第二話
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満開の桜の下に、着慣れない制服を着た由紀は立っていた。
校舎の窓からは何十人もの顔が見える。
??「由紀ちゃん!」
由紀「富田君!冬真は?」
冬真「居るよ。」
銀太「冬真、制服がぶかぶかで恥ずかしいんだって!」
冬真「言うなって!」
冬真と富田君は仲がいい。
(…冬真とは生まれた頃から一緒にいるのに…私とは距離を置いてる。)
由紀「違うクラスになっちゃったけど、三年間よろしくね!」
この時はまだ、校舎の窓から見ている人や、
周りの人なんて、少しも気に留めていなかった。
私には『冬真と富田君がいる』って、
それだけだった。
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(どう考えても、作りすぎた…)
二ノ宮と書かれた表札の家のキッチンで
由紀は考えいた。
今日は高校初めてのお弁当の日。
自分で作ると息巻いて、早起きしたはいいが、私のお弁当箱には到底入りきらないおかずの量。
??「由紀、どうしたの?」
由紀「お母様!」
困った由紀に話しかけたのは、二ノ宮 桜子。
由紀の母親。
由紀「作りすぎちゃって。」
由紀の母親は、「まぁ」と声を漏らした。
少し考えた後、何か思いついたのか、一番下の棚から、2段の大きなお弁当箱を取り出した。
桜子「これに入れて、お友達と食べればいいのよ!冬真君の家には言っておくわね。」
由紀「ほ、他にも友達いるからね!」
「はいはい」と軽くあしらい、母親は電話しに行ったようだ。
(でも、一件落着かな!)
桜子は大きいお弁当箱におかずを詰め込んだ。
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冬真「おはよう。結構な大荷物だね。」
由紀「作りすぎちゃって。」
銀太「おはよー!」
いつものように、冬真と富田君が私の家に迎えに来た。
冬真「2人じゃ食べきれないだろうから、銀太も一緒に食べようよ。由紀、いいよね?」
由紀「もちろんだよ!」
銀太「まじで!ありがと!ラッキー!」
冬真「じゃあ、それ持つよ。」
由紀「あ、ありがとう!」
学校まで、バスで30分。
3人は昼食を楽しみに心弾ませていた。
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登場人物(new)
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四ノ宮 桜子 (しのみや さくらこ)
由紀の母親。天真爛漫で、おっちょこちょいな一面も持つ。