やっと帰ってきた
レンくんの視点です。これから色々起こすつもりです。
騎士のおじさん達が森に入ってから大分経った。
それなのに母さんはまだ戻ってこない。
松明が見えないくらい奥に行っちゃったのかな。動物に襲われたりしてないかな。
心配でそわそわしていたら、父さんが頭を撫でてくれた。
「エレーナなら、大丈夫だ。ちゃんと無事に戻って来る。だから心配要らないさ。」
いつもと変わらない穏やかな表情で言うから、少しだけ不安が小さくなった。
それでもやっぱり心配だけど、父さんがあんまりにもいつもと同じだから、なんだか僕だけそわそわしてるのが変な気がしてきた。
村長はずっと顰めっ面のまま、森の奥をじーっと見てる。
森からガサガサと音がした。村長は身体を強張らせてた。僕はびっくりして父さんの服を掴んだ。父さんは安心させるように、また頭を撫でてくれた。
「帰って来たみたいだぞ。」
父さんがそう言うと、
「ただいま〜」
母さんののほほんとした声が聞こえた。
松明に照らされて母さんの顔が見えた。
思わず駆け寄って抱きついた。
よかった。母さん無事だった。
「母さん、怪我は?怖い思いしなかった?大丈夫?」
「レン、心配かけてごめんね。大丈夫よ。どこも怪我なんてしてないわ。貴方の方が擦り傷だらけよ。帰ったら治療しましょうね。」
母さんに怪我がなくて良かった。本当に良かった。
安心したら少し眠くなってきた。
あぁ、母さんあったかいなぁ。
「エレーナ、おかえり。レンは寝たのか?」
「ただいま、ユーグ。たくさん走って疲れたんじゃないかしらね。ふふ、可愛い顔よ?」
う〜ん。僕まだ寝てないよ。もう、目は開かないけど、まだ寝てないんだから…。
「ケイン、ジン、ヤッコフ、迎えに行ってくれてありがとう。今度飯奢るから店に食いにきてくれ。」
「お、ユーグ太っ腹だな!三人でたらふく食いに行くぞ」
「俺は酒がいいなぁ」
「わかった」
三人が順に答える。
「村長、ユーグ、三人も聞いてください。大事な話。この村のこれからについて。」
母さんが凄く真剣な声で話し始めた。
「森に魔獣が発生する時期にしか生えない薬草類の群生地を見つけました。近く、魔獣が大量発生する可能性が高いでしょう。領主様に報告して騎士を派遣してもらう、冒険者を雇う、どちらにしても、もしかしたら間に合わないかもしれません。今までにこのような事はあったのですか?その際の対応などは決まっていますか?」
「それは本当のことなんだね?似ている別の薬草って事はないのかね?」
村長は違って欲しいと願うような声で聞き返している。
でも母さんは「間違いありません」と答えていた。
それを聞いてこれからどうなるんだろうと思いながら、限界がきて僕は眠りに落ちた。
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