第9話
いよいよクライマックスです!!戦闘描写下手です!!
よろしくお願いいたします^_^
「オラァ全員動くな!!!」
商店街の東側にある六羽銀行。そこで今まさに銀行強盗が行われていた。
「全員、手を後ろで組んでしゃがめぇ!!!!」
リーダーらしき男の怒号がとぶ。震える女性達、涙を流す子供、抵抗しようとして逆に殴り飛ばされる男。
恐怖と暴力が銀行内を支配していた。その中に女子高校生 稲月彩華もいた。
「うぅ、今日は本当についてないなぁ。」
1人でそうつぶやいた。どうやら外はもう警察が囲んでいるらしい。そのせいか、強盗グループは非常に気が立っていた。
「おい、そこの女ぁ!!うるせぇぞ!!!」
彩華のつぶやきにきずいた強盗の1人が彩華に銃口を向けた。周りの人々が悲鳴をあげるなか、彩華は非常に冷静にこう話した。
「あの~その口径の銃を片手で撃つと肩壊しますよ?」
ただでさえ苛立っていた強盗はそんなことを言われてとうとうキレた。
「クソッ死ねこのアマァ!!」
強盗が引き金を引こうとしたその瞬間、何かが強盗の銃を弾いた。強盗の銃を弾いたのは1本の矢だった。
「誰だ!!!何処にいやがる!!」
強盗達の緊張は高まり警戒し始めた。そこに彩華にとって親しみのある声が響いた。
「おい、彩華~銀行に来るなんて聞いてないぞ。」
そう言いながらダルそうに歩いて来る者がいた。その男こそ彩華の前に現れた初めての“友達”だった。
「クロアさん!!」
彩華は安心したような、それでいて待ちくたびれたような声でそう叫んだ。クロアは昨日彩華に貰った服の上に元々持っていたフード付き黒マントを羽織っていた。
「何なんだお前ぇ!!!クソッお前らぁ!!殺しちまえぇ!!!」
リーダーの指示を受けた強盗達が一斉にクロアに向けて銃口から火を吹かせた。クロアはそれを大理石の柱に隠れることで避ける。強盗達の銃の弾切れが起こった瞬間、クロアは柱から飛び出した。
「気ぃつけろぉ!!上だぁ!!」
リーダーがクロアに気付き声を上げる。しかしクロアは
「おせぇ!!」
飛び出したと同時に近くに立っていた強盗の1人に向けて長弓から矢を放った。放たれた矢はその強盗の心臓をピンポイントに貫いた。
「グファッ」
心臓を貫かれた男はその場に崩れ落ちた。しかし他の強盗は気にすることなくクロアを撃ち続ける。その後もクロアは柱や死体を盾にして銃弾を避け続けながら強盗を1人1人確実に射止めていった。やがて、クロアに銃を撃っていた強盗達は全員崩れ落ちた。
「ふぅ、これで全員かなぁ」
クロアは周りを見回しそうつぶやいた。しかし、そうはいかなかった。
「そこのマント野郎!!」
声のする方向を見るとリーダーの男が血を流しながら彩華を人質に取っていた。
「クロアさん!!」
彩華は涙目になりながらクロアの名を叫んだ。
「いいかぁ!!その場から一歩でも動いたらこの女を殺す!!!!」
彩華のこめかみに銃口を向けながらリーダーは叫んだ。
クロアは動ずることなく弓に矢をつがえてゆっくりと引いた。
「ク、クロアさん!!」
自分もろとも矢で貫こうとするクロアを見て彩華は叫んだ。するとクロアは、
「黙ってろ!!!!!!」
いつもとは比べ物にならないほどの気迫でそう叫ぶ。そしてこう続ける。
「いいから彩華は黙って俺を信じてろ!!!」
そう言ってクロアは弓を引く腕に更に力を込める。クロアは最後に何かをつぶやき矢を放った。
「!!」
強盗リーダーのものと思われるうめき声が聞こえた。そして、しばらくの間銀行内は静寂に包まれた。
その静寂を破ったのは他の人質達の歓声だった。こうして後に『六羽銀行弓撃事件』と呼ばれる有名な銀行強盗が幕を下ろした。
強盗達の制圧を終えた後、二人は目立たないようにして家路へとついた。彩華はクロアにこう尋ねた。
「私を助けてくれた時さ、最後なんて言ってたの?」
「あ、あのときか。え、えーとなんか言ってたかな―マッタクオボエテナイナー。」
分かりやすく動揺しながらクロアは答えた。
彩華は本当は覚えていた。あのときクロアがなんと言っていたのかを。
ーお前は、俺が守ってやるー
ありふれていた土曜日がかけがえのない思い出に変わる瞬間だった。
誤字脱字のご指摘お待ちしております♪
ここら辺で一区切りにしたいと思います。一章 完ってところですね。
次から新キャラが登場していく予定です!