何が正解なのかわかりません!
色々思い浮かべては書いてます。
読んでもらえたら嬉しいです。
「ちょっとぉぉぉぉぉぉ!!何回目よ!」
緩くウェーブのかかった肩までの金髪、深い碧色の目をした少女が叫ぶ。
「5回目?かな。」
黒髪にアイスブルーの目の少年が楽しそうに答える。
「そう言う事を聞いてるのではありませんわ!どうして毎回この日に戻るのかと憤っておりますのよ!ああ、今回は何が間違ってたの?」
「そうなんだよねぇ。何を間違えたのかな。私達は。」
コーラル国の第一王子、ハロルド殿下と私、レード侯爵家の長女ジュリアは8歳と7歳で婚約する。
そして、10年後の殿下の魔法学園卒業の日に、殿下と初めて会った王宮のバラ園に戻される。
「殿下、もう私を婚約者に選ばないようにしてくださいませ!殿下と一緒にいるから何回もこんな事になっているのではなくて!!」
と、殿下に詰め寄ると、殿下は困ったように、
「そんな事言ったって、婚約を決めるのは父王と君の父上だ。ジュリアは私が嫌いなのかい?」
などと微笑みながらのたまう。
「貴族の結婚は好き嫌いでする物ではございません!!」
と若干睨みながら言うと、殿下は困ったように目を伏せ、フゥっとため息を吐く。
(こいつ…!!)いい加減、イライラするので帰ろう。
「殿下、そろそろ私にも考えがございます!邪魔されませんようお願いいたしますわ!では、失礼させていただきます。」
挨拶もせず、クルっと踵を返すとスタスタとバラ園を後にする。
正式に婚約者に決まるまでに、まだ半年あるのだ。
今度は、殿下とは違う人との婚約をお母様に決めてもらうのだわ!
お父様に強いお母様なら何とか出来るハズ!
私は次こそあの先の時間へ進むのよ!
「ふふ、怒ってる小さいジュリアは、猫みたいで可愛いなぁ。」
学園の卒業式の日、なぜか初めて会った日のジュリアに会いたくて、国宝の砂時計のような魔道具を持ち出した。
すぐに元の時間に戻れると思ったんだけどそれは出来なかった。
まさか、ジュリアも記憶を持ったままだとは思わなかった。
3度目にジュリアから過去を繰り返していると相談され、2人で協力してループを回避する方法とかを考えた。それが楽しすぎて、また戻してしまった。
今日のあの様子では、私ではない婚約者を探すつもりなんだろう。
「ダメだよジュリア。君は私だけのものだ。誰にも譲らない。」
そうか。君ともう50年以上も一緒にいるのか。
そろそろ私も覚悟を決めるかな。
間抜けな王子がこっぴどい目に会うお話や、腹黒王子が大好物です。