黒い読み聞かせ③「ブチ切れる青筋アゲハ」
あるところに
モンシロチョウがいました。
お花にとまって蜜を吸っていました。
そこへ
アオスジ(青筋)アゲハがやってきました。
モンシロチョウは、迷惑そうに
「ちょっ。ここは今、ボクが蜜を吸ってるんだけど。
君は、別のお花を探してくんないかな~」
それを聞いた、
アオスジアゲハの血管が、ブチ切れました。
「てめ、タメぐちきいてんじゃねえよ。あ?
おらおら。さっさと、向こう行きな。
ん?
てか。てめ、モンシロチョウじゃね?
ぷっ、紋付なの? バカなの? 死ぬの?
くくっ。
モンシロチョウ、じゃなくて
もう死ねチョウ、ってか?」
モンシロチョウは
ガクブル、涙目になりました。
「わ、わかりました。行きますよ~
そ、そんなに青筋立てて
怒らなくてもいいじゃないですかぁ」
おなかの空いていた、モンシロチョウは、
あきらめて、ヒラヒラと逃げていきました。
アオスジアゲハは、
「他人の不幸は蜜の味、ってか?」
勝ち誇ったように笑いました。
アオスジアゲハは、
そうやって、来る日も来る日もブチ切れて、
いろんなところで、管を巻きながら
おなかいっぱい、蜜を吸いました、とさ。
めでたし、めでたし。
(了)
最初から青筋立ててるんだもん。
そりゃあ怖ええよ。ʕ-ܫ-;ʔ
「黒い読み聞かせ」シリーズ
①虐げられたシイタケ
②微塵も反省しないミジンコ
③ブチきれる青筋アゲハ
以後、どんどん続きます。お子様への読み聞かせにどうぞ。