変身
明は、今日も秋葉原に向かうために家を出ようとする。
「明、あんまり遅くなったらダメよ!」
明の母が、台所から叫ぶ。
「もう・・わかってるよ!」
そうブツクさ言いながら明は、家を出た。
(あの子にも、困ったもんねぇ・・いい年してAIちゃん、AIちゃんて・・)
家事をしながら、明の母は溜め息をついた。
そんな母のことは、御構い無しに意気揚々と秋葉原に向かい、AIのグッズを探す明。
(これも欲しいな、いやー、あれも欲しいな)
結局、迷ったあげく、いくつかを厳選して買った。
(もっと、お金をがあればな・・)
そう思い、明は、ショップを出た。
すると、キレイな御姉さんが声を掛けてきた。
「ちょっとよろしいですか?」
「は、はい!」
動揺する明に、その女性は言う。
「私共の製薬会社で、あるビタミン剤を新しく出したのですが、モニターになってもらえませんか?それなりの報酬も払いますので」
というような事を丁寧に話始めた。
なんだか、分からないけど、大丈夫そうだと思った明は、誓約書にサインして連絡先を記入して、そのビタミン剤を、もらった。
(よし、これで少しでもAIちゃんのグッズが買えるぞ・・!)
そう思い、明は、帰途に着くのだった。
女性に言われた通り、毎晩、そのビタミン剤を飲んでいた。
特に、数日間は何も起こらなかった。
しかし、ある晩、急に息苦しさを感じた明は、ベッドから転げ落ちた。
気がつくと、身体が黒い物体で覆われている。装甲のようなもので。
急に携帯がなる。
慌てて携帯に出る。
「山田さん、あなたは選ばれました。ミッションです」
明は、訳が分からなかった。
(つづく)