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そんな日常、とりたてて好きでもない。けれど非現実は嫌だ。

ここからギャグいれていきます。

ギャグって、人が笑えることですか?

いいえ、自己満足なんですよ。

だからおねがいですこんなのぎゃぐじゃねーとかいわないでくださいまじで

ゴホン、ごめんなさい。

ノウリョウシハにやられました。嘘です。

そんなわけで、よければ続きをお読みください





     七月二日・天気・晴天




 昼間は村上さんという、僕の思い人から平手打ちをされた。

 それからは全く構ってこなくなって、じつに平和な学校での生活を終えると自宅へ帰ってきたのだ。

 木造アパート二階、よく知らない人とルームシェアしている。これが僕の唯一安心できる自宅。

 ルームシェアの理由はひとりが嫌だから、ただそれだけ。

 僕の両親は小さな総菜屋を営んでいたのだけれど、借金苦から破産後に自殺してしまったのだ。破産して、未来がなくなったと遺書には記されていた。親戚からの援助がなければ、今頃は施設暮らしなのだろう。

 それに比べれば幸せなものである。

 家に帰れば、美味しい食べ物があるんだからね。

「おや、ウシオくん。帰ってきていたんだね」

 少し高い声を、無理矢理低くしている違和感満載の声が僕を迎えいれてくれた。

「起きてたんですか」

 そう言うと、にっこり微笑む。

 彼、というか彼女の名前はミオトさん。源氏名らしいけれど、本名を知る必要がないので聞いたことがない。

 補足として。

 ミオトさんは女性だ。

 けれど、男装をしている。

 心が男性で体は女性という性同一性障害をもっているらしい。

 金色の染髪に、なんだか定番な十字架ネックレス。しゃべらなければ女性と気づく人はいないだろうというほどに、筋肉がしっかりとついていた。

 見惚れてしまう洋風な微笑みと畳敷きの和室が、溶け込めない異邦人くさくておもしろかった。

「冷蔵庫にカツオのお刺身があるから夜にでも食べな。僕はもう少し眠るからさ」

 ミオトさんはあくびして、ふすまの戸を閉める。

 一応、お礼と会釈をして、玄関からむかって右の自室へと向かった。ちなみに、玄関と二部屋の間にはキッチンがある。

 部屋に入って制服から着替える。

 壁一枚むこうで人が眠っているので音をたてないように心がけはているが、ささいな音も気になるだろうから夜になるまで外出するのが僕ルール。


  そんなわけで、今日も夕焼けに染まる街を徘徊。


  どうしようもないTシャツ。

 それにミオトさんが着古して、いらなくなったからとくれた細いジーンズ。ジーンズは万単位で、Tシャツは千円弱という洋服を身にまとっていた。

 ショーウィンドウに映る、貧弱な自分の姿。

「さてと、今日はどうしようかな」

 暇をつぶすこの時間、かならずしていることがあった。

 人間観察、それによる自分観察。

 歩く人をじぃと見つめて僕の悪いところを発見していく、変態じみた遊びのこと。

 女性は事件になりかねないから見つめないようにしている。つねに目標は男性、それか老人にきめていた。

 手始めにあたりを見まわすと。

「うわ」

 そこに、声が漏れてしまうほどの人物がいた。

 その人物とは、一言にまとめ上げるとバカだった。

 僕の視線の先にはスクランブル交差点。大通りに面した大手デパートがスクランブル交差点を見下ろしている、そんな都会的といえる景色だった。

 そんな都会の中心で、慌てふためく少女がひとりいた。年のころは僕よりも下だろう。顔立ちが、まだ幼い。

 その子は大きなツバの帽子に真っ黒なレースがほどこされているワンピースと、とても浮いた格好をしていた。

 全身の皮膚が異常なまでに白くて、色白美人というよりもじつに不健康そうな印象をもってしまう。瞳は大きくてまつ毛も長い。けれど、どこか、順応しきれない田舎くささがあった。それゆえにナンパなどという声かけをする男性もいなくて、誰ひとりとして、その子を気にかける人物がいないのだ。

 少女は片足にだけ履物がある。けれど、もう一方の足は履物どころか靴下の存在すらなかった。誰かに故意で脱がされた、あるいは大転倒の末の結果か。どちらにしろ、困っていることには変わりないのだろう。

 親切な人とは通りかからないもの。

 かくいう僕も、素知らぬ顔して見ているだけだった。

 しばらくして、少女は僕のいる方向へと歩みを進める。さすがにスクランブル交差点の真ん中で、どうこうできないことに気がついたようだ。

 僕のいる場所は、婦人服がそろった高年齢層にウケる衣料品店。店前ではワゴンセールが行われていて、中には靴下もあった。これが目当てだろうか。

 少女はトボトボと頼りなく歩いて、交差点を渡りきるとため息をひとつ。それも、可愛らしくもない心底疲れ果てた絶望のため息だった。

 表情も憔悴しきっていて、ひどい様子。

 僕もルームシェアしていなかったら、少女と同じく田舎者として日々を過ごしていたのかもしれない。   そんなことをつらつら考えていたら、少女の視線と僕の視線が絡みあってしまった。

 なんとも気まずく、視線をそらすのも気が引けてしまい、見つめあってしまう。

 巨大で黒くて不気味で、可愛いのだろうけど僕の好みとはかけ離れた瞳が射抜く。

 知らないふりを決めこんで、僕は仕方なしにきびすを返した。

 すると。

「あぁ、待って、お願い」

 ほら、声をかけられた。

 そういうのは赤坂くんにやってもらいたいのが心境だったりする。

 彼みたいに主人公気質のある人ならば、かいくぐれる危機だろうけど、僕のような人間に期待されても返せるものなんてなにもなくて。

 お金も貸せないから、どこかへ去って行ってほしかったりもする。

 少女はしばらく黙すと、とつぜん声を発した。

「あの、ジョニー・デップって、インドネシア人ですか」

「ちがいます」

 もはや前代未聞で呼吸は口からできますかのレベルだった。

 映画通はおろか、どの人間に問うとしても、言えば卒倒されるような質問に思いのほか冷静な対応。

 よく考えてほしいのが、彼の肌色と言語。インドの方とは到底思えないのは僕だけだろうか。

 それに、片足が素足の状態で疑問に抱くことがそれなの。

「英語圏の人間ですか」

「そうなりますかね」

「彼、いまどこにいますか」

「消去法で考えても、おそらく日本にはいないかと」

「そんな、それじゃあだれを頼りに生きればいいの」

 なぜ最高の助っ人を求めるんだ。

 靴下をハリウッドスターからせしめようなんて、ちゃんちゃらおかしいと思うのだけれど。

 まぁ、こんなひどいやりとりでも分かったことはある。

 僕はこの子がすごく苦手、そんなどうでもいいこと。

「いい人ですね、とっても親切にふれた気がします」  

え、なにそれ、気持ち悪い。

 僕の思いとは裏腹に、少女は嬉しそうに笑っていた。

笑って、僕の横をなんの気なしに素どおりしていく。

 気づけば、僕ひとりが置き去りにされているのだから、まるでひき逃げにでもあったような気分だ。

 ふりかえって少女の姿を確認すると、思いのほかしっかりとした足どりで歩いて行くのだから、一笑してしまう。

 いままでの人間観察において、こんなことは起きたためしがない。

 そんなの、水族館で魚見てるのに、水槽にいるゴリラがひたすらシャケとってるようなものだ。

 誰が得するのかもわらかない、まさしくそんな、ビック・バンじみた衝撃を受けた。

 いま、街にいて少女に会ってしまったら気まずい。とりあえず、今日のところは家に帰ることにしようかと思う。  


そうして、老人的徘徊にはゴリラがウホウホと乱入してきて、強制終了されてしまった。




どういうことだよ、これは。   





とりあえず、助走をつけて。

次はがんばります、みすてないで

またもやノウリョウシハが

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