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聖女様
「聖女様!うちの子の様子がおかしいんです!」
子供を抱えた女性が私にそう言ってきた。
子供の方を見てみると爪や顔が青白くなっていて呼吸をするのもとても辛そうだった。
私は子供の頭に手を当てた。
そして念じると、私の手が白く光った。
しばらくして、白い光が消えると先程まで辛そうだった子供は気持ちよさそうに女性の腕で眠っていた。
「もうこれで大丈夫ですよ。」
私が笑顔でそういうと、女性はお礼を言って帰っていった。
「流石、我々の聖女様だ・・・」
「やっぱり聖女様は神々から遣わされて来た天使なのね。」
村の人々が次々に私を褒めてくれた。
私はそれだけで胸がいっぱいになり、他には何もいらなかった。