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モコモコ動画革命団  作者: 彩坂初雪
第四章
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本当に、荒らしを

「ま、別にあたしが行ってやってもいいんだけどな」

「は?」

 唐突に、クスクスと笑いながら綾瀬さんが言った。

「いや、でもそれじゃあ無理だって言ってなかった?」

「ああ。だが、芽依が行かないと言い張るのなら、あたしが行くしかないだろ」

「う……」

「もちろんそれで失敗したら、最初から『芽依が行った方がいい』と言っていたあたしや伶が正しいということになる。しかも、それで敗北でもしようものなら、責任は君ということになるだろうな。あたしは嫌だと言ったのに、芽依が意地を張ったせいで、となる。それでいいのなら、あたしは――」

「分かったって! 俺が行くよ」

「……なにか言い返せよ」

 我慢できずに認めると、じと目で見られる。

 これも訓練の一貫ということだろう。なにかしら、反論してみろということだ。

 しょうがなく、

「責任という話なら、俺だけが悪いってことじゃないだろ。俺がなんと言おうと、容認して送り出したそっちも悪いってことにならないの?」

 と返してみるが、

「ならないな。あたしも伶も、君が行った方がいいと散々言っている。だが、部屋に閉じこもるなり、なにかされたらこちらはもう手のうちようがなくなるだろ。人というのは、完全に心を閉ざしてしまうと、そこらにいる人間からのアプローチなど耳に入らなくなる。君がどういう形であろうと、行かなければ、『あたしたちは説得したのですが』という言い分が通る。連帯責任にはならない。それともなにか? 会う約束を放り出して、君の説得を続けていた方が良いとでも?」

 次から次へと言葉が並ぶ。

 意図的にやっていることだと分かってはいるが、イライラせずにはいられない。ここまで言われてしまうと、反論することそのものがアホらしくなる。

 だが、本当にここでやめてしまったら、それこそまた綾瀬さんに怒られるだろう。仕方なく、続けてみる。

「会う約束を放り出さなくても、『後日改めて会おう』とか連絡入れればいいんじゃないの?」

「なるほどな。それも一つの手だろう。だが、その後、君を引っ張り出せたとしても、『あの時なんで無理だったの?』と聞かれた時、どう対応する?」

「……」

「芽依が拒否していたせいでと答えるのか? それとも、他に急用が入ったとでも?」

「親戚が亡くなったとか、熱を出したとかでいいんじゃない?」

「そんなことで君は親戚を一人殺すわけか?」

「実際に殺すわけないでしょ」

「だが、口では殺しているだろう。実際に死んでもいないのに。最低だな」

「……じゃあ、熱が出ていけなかったってことで」

「ふん、それなら一応、筋は通るな」

「なら――」

「が、約束をやぶったことには変わりない。貸しを相手に一つ作ったことになる。後々、そういうのは響いてくると思うが?」

「……」

 ああ言えばこう言う。

 まるで子供のケンカだ。

 しかし、何度も相手をしていて、もう理解していた。この『子供のケンカ』と思えるような言い争いこそが、上辺だけの話し方なのだ。相手を理解しようとはせず、揚げ足を取り、必要であればけなす、嘲笑う。

「……どうした?」

 綾瀬さんの問いかけに、ため息をつく。

 確かに、これを繰り返せば、椎谷先輩に勝てるかもしれない。

 だが、この訓練を始めてから、思っていたことがある。

「綾瀬さん、普通に答えてもらえる?」

「なんだ改まって」



「本当に、荒らしを根絶できると思ってる?」


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