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【2♯ 勇者】 女神よ、お前もか!

 おじちゃん(神)が消えた。


 何だかあまりにも変な神だったので、随分失礼な態度を取ってしまった……ま、いいか。そんな事を考えていると後ろから声がする。


「おお、勇者よ。召喚に応じてくれた事に感謝します」


 俺は後ろからの女性の声にビクッとする。背後からの気配は、まだ、ちょっとトラウマなんで。


 後ろを振り返ると光を纏った女性が居た。眩しい。やはり顔は認識できない。あ、服はクリーム色のドレスみたいなひらひらしたやつ。うん、神様っぽい。


「私がこの世界の子らに出来ることは、助けを求める声を貴女(あなた)の世界の管理者に届ける事だけ。そして貴女にも少しばかりの加護を与える事だけしかできません。非力な私を許して下さい」


 おぉ、女神オーラがハンパない。おじちゃん(神)と全然違う。あぁ心が洗われる様だ。声もキレイだし。透き通るような声って言うのかな? もっと聞いていたい。


「さぁ、純潔たる乙女の勇者よ」


 ん? ん?? ハイッ! 女神様っ! ハイッ! 何かそのセリフ、おかしいとこあります!


「どうしました? 勇者よ。まさか[純潔]でないというのですか?」


 へ? は? ……いえ、純潔かそうでないかと聞かれれば、純潔ですが……だって恋愛禁止でしたし。でなくて、[乙女]の部分です! 女顔とよく言われますが、ちゃんと男です!


 ……チラッ


 あ! 女神様、何か下見た! え? 透けて見えるの? あ、顔見た。あ、また下見た!


「ん! コホン。……チッ。あいつ[依頼書]ちゃんと読んでねーな」


 女神様!? 急に口調変わった? え? 何? どうしたらいいの? 必要なの女勇者だったの?


 女神様が考え込んでる姿をハラハラと俺が見つめてると――


「……乙女でなければ、乙女にすればいいじゃない…」


 ――ん? んん?? 女神様! ダメッ! 何か呟き聞こえましたけど、ヤバいこと考えてませんか!?


「…その方が…萌ゆる…」


 女神!? 今何っつった!? ダメですよ! 確かに異世界で新しい人生を始めれることに浮かれていましたけれども、男以外で人生始める覚悟では来ていませんでしたよっ!!


「なら、間をとって1ヵ月おき」


 何と何の間をとりましたか!? どういう事ですか? 性別に妥協点なんて無いですよ!?


「大丈夫。大丈夫だから。痛くはしないから。初めはビックリするだろうけど、段々気持ち良くなるから。そういう仕様だから」


 何その、お願い先っぽだけ発言!? 何するの? 何されるの? 何で声のテンション高くなってるの!?


「召還されし勇者に少しばかりの加護を」


 え? ちょっ、まっ……。


 ドクン


 体が…熱いっ……僕に…何をしたぁ! ふぐぅ!


「勇者よ。貴女が健やかなる旅を送れるように祈っています」


 うう。 アッー!


 俺が体の熱さに身悶えしてる間に女神の姿は消えていた。



[召喚依頼書]

白神→黒神宛


勇者召喚依頼を申請致します。


グリグラ国にて3日間程儀式が行われる予定ですので、期間中の召喚を望みます。


16歳~25歳の人族


今回の儀式では女性指定を受けております。妊娠可能で、出来れば見目麗しい処女が好ましいです。


最後までご確認頂き、ありがとうございます。以上、召喚依頼報告でした。


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