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第24話_オリジナル魔法「ココ掘れ、にゃんわん♪」は必要ないっぽい

グローリーと水辺に移動すると、水に足を浸けて賑やかに会話をしている猫娘達の声が聞こえて来る。浅瀬でぱちゃぱちゃ遊んでいる娘もいれば、太ももまで水に浸かるところで魚を探している娘もいる。


「にゃんか足の裏がポカポカするにゃ」

「ここら辺、ちょっと空気が暑いにゃ」

「とってもとっても気持ち良いにゃ~」

「でも、お湯がにゅるにゅるするにゃ」


好意的な娘が半分、戸惑っている娘が半分といった感じだろうか?

ちなみに、チュラカとシャントリエリとブルーアは、滝つぼに近い一番奥の岩の上に仲良く3人で座って足湯を楽しんでいる。


「ポカポカするにゃ♪」

「なんでヌルヌルするわふ?」

「昔から、ここはこういう場所なんだよ。ここのお湯に浸かると、怪我や打ち身の治りが早いから、あたいと側近だけの秘密の場所なんだ。――って、あるじとグローリーもこっちに来てくれよ♪ 滝がよく見える特等席だから!」

ズボンの裾を捲ってから、ブルーアに手招きされるままに、3人の座る岩の隅にお邪魔させてもらう。

水辺の岩は大雨の時に動くからだろうか? 境界線を引いたように、川原は苔むしてはいない。3人が座っている岩も、綺麗に乾いていた。


僕はブルーアの隣に、グローリーはチュラカ達を挟んで僕の反対側に座った。

ブルーアが言う通り、一番奥のこの場所は、滝が綺麗に見える。

「はぁ~、久しぶりの足湯は気持ちいいわぁ~♪」

グローリーがおばあちゃんみたいなことを言っているけれど、3日も歩き通したのだから、そんな声が出るのも仕方がないなと思う。

事実、僕のふくらはぎもじんわりと温められて、とても気持ちが良い。


猫娘や鬼角娘達が騒ぐ声をBGMに、ゆったりとした時間が流れていく。

岩の上で大人しくしていると、数匹の魚が近くを泳いでいくのが見えた。チュラカの耳と尻尾が反応していたけれど、水に濡れるのが嫌だったのか、飛びかかることはしないみたいだ。

他の猫娘達は……。

全裸で魚を追いかけている娘が、視界の端にちらほら見えているけれど――うん、グローリーの視線が怖いから、そっと目線を滝に固定する。

グローリーさん、僕はロリコンじゃありませんから。誤解しないように!!


 ◇


5分くらい経った後――ずっと続きそうな心地良い沈黙を崩したのは、おもむろに立ち上がったグローリー。グローリーは太ももが少し見えるまでズボンをたくし上げると、深い場所に歩いて行った。

ズボンが濡れないギリギリの場所まで行くと、グローリーは嬉しそうに微笑んで、僕に視線を送ってくる。


「アキラ、深いところも温かいよ♪ これなら、お風呂に出来る♪」

「そっか。それじゃ、早速、お風呂を楽しむ?」

「ん~、どうしよう? 誰かさんがいるから、暗くなるまで待とうかな?」

「覗いたりはしないよ。何だったら、岩場の外で待っているよ?」


僕の言葉に、グローリーが笑顔になる。

「そうしてもらえると嬉しいかも。でも、猫さん達もいるし――とりあえず、お昼ごはんにしない? 空腹でお風呂に入ると、のぼせちゃう可能性もあるから」

「了解。確かにお腹が空いたかも。――チュラカ、ブルーア、みんなを集めてお昼ごはんの準備をしよう」

「魚を捕るにゃ? チュラカは頑張るにゃよ?」

「ん~、これから捕っていたらチュラカ、熱中しちゃうでしょ? お昼ごはんを食べた後にしたら?」

「そうするにゃ(≡ω)b」


こうして――ご機嫌なチュラカ達と一緒にお昼ごはんを食べることになった。

猫娘達の何人かが鬼角娘と協力した結果、追い込み漁に成功して魚を捕まえていたみたいだったから、その分は焚き火で焼いて捕まえた娘が食べられるようにしてあげた。

複数捕まえていた娘から“献上品(焼き魚)”をもらって、チュラカやブルーアがご満悦だったのは言うまでもない。

事実、僕も1匹もらってグローリーとシャントリエリと分けて食べたけれど、ほくほくの白身がとても美味しかった。


魚はたくさんいるみたいだから、今日の夕食は魚料理にしようかな?

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