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生徒会長と元気娘

「相変わらず元気だな」

「おはよー、三波ちゃん」

「おはようございます、先輩」


こっちに追い付くと息を整えながら並んで歩き出す。

「なっちゃんは相変わらず元気のない顔だね!」

「第一声から酷いな!」

「三波ちゃんは悪気はないんだけどねー」


三波ちゃんと言われるこの子は柏木 三波、陸上部に所属しており男女関係なくみんなと仲が良い学校の人気者。

「部活の集まりがあるからまた後で!」


そう言いながら三波は走り去っていった。

「相変わらず忙しいな」

「元気でいいじゃない」

「いつも死んだ魚の目をしたお兄ちゃんとは大違い」

今日も辛辣な妹です。


学校につくと運動系の部活が朝練に打ち込んでいた。

「やっぱり夏休み前だからどこも忙しそうだね~」

「帰宅部組だからこの大変さは味わえないよな」

そんな話をしていると校門で生徒会が挨拶をしていた。

「おはようございます!」

「会長さんおはよ~」

といった具合に生徒たちが会長と言われる女性に挨拶をしている。

「おはよう皆」

「相変わらず会長さんは優雅だね」


立夏が憧れの目で会長を見ながらそんなことを言う。

「あの人は相変わらずの人気だな」

「そうだね~学園のマドンナだもんね~」


東山 眞由美、夏樹たちが通う新海学園の生徒会長で容姿端麗、成績優秀、挙句の果てには日本でも有名なバイオリン奏者というから頭が上がらない。

「どうしてあの変人が……」

「夏樹……それは立夏ちゃんの前では言わない方が……」

「お兄ちゃん……」


ものすごい殺気を感じる……!

「会長はほんっと凄いんだから!」

「あー、始まった……」

立夏はなぜか会長を凄い人だと思っている節がある。

「会長はね……」


立夏が会長について語りだすと当の本人がこちらに向かって歩いてきた。

「あら、悪口かしら」

「そうです、立夏の奴が眞由美さんのことを……」

「お兄ちゃん……」


あ、これ死んだな。

「……そういえば真由美さん、バイオリンはいいんですか?」

海未がそう聞くと立夏がそっちの話に食いつく。

「そう言えばそうですね!会長は有名なバイオリニストですもんね!」

海未ナイス!


夏樹は海のほうを向き親指をグッとたてると海未もグッとたてかえす。

「この辺で有名ってだけだけどね」

会長が苦笑いで答える。

「日本のトップを争ってる人がこの辺って……」

「まだまだこれからだよ、それよりも夏樹……」


会長がにやりとした顔をする。

「今年もコーラルの予約を入れといてくれたのかな」

「それが今年は予約がいっぱいで……」

「ばっちしです!専属シェフ付きのテラスですよ!」


立夏が会長にそう言う、専属シェフとは夏樹のことで小さい時から会長はコーラルに来てくれている常連だ。

「そうか、いつもすまないね立夏」

「い、いえ!会長のためなら喜んで!」

「その専属シェフにお客様の情報が来ていないのですが?」

「今伝えましたシェフ」

「雑だよ!まず親父たちに許可取らないといけないだろ!」

「許可済みでありますシェフ」

「……」


あの、くそ親父!

「そんなに嫌ならやめておこうか?」

そう言って会長が夏樹の横に来て耳元で呟く。

「残念だな~凄腕シェフの絶品ナポリタン食べたかったのになあ~」

「そんな甘い言葉には……」

「私の水着姿が見れます」

「さあ、今日帰ったら早速仕込みだな」

海未と立夏からの視線が痛い。

「ふふふ、今回も楽しみにしているよ」

「あんまりハードルあげないでくださいよ」

そんなことを話したいると後ろから生徒会の男が歩いてきた。


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