豹変
なんか区切りがつかず長くなりました。
このくらいの長さで書いていきたいですね。
それから三週間が過ぎた。
カイン達と一緒に村人達の手助けや村から出て魔物退治などをした。
そこで気付いたのだが、私は魔物の気配や魔力の流れを感じ取ることが出来るらしい。
他にも村の中だけの生活では気付かなかった事が沢山あったのでとてもいい経験になった。
「三週間、アリサには世話になったね。ありがとう。俺達は今日中にこの村から出るよ。」
「え。もう出ていかれるんですか?まぁ、ここに長居するわけにもいきませんしね・・・分かりました。」
突然の事だったので少し驚いたが、よく考えてみると当たり前かと思った。
彼らは勇者で、魔王討伐のために旅をしているのだ。
カインともう会えなくなってしまうかもしれない。
そう思うと胸が苦しくなった。
私はもっとカイン達。
いや、カインと一緒に居たくなった。
「カインさん。私も連れて行ってくれませんか?」
私はダメもとでカインに聞いた。
「すまない。それは出来ない。」
「そうですか・・・」
私はダメな理由は聞かなかった。
「ところでアリサ。ちょっと着いてきてくれないか?」
「え・・・あ、はい。」
カインはくるりと私に背を向け森の方向へスタスタと歩いて行った。
私は慌てて彼のあとをついて行く。
森の奥深くまで入っていき少し怖くなったところでカインが止まった。
ここが目的地かと思って周りを見るとダリルとジルがいた。
「連れてきたぞ。」
「待ってたぜ。」
「ここならバレる心配は無いな。」
何の話をしているのか私には分からなかった。
「おい、この嬢ちゃん。これから何をされるか分からないって顔してるぜ?」
「そりゃそうだろ。こんな何も無い村で過ごしてんだからな。」
カインはそういうと、今までの爽やかな笑みと違い下品な笑みを浮かべた。
「さあ、これから俺達と気持ちよくなろうぜ。」
私に待っていたのは蹂躙と屈辱だった。
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それからどれくらいの時間が経ったのかは分からない。
私は森の奥深くに一人置き去りにされている。
あの三人は、私を犯した後すぐに行ってしまった。
全身に力が入らない。
私は悔しくて堪らなかった。
その時、私の心に暗くそして黒い感情がふつふつと湧き上がってきた。
そして、それは少しずつ私の心を蝕んでいった。
なぜ私はこんな仕打ちを受けた?
私はみんなのために、役に立とうと頑張っているだけなのに・・・
私は何か悪い事した?
私があいつらを信じたのが間違いだったんだ。
全部あいつらが悪い。
私は悪くない。
決めた、あいつらに復讐してやる。
絶対に許さない。
そう誓った時、私の体に変化が起きた。
ドクンッと心臓が跳ねた。
そしてすぐに全身に激しい痛みが生じた。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
私はこの痛みに耐えるしかなかった。
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結局、私は痛みに耐えられず気を失ったらしい。
目を覚ますと普段とは違う違和感を感じた。
その違和感はすぐに見つかった。
私の体から黒いオーラの様なものが出ていたのだ。
私は、魔物退治の時に覚えた魔力操作でオーラを体の内側に抑えることに成功した。
さらに、今さっきまでの気だるさや苦痛が嘘のように無くなり力がみなぎってくる。
そして私は呟いた。
「クフフッ。絶対にあいつらを許さない。」