始まった学園生活
ジリリリリリリリ
耳障りな目覚ましの音だ。
「まだ間に合う・・・zzz」
ガンガンガン
目覚ましとは違うドアを叩く音。
「どうせ新聞の勧誘だろ・・・zzz」
ガンガンガンガンガン
「zzz」
ガンガンガンガンガンガンガンガン
音は激しくなるが断固として二度寝の心地よさに身を任せる。
シーン
ところが突然その音は静まり
かちゃかちゃ
今度はそうまるで鍵穴をいじるような音が聞こえてきた。
今までとは違う異質な音にさすがに寝てはいられず、まだ眠気はあるものの無理やり身体を起こした。
(なんだ朝から強盗か勘弁してくれよ)
週刊誌を腹に入れ鍋をかぶり、水の入ったペットボトルを持った。
(せめて金属バットとか木刀とか買っとけばよかった)
一人暮らしをする上で必要最低限のものしか置いてなかったのだ。
ガチャ
いよいよ扉が開き家の中に人が入ってきた。
心臓の鼓動も早くなり嫌な汗が出てくる。
ひたひたひた
(もう少し)
少し頼りないペットボトルを構える。
ついに待ち構えてるところまで侵入者がきた。
「うおおおおおおおおおお」
ペットボトルを振り上げ侵入者に振り下ろす。
しかし侵入者もこちらに気づき目があった瞬間
「涼香!?」
振り下ろしたペットボトルをとめることはできず向きを変えるだけで精一杯だった。そのまま二人は崩れ落ちる。
ムニムニ
「なんだこの柔らかいものは?」
ムニムニムニ
(なんかいつまでも触っていたくなるような)
ムニムニムニムニ
「ッッッ・・・!!!痴れ者!!!」
涼香に股間を思いっきり蹴られた。
「いてぇ、まさか今のって涼香の・・・ぐはっっ」
今度はさっき振り上げたペットボトルを投げられた
「ハァハァハァ・・・変態!スケベ!痴漢!」
涼香の罵声を遮り文句を言う
「つっても強盗と思われるようなことをするお前が悪い!」
「ちゃんとノックしたもん!」
「ノックすれば入っていいのかよ!」
「いいにきまってるでしょ!」
開いた口が塞がらなかった。
「飯は食ってきたのか?」
夜買ってきといた惣菜にレンジで暖めるだけのご飯をテーブルの上に並べた。
「うん、でもここが魔法使いの住処・・・案外普通というか汚い。」
「悪かったな一人暮らしなんてこんなもんだろ。それに俺は普通の人だ。」
「二人しかいないし別に隠さなくてもいいじゃない。」
話が通じない。
「私のダウジングですごい反応を示してたところにあなたがいたの。つまりあなたは魔法使いなの!」
「なにがつまりだ!そのダウジングがおかしいだろ。」
「このダウジングはずしたことがないんだからね!馬鹿にしないで!」
涼香が顔を真っ赤にしながら反論する。
「迷子のペットや失くしたものなんかすぐ見つかったし、埋蔵金なんかも」
「まじか」
半信半疑でその話を聞いていた。
「それにあなたの住んでるとこだってこれで見つけたし。」
「その前にあなたはやめようぜ、夫婦みたいで照れくさいし名前で呼んでくれ。」
「ふう・・・ッッッ!!!」
涼香の顔が真っ赤になる。
クッションを投げつけられた。
タッタッタ
急いで走る二人の足音。
「登校初日からなんで走らないといけないわけ?」
「お前があのあと魔法を教えてとかしつこかったせいだろ!!」
「だから朋樹は魔法使いなのにいつまでも教えてくれないし、あとお前じゃなくて涼香って名前があるの!」
「へーへーそりゃあ悪うございました。」
ガララ
教室のドアを勢いよくあける。
「ハァハァハァ、セーフか?」
「ハァハァハァ、先生もいないみたいだしセーフじゃない?」
息を整えながら席に着く。
「熱いねぇお二人さん一緒に教室入ってくるなんて付き合ってんの?」
ニヤニヤ笑いながら話しかけてくる馴れ馴れしい男の名前は
麻宮 崇
昨日の自己紹介のときにも煽ってきたやつだ。
悪いやつではないが走ってきて疲れてるときに相手はしたくない。
「おーい、シカトかよ・・・」
息も整えたらしく涼香が話しかけてくる
「放課後に魔法を教えなさいよ」
「いやだから俺は・・・」
ガララ
「はーいそれじゃ授業を始めまーす」
先生が入ってきたため話を中断するしかなかった。
「でこうなるわけです~」
担任の西宮先生の話はいい感じに子守唄になる。
(そりゃ寝るわ)
クラスの生徒のほとんどが机の上に突っ伏している。
(涼香はと・・・)
カリカリカリ
規則的にノートにシャーペンを走らせる音が聞こえる。
黒板とノートを交互に見て丁寧に内容を書き写しているようだ。
(こうして黙ってればほんと可愛いんだけどな)
「ではー次の問題は橘さんにお願いしようかしら~」
涼香が先生に指された。
「はい!!」
授業が終わり放課後になった。涼香と帰っているところである。
「いてぇ」
「自業自得でしょ」
先生に指名されたとき自信満々に答えたにも関わらず不正解だったのだ。
「そりゃ笑うわ。あんなに自信満々で間違えたら笑うしかないだろ。」
そのあとにすねを蹴られ足を踏みつぶされた。
「さーほらほらはやく魔法教えてよー」
笑いながら涼香が話しかけてくる。
「だーかーらー魔法なんかつかえないってーの」
「またそれー?どうしたら教えてくれるのー?」
「ふむ・・・朝の続きをさせてくれればもっと色々教えよう。」
手をわきわきと動かしながら涼香に迫る。
涼香の顔が赤くなりやばいと思ったときには遅かった。
「変態ッッッ!!!!」
朝と同じく股間を蹴り上げられ
「不能になったらどうするんだよおおおおおおおお」
体中がぼろぼろだが涼香との学園生活も悪くないなと感じ始めていた。