第六話
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昼食はクラスメイトと食べることも多くて、毎日楽しく過ごしていた。
愛子「そういえば、来週の日曜日の親睦会、楽しみだね!」
麻友「そうですね〜」
由紀「うんうん」
小山「女子だけで親睦会だっけ?いいなー」
来週の日曜日、クラスの女子全員で、親睦会をする。
芽依ちゃんが主催してくれた。
芽依「やほー!良いところでご飯食べてるね!混ぜてよー」
愛子「良いよ良いよー」
小山「げーー。」
(少し怖いって思っていたけど、本当は優しいのかな…)
桜が散った木の下で、他愛もない話をして、
こんな日がずっと続くって思ってた。
梅雨前。
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親睦会を明後日に控えた金曜日。
いつも通り、冬真と富田君と一緒に帰る。
下駄箱を開けて靴を取り出そうとする。
白いメモ紙が目に付いた。
『親睦会、土曜日に変更!来れたらで良いから来てね!』
銀太「お?また、ラブレター?」
由紀「ち、ちがうよ!」
冬真「また?またって何?」
珍しく、冬真が、低く鋭い声で聞いてきた。
私は少し竦んでしまった。
銀太「たしか……14。」
由紀「と、富田君!」
冬真「は?誰?」
(こ、怖い。確かに手紙は貰ったけど、みんな知らない人だったから…)
由紀「きっと間違えて入れちゃっただけ!」
冬真「間違えて14は多すぎじゃない?」
冬真は笑ってる。けど、笑ってない。
私は富田君に助けの手を求めた。
銀太「冬真、俺がそいつら殴っといたから!」
(え………!!)
冬真「そっか。」
(富田君…。でも、冬真、もう怖くない。本当は富田君に相談しただけで、断ったのは自分で手紙を書いたなんて言えない。)
冬真「なんて書いてあったの?」
私は白いメモ紙を冬真と富田君の前に出した。
冬真「急すぎな気がするけど」
銀太「たしかに…」
由紀「きっと、何かあったんだよ!」
(誰が書いてくれたんだろう?)
メモ紙には名前は書いていない。
冬真「明日も空いてるから、会場まで送っていくよ。」
銀太「俺も行くよ!」
由紀「ありがとう!」
少し冷たい空気。雨の匂い。傘をさして、家路に着いた。
(明日も雨になりそう。)
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