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出会ってしまった2

朝の出来事が頭をよぎり、一弓は授業に集中出来ず初回からノートを取りこぼしまくっていた

休み時間になり、近くの席の女子達と他愛もない談笑を交わしながらも、彼女がまた来るんじゃないかと内心ソワソワしながら、会話の途中で何度か廊下へと視線を動かしてみたが彼女が現れる事はなく、その日最後の授業が終わった


この日は授業の後に体育館で部活紹介があるという事で新入生達は体育館に集合し、各部活の代表生のよる部活動の紹介が始まった。まず最初に登壇したのは女子野球部で、部長と副部長が2人による「初心者歓迎」や「練習は少し厳しいけど皆優しいメンバーばかりです」といったありきたりな紹介が始まった。


(こんな公立高校で野球やっても、それはもうただの趣味じゃん)


なんて卑屈な事を考えながら一弓は女子野球部の紹介を眺めていた。




部活紹介が終わり、一弓はクラスの女子達と談笑しながら体育館を出る、「ねえ、帰りに皆でどっかファミレスでも寄らない?」と1人が提案し他の4人も「いいねえ!」と賛成したのだが、大人数での付き合いが少し得意では無い一弓は、億劫に感じ


「あー、ゴメン今日はちょっと用事があって」


と、その誘いを断り、部活紹介の後はそのまま解散で下校指示があったので真っ直ぐ校門へ向かった。



帰宅後、一弓は自分の部屋に入るとすぐにカバンを床に投げ出してベッドに寝転がりゆっくりと目を閉じた。

部活紹介があった後という事もあり、この先の何か部活動に入るべきなのかそれとも3年間帰宅部として過ごすのかを考える。


「やっぱり高校からいきなり未経験の運動部に入るのはちょっとハードル高いし、かといって文化部にも惹かれるような部は無かったしなぁ...」


ふと、今朝声をかけてきた少女のことが頭に思い浮かんだ。


『また、グラウンドで会いましょう』


「いやいやいや、無い無い。野球やらないからスカウト断ってまで公立高校選んだのに」


一弓がゆっくりと目を開け身体を起こすと、勉強机に飾られているリトルシニア時代のチームメンバーとの集合写真が視界に入った。


「あー、そっか。やっぱり私から野球を取ったら何も残ってないんだ」


一弓は深いため息をついて再びベッドに倒れ込んだ。

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