驚愕の邂逅
テキトーに投稿します
途中でやめたらごめんなさい
一人の男が簡易なパイプ椅子に座りうなだれている。
「まだ探してないだろ・・・まあそんなものあるわけないって言ったらお前は怒るかな」
誰に話しかけるわけでもなく、男はつぶやいた。
季節は春、この桜並木学園も入学式を迎えた。
不安や緊張もあるが新しい学園生活に期待や希望を持つ新入生が多かった。
ここにも新入生の一人が歩きながら考えていた。
(あの子は・・・C・・・いやDはないか?おおおおあっちの子は可愛い!!)
可愛い女の子に釘付けになっている男の名前は
轟 朋樹
この学園は前まで女子高で今年から共学になったため女子が多いのだ。
「さすが元女子高!女の子のレベルが高いぜ!」
靴箱で持ってきた上履きに履き替え自分の教室を目指す。
一年生は最上階で学年があがるごとに靴箱に近くなるというものだ。
階段を昇り自分の教室を目指していると
「1-Dはと・・・ぐはっっ!?」
背中に何かが当たった衝撃が走り振り返る。
「なんだ・・・」
そこには一人の少女が立っていた。
身長は160ほどだろうか黒髪で長く目はくりっと丸く大きい、胸も控えめで足もすらっとしており、なにより
「可愛い・・・」
しかし少女がもっているものは校内地図と糸でつるし先に5円玉がくくり付けてあるそうダウジングで使われるものだ。なぜそのようなものを持っているのかわからないが俺に指を指して少女は言った。
「ようやく見つけた・・・あんたが魔法使いね、私に魔法を教えて頂戴!」
「は・・・?」
新入生同士の自己紹介前の素っ頓狂な挨拶
これが高校生活における初めての会話であった
(一体なんだったんだ・・・確かに可愛いいけどおかしいだろ・・・)
朝礼も終わり教室で一人一人の自己紹介が始まってもずっとそのことを考えていた。
といっても教室も同じで席も隣のため考えずにはいられなかった。
「趣味はボランティアで、人の役に立てたらうれしいです」
おかっぱでのほほんとした女の子の自己紹介が終わり、今朝ぶつかってきた子の自己紹介が始まる
「私の名前は橘 涼香。趣味や特技はないけど・・・目標は魔法使いを見つけて魔法を教えてもらうことです!」
そう言いながらちらりとこちらを見る。
「うっ・・・」
あんまり関わりたくないので視線を逸らした。
(おかしなことを言わなけりゃ可愛いのに・・・)
クラス中の生徒が唖然とする中、担任の先生は
「まあ橘さんは他の生徒にない独創性があるんですね、先生応援します!」
西宮 静
今年赴任してきた若く可愛らしいピンク色でウェーブのかかっている長い髪で胸も大きい女性の先生だが少し天然である。
いよいよ俺の自己紹介の番になり
「えー、名前は轟 朋樹で趣味は特になくて特技もまあ・・・ないです」
「おいおいそれじゃあなにもないじゃーん」
クラスの男子生徒の一人が煽ってくる。
愛想笑いを返したが正直はやく終わってほしかった。
「うそね」
「え?」
隣の席の今朝の女の子が話しかけてくる。
「あなたは魔法使いでしょ?どうしてなにもないなんていうの?」
「いや魔法使いじゃないから」
「あそうか・・・こんなに人のいる前じゃ正体を隠してるってわけね」
「いや隠すも何も俺は一般人だから普通の人!」
「わかった、じゃあ今度人が来ないとこで魔法を教えてね」
「いやだから俺の話を聞けよ!?」
「あらあらもう二人は仲良しさんなのね~、でも他の人の自己紹介はちゃんと聞かないとめっですよ」
先生に軽くたしなめられ、すっきりしないまま全員の自己紹介が終わった。
「それじゃあみんなの自己紹介も終わったので授業を始めま~す」
ほんわかした伸びのある声を生徒全員にかけるが生徒の一人が
「先生今日は自己紹介終わったら下校ですよー」
「あらあらそうでしたか?」
先生は今日の予定のパンフレットを広げると
「ごめんなさいね下校になります~気をつけて帰ってくださいね~」
「もう先生ったらー」
クラス中の生徒が笑う中、俺は隣にいる涼香との学園生活に不安を隠しきれないでいた。