第五話
-------------
午後の風が吹いている。
(あったかい…)
楽しい昼食の事を思い出して少し、笑ってしまう。
我に返って黒板を見る。先生と目が合ってしまった。
先生「じゃあ、二ノ宮さん。これ解いてみて。」
私は席を立ち、黒板に書かれた問いの答えを導きだした。
先生「よくできました。」
小恥ずかしくて、顔を伏せて席に着いた。
背中に、トントンと振動を感じ、振り向く。
??「あのさ!今の問題教えてくれない?」
由紀「えっと、小山君?」
私はうる覚えな名前を告げてみる。
小山「そうそう!二ノ宮さんって頭良いんだね!」
褐色肌が目立つ男の子の名前は、小山 健人。
私の後ろの席で、話したのは2回目。
小山「でさ!さっきの問題、ここちょっと分からなくて、」
由紀「そこはね…」
周りにはいつも、冬真と富田君がいて、勉強なんて教える事はなかった。
(こうゆうの新鮮だな。)
「チッ」
声のする方向を見る、特になにもない。
(気のせい…かな?)
-------------
それから時も経って、クラスに仲の良い友達もできた。メガネが特徴的な佐々木 麻友と、ショートヘアの新田 愛子。
麻友「由紀ちゃん!今日はどこで食べます?」
由紀「外で食べる?」
愛子「いいね!最高!」
お弁当を持って席を立とうとした時、
小山「由紀ちゃん!ご飯一緒に食べない?」
由紀「2人ともいい?」
麻友「もちろんです!」
愛子「いいよ!早く行こう!」
愛子に急かされて、小走りで外に向かった。
-------------