私は全くの正気よ。むしろ、神社を襲撃した咲夜の方の正気を疑うわ」


「襲撃…?神社では喧嘩があったとは聞いてますが…あれ、襲撃だったのですか?」


「…そうよ。喧嘩っていうのは完全に嘘。実際は襲撃だったのよ」


「そうだったんですか…。それで犯人が咲夜さんだという理由は?」


「襲撃があった10日前の昼過ぎ、咲夜が紅魔館を出ていた。そして襲撃者は瞬間移動を使っていた。…もういいでしょ。これ以上私の手を煩わせないで」


ずいっと前に出ようとする霊夢。押しとどめる美鈴。


「咲夜さんが紅魔館が出ていたからって、襲撃の犯人とするには早計にも程があるでしょう!それに幻想郷には色んなやつがいる!1人や2人瞬間移動が使えるやつがいてもおかしくないはずです!」


「それでも容疑は消えないわ」


「じゃあ、あの笑顔はなんだったんですか!」


「…何?」


「あなたは咲夜さんが人間だって聞いた時、嬉しそうでした。恐らくあなたと似ているところが多かったからでしょう。そして異変が起こった時に咲夜さんを連れ出してくれた。大丈夫よって言って、戸惑ってる咲夜さんを引っ張るあなたの笑顔…これで咲夜さんが幻想郷の人間に馴染んでくれるって心から思えたのはその時でした。…霊夢さん。もう一度聞きますよ。本当に咲夜さんがやったんだと思ってるんですか!?」


「…本当は違うのかもしれない。」


「だったら!」


「でも」


霊夢は大幣を握りしめる。


「容疑が晴れない以上、私には倒さないという選択肢はない。…例えかつての仲間だったとしてもね。疑わしきは罰せよ。…これが博麗の巫女の在り方なのよ!『昇天脚』!」


霊夢が凄まじい蹴りを美鈴に入れた…ように見えた。


「私は太極拳の達人!あんまり体術で舐めないことですね!気符『地龍天龍脚』!」


美鈴はギリギリで躱し、床を思いっきり踏み込む。その振動で霊夢が浮き上がる。そこを飛び蹴りで追撃した。


ぶっ飛ばされる霊夢。だがー


「かかったわね、美鈴!『常置陣』!」


「なっ!」


美鈴が着地した床から黄色い結界が出現する。


「地雷式か!」


ダメージを負いながら体勢を立て直そうとする美鈴。


そこを霊夢が見逃すはずがなくー


「霊符『夢想封印・円』!」


美鈴に色とりどりの大きい光弾が襲い掛かる。


(流石に…これは避けきれない…!)


「美鈴!」


咲夜の叫びも虚しく、美鈴は弾幕をくらってしまった。

今日は早めに書き上げられたので早めに出します。

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