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昔から、漫画が大好きだった。

ファンタジーや恋愛、冒険、いろいろなジャンルの漫画を読んだ。

もちろん、読みながら妄想も…

でもまさか、こんなことになるなんてーーー





私の名前は、北条あやの。

北条財閥の令嬢で、現在5歳です。

今日は家の関係で招待されたパーティーに来たのですが、その会場である子供達を見たら…



どうやら、私は前世の記憶を思い出してしまったようです。

しかも前世で読んだ漫画の世界に…

しかも!!

私こと北条あやのって悪役令嬢では!?

たしかに、記憶を思い出す前の昨日までの生活を思い返すと、ひたすら甘やかされていた…


「どうしたんだい?あやの」

記憶を思い出し、フリーズした私を隣にいる父親が不思議そうに見てくる。

とりあえず、今はパーティーに集中しなくては。

「すみません、お父様。

大きいパーティーに緊張してしまったようですわ。」

今日がパーティー初参加のため、この理由で大丈夫だろう。

実際、今日のパーティーは大きいものである。

主催は金城財閥で、日本有数の財閥の一つである。

私が前世の記憶を思い出すきっかけになったのは、金城家の御曹司、金城慎也と、志倉財閥の御曹司、志倉陽太を見かけたからである。

「大丈夫かい?

今日のパーティーはあやのと同年代の子達も参加してい

るから、お友達が見つかるといいね。

お友達ができれば、緊張もほぐれるさ。」

父親の言葉にうなづきながら、会場を見渡す。

ってちょっと待てー!

高校で特待生で入学するはずのヒロインが、なんでこの会場に⁉︎

しかも漫画のヒロインと雰囲気が違う気が…

私がヒロインを見つめているのに気づいた父も、同じ方向を確認した。

「ああ、あの子は最近白井くんのところに引き取られた子

だね。

あの子はあまりお友達にはよくないかもね。

血筋がまだよくわからないから、心配だ。」

どうやら、私の記憶にある漫画のとおり、父は選民意識があるようだ。

漫画では私もその影響が強く、ヒロインをいじめ、金城慎也と志倉陽太に断罪されるのだ。

そんな結末はたどりたくない!

やっぱり関わらないのが一番か?

何気なしに2人の方を見ると、目があった。

志倉が手招きしてるーーー?


「あれは金城財閥と志倉財閥の?

あやの、せっかくだからお話しておいで。」

しかも気づいた父に促された…

関わらないように考えてたそばからの出来事で、非常に行きたくない。

しかし、この流れは断れん!!

「お父様、ちょっと行ってまいります。」

内心は嫌々ながらも、態度に出ないように2人の元へ向かう。

2人の視線は変わらず私に向いている。


「本日はお招きありがとうございます、金城様。

志倉様もごきげんよう。」

今の私は5歳だが、物心ついてからマナーはたたきこまれている。

挨拶は完璧だ。

前世なら、こんな5歳は嫌だ!と思うくらいだ。

「こんにちは、北条さんだよね?

目があったから、呼んじゃった。

同い年だし、よろしくね。」

志倉がやわらかい声で話しかけてくる。

「わざわざ来てくれてありがとう。

楽しんでいってくれ。」

金城も気さくに話しかけてくる。

もう関わらないのは無理かもしれない?

3人で過ごしていると、だいぶ時間が経っていたようで、パーティーもお開きの時間になった。

漫画では子供の頃の仲良し設定はなかったはず。

とりあえず、今日は帰ったら漫画の記憶の整理をしなくては。

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