修行編 1話
「んん……あぁ」
目が覚めて上を見上げると、木々を通して光を直視した。
「森……?何が起こったんだ?」
辺りを見渡すと、木々が生い茂っている、地面には枝や木の実が落ちている。
良く分からない獣道のど真ん中で寝転がっている状態だ。
「なんだこれ……?俺は確か……」
目覚める前の記憶を振り絞っていく、事故に合って死を覚悟したところまでを思い出した。
「ここはどこだ?俺は一体……?」
「グルォォォォ!!」
そんな中、獣の鳴き声が聞こえた。
鳴き声と言うより遠吠えだろうか?
そして、その声は直感で危険だと感じた。
「狼か!?待て待て待て!ここは一体!?」
俺が慌てふためいていると、後ろから大きな狼が現れた。
体長5メートルほどで、金と白の毛皮を見に纏っている。
「……っ!?」
(なんだこの狼!地球にこんなのいたっけ!?)
そしてその狼は、獲物を見つけたかのような鋭い目付きで俺に襲いかかってきた。
「グルォォォォ!!」
「うわぁぁ!?助けてくれ!!」
四つん這いで逃げた、幸い辺りに木々が乱立しているおかげで、上手く逃げれそうだ。
小さい隙間を練って走る。
すると、狼の爪から衝撃波のようなものが飛んで来た。
それは木々を切り裂いて辺りをまっさらに変えた。
「危ねえ……!死ぬ!誰かっ!」
間一髪で真っ二つになるのを避けた俺は、森の奥深くへと進んでいく。
狼はこちらへは来れなさそうだが、後ろから衝撃波を放ってくる。