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病院を出たあと、久しぶりに父とのお出かけでよく利用する洋服店にやってきた。

なかなか一緒に服を選ぶ機会がなく、父は私にプレゼントしたいようだ。

記憶を思い出す前は、たくさんの可愛い洋服があっても新しい物が欲しくなった。

が、前世の記憶を思い出した今、正直持っている洋服で充分である。

しかし、横で座っている父の嬉しそうな顔を見ると、いらないとは言えないので、今日は買ってもらうしかなさそうだ。


「お待たせ致しました。今季の新作の準備が整いましたので、運ばせていただいてもよろしいでしょうか?」


自宅にある数々の洋服を思い浮かべながら思考していると、お店の店長が声をかけてきた。

到着してすぐにVIP専用の個室に案内され、品物の準備が整うまで待っていたのだ。

待っている間はドリンクから御茶菓子まで用意され、ふかふかの高級ソファに腰掛けていた。

記憶を思い出す前は当然の対応と思っていたが、今は緊張するのを隠すのが大変だ。


「あやの、せっかくだから、今度行く慎也くんのパーティーに着て行くドレスも選んだらどうだい?」


先日招待を受けた金城慎也のバースデーパーティーバースデーはまもなくだ。

相手が金城財閥ならば、相応の格好をしなければならない。

とはいえ、行くのはすごく憂鬱で、ドレスを考える気にもなれない。

ちょうど父が服を選びたがっているし、丸投げしよう。


「お父様、今日お洋服を選んでくださるのでしょう?

パーティー用のドレスがいいわ。」


私の言葉を聞いた父は、ものすごく笑顔だ。

きっとパーティー用のドレスが選びたくて話題に出したのだろう。


私たちの会話を聞いていた店長が、さっと数着のパーティードレスを並べた。

明るい可愛らしいドレスが数着並んでいる。

父は真剣な表情で選んでいるが、正直そこまで真剣になることではないと思う。

ふと値札が見えたが、前世ではとても手が出ない金額だ。


結局父は3着もドレスを購入した。

決まっている着る予定は一回しかないのだからと止めたのだが、遠慮していると捉えられ、意味がなかった。

少しずつ、父の無駄遣いを直さなくてはと新たに決意したー…

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