表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

どうしましょう

母、エレーナ視点です。

 此処が森の奥側なのは分かったけれど、入口はどっちかしら。

 もう月明かりしかないから余計に分からないわ。

 それに不穏な気配が濃くなっている。

 このままではきっと魔獣が出てくるわね。困ったわ。

 今の持ち物は、鞄に採取した薬草が少し、動物避けの香、護身用の短剣一本ね。

 すぐに帰るつもりだったから軽食もないわ。

 動き易いワンピースだけれど、複数に襲われたら流石に汚れてしまう。

 せめて向かう方角が分かれば良いのだけれど。

 あの子は無事に村に戻ったかしら。もしまだこの森に居るようならすぐに見付けないと。

 出てくる魔獣にもよるけれど、弱いものから狩るのは同じだものね。

 あの子にもしものことがあったら私立ち直れないわ。

 でもどうやって探そうかしら。この森意外と広くて大変なのよね。


 あら、森の気配が変わってしまったわ。

 魔獣が出てきたんだわ。どうしましょう。

 もし、あの子が森にいるならあの子の元へ行くはずね。

 決めたわ。魔獣の様子を見てあの子が森にいるか確認しましょう。それに、どんな魔獣でどれだけ出てきたか確かめておかないとね。

 村に被害が出てしまったら大変だもの。

 折角手に入れた平穏な暮らしに水を刺されたら(たま)ったものではないわ。

 幸いと言うべきかは分からないけれど此処は森の奥側。

 魔獣の発生地からそう遠くないわ。気配を探知し易い。

 居たわね。数は5、いえ、6体ね。動きからして狼のような魔獣かしら。あら、こっちに向かってきているわ。

 目的が私なのか、それとも移動しているだけなのか分からないわ。木の上でやり過ごしてみようかしら。

 むっ。さすがにワンピースで木登りは辛いわね。誰かに見られたらはしたなくて恥ずかしいもの。

 今度からすぐ帰るつもりでもズボンにした方がいいわね。


「……」


 今誰かの声が聞こえた気がするわ。何処からかしら。

 あ、魔獣が反応しているわ。誰か森に入ったのね。

 あの子が村の騎士達を呼んだのかしら。もしそうなら、あの騎士達ではこの暗さで6体の魔獣とやり合うのは酷かしらね。騎士達が怪我をするのも困るわ。

 でもどこに居るか検討がつかないから気配で探れないわ。

 本当にどうしましょう。

 魔獣達が気配を消して木の上にいる私を素通りして、一直線に向かっていくわ。つまり、この先に居るのね。やった、おおよそでも方向が分かれば誰が森に入ったのか気配を探れるわ。

 旦那では無い気配が3人。やはり騎士達だわ。

 大変、騎士達はまだ魔獣に気付いていないわ。このままだとすぐに魔獣達と遭遇してしまいそう。

 後ろから数体間引くしかなさそうね。

 仕方ないわ。短剣だから少し不安だけれどなんとかなるでしょう。

 さ、騎士達と合流する為にも行きますか。

 下を走るより木々を飛び移る方が早そうね。上からなら不意をつけるし、良いことだらけね。

 私頭いいわ〜。


お読みいただきありがとうございます。

もし、宜しければご感想など頂けますと大変嬉しく思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ