第3話 攻略会議
ディスティニーワールドオンラインに囚われてから半年がたった。
始まりの場所の広場では現在のプレイヤーの人数が表示されている。
現在、約3000人が亡くなっている。
その頃エイトは
「取り敢えずレベル上げしとかないとな。」
草原のボア、スライム、ウルフを蹴散らしている。
「50も倒したら剣のレベルも上がったみたいだしそろそろ戻ろうかな。」
第3の街キャメロンに戻り宿に泊まった。
「ふぅ。今日も疲れたな。よく寝れそうだ。」
すぐに眠りに入る。
翌日、クエストボードを見ていると後ろから声をかけられた
「よう、エイト。新しい情報が入ったぞ。」
情報が入ったら教えてくれる情報屋のメルト。エルドを払えば情報をくれる。しかし、俺のことをなめているようだ、すぐにからかったり、買った情報を質問をするとまたエルドをちゃっかり回収する。
「いくらだ?」
「タダで良いよ。今回は攻略会議の情報だ。」
「まじですか…」
いよいよ始まるのか、死との隣り合わせのボス戦が…
「場所はどこですか。」
「300エルド」
くそ、やっぱりなめられてるな。仕方ない。
「はいよ。」
「毎度あり、場所は闘技場だ。」
「ありがとな!」
とエイトは走り去る。
「死ぬなよ、エイト。」
ボソッとメルトは言った。
-闘技場-
(ふぅ、ぎりぎり間に合ったみたいだ、端の方に座ろう。)
「これから、攻略会議を始める。俺はカムラ。今回何故会議をしようと思ったのか、疑問に思う人もいるだろう。何故なら、俺の知り合いのグループが少人数で、ボス部屋に突っ込み、亡くなっている。俺はこの世界をクリアし終わらせたい。そして、今いる皆に希望を上げたいんだ!皆、協力してくれ!」
おー!パチパチ
期待以上に盛り上がっている。世の中にはこんな良いやつもいるんだな。少し見直したぞ。
「ちょっと待ってくれるか?」
このみんなの気持ちが一つになったときに、頭がイガグリヘッドの人が喋った。
「俺はガルディという。この中に奴が言っていた裏切り者がいるんじゃないか!おいどうなんだ!」
せっかくそろったのに余計なことをいうやつが現れた。しかし、その発言はこの世界のタブーとして皆認識しているためブーイングの嵐が起きた。恥ずかしくなったガルディは無言で席に戻った
「よし、話も終わったみたいだし会議を始める。今回のボスはジャイアント。武器はハンマーを使う。死んだ仲間の最後のメッセージによるとライフが四分の一になったら全体攻撃をしてくる。全体攻撃には要注意だ。どうやら追加効果があるらしい。説明は以上だ、質問はあるかい?」
「はい!質問です。全体攻撃はどうやって回避したらよいでしょうか?」
席から立ち上がり若い男の人が質問をした
「それは、波状攻撃らしいんだ。だから上に飛ぶか届かないところに移動するか、防御するかだと思う、最適なことは私にはわからない。すまない。」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございました。」
と席に座った。
「ほかにあるかい?なければ三人一組のパーティーを組んでくれ!」
その呼びかけですぐにパーティーが組まれる。しかし、エイトは組めていない。
「おーい、だれかパーティー組めていない人はいないか?一人残っちゃってるんだ!」
ああ、この感じ嫌だな。あ、あいつだけぼっちだwwみたいな感じだろ。どうしよっかな、帰ろっかな。
「いや、体調悪いんで帰ろうかなと」
エイトは得意の体調不良を訴えたがカムラは逃がさなかった。
「ここに来てくれたってことは、君もこの世界を開放したいと思っているんだろ!」
なかなかこの人しつこいな、隠蔽スキルで逃げようかなと思っていると。二人組のパーティーの手が上がった。
「よし、あそこが開いているみたいだ。行ってらっしゃい。」
もしかして、カムラは本当にいい人なのか。
「ありがとうございます。」
一礼し、パーティーの方に向かう。
「よろしく、俺はリィン。」
「エイトだ」
と挨拶をかわし、隣に座る。もう一人はだれだろう。と考えていたら、解散となった。さて、さっさと帰りますかね。と立つと襟首をつかまれた。
「うえっ!何するんですか。」
名前の知らない、もう一人のパーティーの人がつかんでいたのだ。
「パーティーの実力もわからないのに背中を預けられない。」
と言い、俺たちは洞窟へと移動した。
「じゃあ、まずは俺からだな」
と双剣を出し、ボーンソルジャーの盾ごとたたき切った。
「やべえ、すごい奴がパーティーにいるじゃないですか。何でここにいるんですかね。」
エイトが驚いていると、もう一人も唖然としていた。ボーンソルジャーがホップすると
「次、ユウキよろしく。」
というと、片手剣を取り出し、
「いくわよ!」
素早い剣さばきで盾を弾き、三回ぐらい斬って倒した。
「凄いな…そういえばユウキって言うんですね、俺はエイトだ。」
「よろしくね。ところでリィン何で私の名前知ってるの?」
同じパーティーなのに自己紹介してなかったんですね。
「え、もしかしてパーティー組むの初めて?」
驚きながら聞く。
「ないな(わ)」
エイトとユウキは息が揃った。リィンはため息をつき
「じゃあ、連携は知ってる?」
「術技連携は知ってる。」
「私も。」
「それなら、連携の種類を教えるよ。」
「よろしくお願いします。」
ユウキがすぐに答え、エイトはついでにと教わる事になった。
「連携は三種類あって術技連携・連携交代・連携攻撃。術技連携はソロで出来る。消費SPが増えるが、連続して技を繰り出すことが出来る。連携交代はパーティーの誰かと入れ替わることが出来る。連携攻撃は術は術と技は技と連携して繰り出すもの。あるものと組み合わせると特殊な技や術を使うことが出来る。とまあこんな感じだ。」
「わかったわ。でも何で名前知ってるの?」
「それはな、パーティーに加入するとHPゲージの上に何か書いてあるだろ?」
成る程、自己紹介しなくてもそこを見るとわかるのか。勉強になる。もう、パーティー組まないと思うけど。ぼっちだからな。
心の中でエイトはドヤっていた。ユウキは
「なるほどね。確かに、エイトとリィンって書いてあるわね。」
「これで質問は無いか?」
「あとね、連携交代のタイミングを実践で教えてほしいの。」
「良いよ。それじゃあ始めるか。」
リィンはユウキにタイミングをしっかり指導している。俺はというと、その場からフェードアウトした。明日だけのパーティーだから。馴れ馴れしくする必要はない。欲しい情報も手に入ったことだしな。
エイトは街に戻り、雑貨屋に行き買い物を済ませ、早いとこ宿に戻った。
「そういえば、あれからステータスふって無かったっけ。あと加速マスタリーあんまり使えないから、観察マスタリーに変えるか。」
エイト
level 21
HP 3100/3100
MP 10/10
SP 1360/1360
STR 70+45
VIT 10
DEX 10-30
AGI 100+35+90
INT 10-30
CRT 100+40+45
スキル
短剣術マスタリーlevel 2
体術マスタリーlevel 2
隠蔽マスタリーlevel 5
索敵マスタリーlevel 5
的確マスタリーlevel 3
急所マスタリーlevel 3
素早さマスタリーlevel 2
観察マスタリーlevel 2
料理マスタリーlevel 2
予知マスタリーlevel 1
装備
右手武器 エヴォルエッジ+4 STR30 CRT45 DEX-30 INT-30
スキル:エヴォリューション
左手武器 ウイング・ゼロ+2 STR15 AGI30
スキル:無し
頭防具 無し
体防具 キルトウイング+2 AGI20
足防具 ウイングブーツ+2 AGI20
アクセサリー 俊足の翼+2 AGI20
「よし、こんなもんだな。明日に備えて早く寝るか。」
普段より早く寝たエイト。だったが…
翌日。
「ヤバい!寝坊した!」