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この少年の2つ名は…。  作者: ナレコ
第一章 鬼の少女
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予想外の展開

感想よろしく~。

地下牢に入れられた。

だが、私にとって、そんなことは些細なことだ。

もうどうでもいい。あいつから遠く離れられるのなら、もうなんでもいい。どうだっていい。あの恐怖から離れられるのなら、もういいんだ。

あの村も無くなった。あいつに滅ぼされてしまった。

どうせここから脱け出したって、私には、もう居場所がない。

なら、いっそのことここで朽ちて死ぬのも悪くない。

私にはもう何も残っていないのだから。たいした心残りもないのだからと、私は生きるのを諦めていた。

松明の頼りない光がこの地下牢を照らしている。

近くでは、そんな私の存在に気が付くような奴などいない。

何故なら、皆寝ているからだ。

そのときは私の息と他の人の寝息以外の音は聞こえなかった。

もう疲れた…………。だから寝ようと横になった。

しかし、なかなか寝付けない。

眼を瞑って、寝ようと試みるが寝られなかった。

何故だろうと疑問に思い、しばらく考えていたら思い出した。

私は枕が代わると上手く寝られない癖があることに。

思わず苦笑した。そして、涙を流した。

故郷を思い出したからか、なかなか涙は止まらなかった。

私は戸惑った。この感情に戸惑いを感じた。

「うっ…………うっ…………」

そんなふうに、泣いていたときだった。

私の耳に小さいノイズが聞こえた。

「なに…………?」

もしかして、あいつ?それとも、なんなの?

私は知らない訪問者に恐怖した。

そして、人の(盗賊の)叫び声やら何かの声がだんだん大きくなってきている。

つまり、この地下牢に近付いているということだ。

「…………!」

私は謎の招かれざる訪問者がやって来るでだろう扉を睨み付けてその時を待っていた。

やがて、そのときは来た。

「!」

何者かが扉を開けてやってく

ドォンッ!

「…………え?」次の瞬間、扉が木端微塵に粉砕した。

それはもう見事に粉砕した。あれはもう修復不可能だろうぶっ壊れ方だった。そして、私は勘違いに気付いた。

どうやらここに来たのは一人だけじゃない、いや、ここに来たのは、人じゃなかった。それは、ある意味では、どこかで聞いたことのある話。

それは、魔物の群れだった。

私は、魔物の群れを檻越しに見ていたんだ。

そして、私はそのとき気づかなかったのだが、この時点で盗賊のアジトは、壊滅していた。既に生き残った盗賊達はわずかな金品を持ち去って逃げていたらしい。

しかし、私には分からなかった。なぜ、これほどの魔物の群れが急に湧いたのか。

不思議でならなかった。大体、魔物の群れと言っても、種類はバラバラで、群れること自体が珍しい種類の魔物もここにいたのだ。

そして、やはりうるさかったせいなのだろう。

地下牢にいた人達が起きてきたのだ。

そして、この群れを見た。みんな呆然とした顔をしてそれを眺めていた。大人達はまるで何かの悪い悪夢を見ているかのような顔をしているようにも見えた。子供達はまるでサーカスでも見るような好奇心を見せていた。一部の人は怖がったり、どうでもいいと言わんばかりの態度を取るような者もいたが、おおよそは、こんな感じであった。

しかし、そう悠長に構えていられるわけでもなかった。

魔物の群れの内の一匹が私達に気付いて、牢を壊そうと体当たりしてきたのだ。

ガシャン!ガシャン!と大きな音が響く。

檻の皆は、それに怯え、その魔物を見ていた。

魔物の数は最初は、一匹だったが、段々と増えていき、様々な方法で牢を破壊しようと攻撃してきた。

私達の両手両足は縄でキツく縛られている。

これでは、牢が破られたときにまともな抵抗することも出来ずに魔物に喰われてしまうだろう。

私は、それに気付いて…………見て見ぬふりを決め込んだ。

どうせ、死ぬ運命なんだ。私が今さら何かしても意味などないだろう。

そう思った。

だから、魔物に背を向けてふて寝することにした。

でも、私がそのまま寝ることはなかった。

理由は簡単。一人の若い少年の叫び声が地下牢に響いてきたからだった。

…ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

その叫び声は地下牢にいた全ての者に届かせた。

そして、声のする方向を考えるとどうやら地下牢からではないらしく、外から響いているようだった。




はー、はー!死ぬー!絶対死ぬってぇー!冗談じゃねぇーー!!

俺が生き残ったら絶対もうこんな作戦やらない!

俺は息も絶え絶えにアジトを魔物の群れに襲わせることに何とか成功させた。

どうやってか?それは、巡回中の盗賊達に肉汁を遠くからぶっかけて逃げる、俺がしたのはただそれだけだ。あとは、上手く行くように、肉汁かかった奴等の近くにいる魔物を石などを使って起こしたりしていけば、人里あるところに、彼等が勝手に案内してくれるだろう!という作戦だったのだが、やはり盗賊にも魔物にも遠いところを確保しつつ盗賊を見続けるのは流石にキツい。

というか、何回か魔物に気付かれたり、盗賊に追われたりして、やばかった場面もあった。

実のところ、人里あるところに案内して欲しかったというのは、少なからずの思いである。何故なら、俺は未だにここがどこなのかも分かっていない迷子だからだ。

しかし、ここからどうすっかー。はっきり言って、ここまで増えるとは思わなかったわー。これもう乱入とかしてヒーローよろしくみたいなこと出来る状況じゃないよねー?いや、そんな真似すると危険だから思うだけにしておくけど。

……………………えーっと、本当にこれどうしよう?このまま放っておいたら、中にいる人、魔物に喰われて死ぬ…………よね。かといって、この群れを一人で何とかするにも、戦力がないし、というか俺、今疲れてるから見つかっただけでも俺が晩御飯にされそうだし。

………………………………マジでどうしよう?この群れじゃ、例え木に登ったとしても、木々ごと薙ぎ倒され、いずれ地面に落とされて、THE ENDみたいなことになりかねないし。

やべー。何も策がねぇー。こりゃアジトの中の人は終わったな。

ごめんなさい。俺のわがままに巻き込まれてしまって。せめて、冥福だけでも願います!アーメン!


……………………さて、どうする、か。

ぶっちゃけ、前のときよりアジトを攻めるランクが上がってる気がするけど。どうしたら、いいんだろう?

あれ?俺、一仕事したのに何も報酬ないじゃん。

ただ盗賊に悪戯しただけで、得たものプライスレスみたいなことになってるじゃん!

なんてこった!逆に俺が追い詰められた、だと!?

待て待て、一旦落ち着け、俺。

よく状況を見るんだ。もしかしたら、何かあるかもしれない。

まず、百を越える魔物の軍勢、アジトを必死で守ろうとしてるのか応戦する盗賊、相変わらず暗い森、獣臭い戦場。

つまりは、前門の魔の野宿、後門の奴隷人生から、前門の魔の野宿、後門の百魔獣の王決定戦 に じょうきょう が わるくなった!

なんてこったぁぁーーーーー!!!!!

なんという不幸。これはもはや運命の神様の呪いに違いねぇーー!!

大人げないぞ神様!確かに愚痴りはしたけど、何もここまでする必要なくない?どんだけ俺を恨み返してんのっ!?倍過ぎてもはやオーバーキルだよっ!倍返しがもはや神様レベル!

ふざけんなッッッッッ!!!!!!!

そんな悠長なことをしていたからだろう。

辺りから、ひとけがいつの間にか薄れていて、そして、盗賊は既に逃げていて、つまりは、この場には、俺一人だけ取り残されていて、そして、肉汁の匂い辿るような魔物がここにいるってことは、しかも、盗賊の味をしめた魔物が出てきたってことは、つまり、なんだ…………。

これはある意味、当たり前の結果。

魔物達の全てを貪り尽くすような飢えた貪欲は、

「ノォォォォォォーーーーーーー!?!?!?!?」

当然のように俺にも向かったというだけの話だったわけだ。

次も楽しみにしといてねー。

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