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モコモコ動画革命団  作者: 彩坂初雪
第二章
13/58

分かりました

「な?」

 偉そうに言うな。

「そういうわけで、君に生放送をやってもらいたい。目立つことを目的とするなら、いろんなことに手を出した方がいい。そうだろう?」

「そうかもしれませんけど、じゃあ、なにをするんですか?」

「ジャグリングとか?」

 とかってなんだよ。

 さっきから、この人思いつきでモノを言ってないか?

「あのですね、先輩、この間、動画を見せましたよね? 生放送なら尚更無理ですよ。ジャグリングは毎回成功するものではありません。生放送でやったら逆効果ですよ」

「そうか? 私はだからこそ、生放送でやるべきだと思うがな」

「どういうことですか?」

「生放送のタイトルにでも練習中と書いておけばいいだけの話だろう? ある程度上手いのだから、見栄えはするはずだぞ。成功した時には、視聴者に褒めてもらえるんじゃないかな? それに、技名がどうのというコメントもあったが、それも生放送ならその場で返せるし、視聴者に教えてもらうというのもアリだろう。……生放送の利点は、その場で、コメントに反応できることだ。それも生の声で、だ。違うか?」

「……」

「顔出しの件に関しては、マスクをすればギリギリオーケーじゃないか? もしくは、視界が狭まらないお面を探してくるとか。それでオールクリアだろう?」

 反論できなくなる。

 嫌だと言うのは簡単だが、先輩の言っていることに間違いはない。

 動画だと、どんなコメントがきていても、そのコメントに対する反論、反応はしづらい。だが、生放送であれば、その場ですぐに返すことができる。

今、MDKに必要なのは知名度の向上だ。真が本命の動画を作り、先輩が興味を持ってもらえるよう、注目度の高い音楽系で押す。そして、生放送でもなにかできれば、理想的だ。

 俺はこういう活動は無意味だと思っている。

 いくらしたところで変わらないと、そう思っている。

 ただ、不満があるのも、事実だ。もしも、変えることができるのなら、それは素晴らしいことだと思う。

「……分かりました」

 気が付くと、俺はそう言っていた。

「機材がそろっているのであれば、やってもいいですよ」

「よし。君ならそう言ってくれると信じていたよ!」

 ガシっと両肩を掴まれる。

 先輩、あんた、断らせる気がなかったくせに、よくそんなことが言えるな。

「それと、機材なら心配ない。ウェブカメラもマイクも私が持っている。そこまで良いものではないが、なんとかなるだろ。機材は芽依君に渡すから、どう扱ってくれても構わない」

 当たり前のように、先輩は言う。

「……」

 さっきから、ちょいちょい気になっているが、先輩、昔なにかあったのか? 動画を編集する技術を持っているというのもそうだし、生放送に必要な機材まであるというのは、どういうことだろうか?

「ん? どうかしたか?」

「あ、いえ……」

 今はいい。機会があったら聞いてみるという程度で構わない。

 先輩には先輩の事情があるのだろう。


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