第5話
はい第5話です。
よろしくお願いいたします^_^
「はぁはぁ」
人気のない道路を二人の男女が走っていた。
少女の名は稲月彩華 人付き合いが苦手な高校2年生である。異常なのはもう一人の男だった。その男こそが本来、この世界に存在するはずのない者クロア·クロスファード 魔法世界から飛ばされてきたエルフである
彩華はクロアの腕を掴みながら自らの家へと走っていた。
「お、おい彩華、お前どこに向かってるんだ?そもそも何で急に走り出したんだ?」
全力で走っているためぜぇぜぇと息切れしている彩華を全く気にかける様子もなくのんきにクロアが尋ねた。
「はぁはぁ、すいません、学校の人がいたのでちょっと...その...」
彩華はなんとか質問に答えようとして言葉を濁らす。
「なんだ?いいじゃないか。その学校とやらの連中がいても」
相変わらずのんきにクロアが促す。
「その、ク、クロアさんのか、格好が..」
そう言うとまた彩華は言葉を濁らす。
「なんだ、そんなことか」
クロアは納得したように頷いた。それを見た彩華がふぅと、息を吐くと、
「俺の格好は高貴な貴族の格好だからなぁ、そこら辺の奴らが恐縮しても仕方あるまい。」
どう勘違いしたのかクロアはご機嫌そうに鼻歌を歌いだした。
「はぁ」
彩華はため息をつくとまた走り出した。
しばらく走ると木々の間から大きな屋敷が見えてきた。
「おい、彩華」
「ん?」
クロアが彩華に話し掛けてきた。
「あの屋敷は?」
クロアが屋敷を指差しながら聞いた。
「私のお家」
「えぇ!?」
クロアはものすごく分かりやすくリアクションした。
「なんだ、彩華お前も貴族だったんじゃないか。」
「違うよ。おじいちゃんが何かの会社の社長なの。」
「なるほど...」
屋敷につくと彩華はゆっくりと、家の扉を開けた。
「た、ただいま~」
キョロキョロしながら家へと入っていく彩華。
「クロアさん!ちょっと待ってて下さい!」
「ああ」
彩華は家に親が居ないことを確かめると、クロアに家にはいってくるよう指示しようとしたその時、
「そんなぁぁぁぁぁぁっぁ」
クロアの悲鳴が聞こえた。
「クロアさん!」
急いで玄関の方へと走っていく。すると買い物から帰って来たと思われる母と、頭を抱えてうずくまるクロアの姿があった。
「お母さん!」
「あら、彩ちゃんただいま。」
「ああ、うんおかえりなさい。じゃなくてその人になんかした?」
彩華はクロアを指差しながら母に聞く。
「この子、彩ちゃんのお友達?また随分ダサい格好してるのねぇ。」
「お、お母さん。まさかダサいってクロ、その人に言ったの?」
「そうよ。何かまずかったみたいねぇ」
-とうとう言われてしまった-彩華はため息をついた。
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次回から物語が少し展開します!!!