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青い夏2

いよいよ幕を開けた県大会

林ノ宮高校の試合は第2試合だが、どうせなら第1試合の修徳舎高校の試合も観たいと父が言うので前原家は第1試合から球場に足を運んでいた。

流石全国大会常連でプロ注目の有望選手が全国から集まる修徳舎高校の試合とあってスタンドは県大会にしては埋まっていた。

メモ帳や双眼鏡を手に真剣にグラウンドを見つめるスカウトや記者であろう人物もチラホラと目に付く


修徳舎の1回戦の対戦相手は無名の公立高校で、試合は一方的な展開となった。

5回までに16得点の猛攻、守っては被安打2本であっさりと完封コールド勝ちを決めた。


野球好きな父が饒舌に「あの子は複数球団が指名を公表している」「あの子は1年生の頃からレギュラーだった」と一人で盛り上がり解説していたが、嗣弓は初めて生で目の当たりにした高校野球のレベルの高さにただ呆然と試合を見つめていた。

もちろん強豪校である修徳舎ともなれば高校生の中でもかなりハイレベルな選手が揃っているという事もあるが、打球の伸びや、肩の強さ、守備の動き、投手の球速、変化球

全てが今まで小学、中学と姉の応援の為にスタンドから観戦してきた試合とは桁違いだった。


「お姉ちゃん、こんな選手達と対戦するかもしれないんだ...」


姉は野球の才能に恵まれており向かうところ敵なしだと思っていた嗣弓は、初めて野球の関して姉を憂えた。


修徳舎の試合が終わると多くの観客が席を立った。

まさに次の試合の対戦カードの注目度の低さが表れている。

一気に寂しくなったスタンドの様子を見て嗣弓は更に不安な気持ちになった。

しばらくすると第2試合を戦う両校がベンチに姿を見せた。


林ノ宮高校は選手が合計で16人なので全員ベンチ入りとなる。

試合前のシートノックを終え、一弓は相手校のシートノックの様子を眺めていた。

相手校の選手の動きを見て選手正直林ノ宮と大差は無いと感じた。

視線をこちらのベンチ内へと動かす、背番号3番の背中が視界に入った

こちらのチームには沢井灯がいる。

灯はこの試合では1年生ながら4番にオーダーされている、それだけ実力を認められ期待されているという事だ、そして沢井灯ならその期待にきっと応えられるはずだろう、と一弓は再びグラウンドへと視線を戻した。

一弓は6番ライトにオーダーされている、1年生ながらレギュラーで使って貰えるということは自分もそれなりに期待されているという事だろうと考えながら一弓は二塁手の動きに注目した。

先程から少し二塁手の動きが怪しい、内野では一二塁方向が穴かもしれないと、軽く引っ張りの打撃を意識してエア素振りをした。


「前原さん、頑張ってね」


恭子が一弓に声を掛けた。


「うん、ありがとう。」


相手校のシートノックが終わった、いよいよ試合が始まる。

一弓が無意識に浦上の方を見ると、浦上はサムズアップでエールを送ってくれた。

高校生になって初めての公式戦、このチームで1試合でも多く戦いたい。

一弓も浦上にサムズアップで返す。


両校がグラウンドへ整列し、県大会1回戦第2試合が開始した。




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