闇にそびえた太陽の塔
あらかじめ決められた
停電の夜
突然暗くなるのは怖いから
早々、電気を止めて
非常用ライトをつけた
下からふわりと広がった光は
日常ライトより張り切って
眩しくて
壁に大きな影が出来た
幼かったこどもは
影に向かって声をあげた
太陽の塔だよ!
見てみるとたしかに似ていた
棚の尖り部分がそれらしく見えた
闇にそびえる太陽の塔は
怯えて小さくなった私に
堂々たる姿を見せつけた
太陽の塔だ!太陽の塔だ!
こどもと一緒に歓声を上げた
私は泣きながら、声震わせて